- Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877287368
作品紹介・あらすじ
栄光と比例するように襲いかかる病魔との闘いの日々。たった一人の弟・石原裕次郎の光と影を秘められたエピソードで描く石原文学、最初で最後の私小説。ミリオンセラー待望の文庫化。
感想・レビュー・書評
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私にとって石原裕次郎は「太陽にほえろ」の「ボス」という印象が圧倒的に強く、昭和の大スターであったことがなんとなくわかったのはずいぶん後だった。本書ではその大スターの兄だからこそ知りえる弟裕次郎の幼少期から、その死までのエピソードと著者自身の心情がたっぷり記されている。ちょっとオカルティックな話もあり、石原慎太郎、裕次郎兄弟もそのような体験をしていたところは特に興味深かった。本来裕次郎のファンは現在60~70代くらいの人が多いのだろうけど、その下の「太陽にほえろ」や「西部警察」世代の人たちにとっても十分楽しめる本だと思う。あと、人の好みが多様化、細分化した現代においては、老若男女が熱中するようなスーパースターはもう、出ないんじゃないかとも感じた。
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俳優、石原裕太郎の人間を最も近い場所から最も長く見守り、ともにしてきた兄、慎太郎が綴る、弟の真実の姿。
昭和の人気スターの人間臭い一面が露わになるのも、何のフィルターも介さずとも、阿吽の呼吸が可能な兄弟ならではか。 -
大学関連でごたごたがあったのでアレですが、小説家としての石原慎太郎は結構好きです。裕次郎さんの作品を観たことはなくても、彼のカリスマ性とその生き方を身内視点という不思議な側面から垣間見ることができます。
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喰はず嫌ひだった石原慎太郎
いままで読みもしない癖に、豊﨑由美と同じやうに傍若無人の逸話だけで、あるいはイデオロギー的に反対の立場だったので石原を喰はず嫌ひしてゐたのだが、これを読んでそんな自分を反省した。
ベストセラーは大概くだらないのだが、これは裕次郎を知らない私でもおもしろい。すごい逸話が出てくる出てくる。津川雅彦を発掘したのが石原慎太郎だったとは知らなかったし、黒部の太陽のハッタリは真に迫るものがある。
そして最後の章はこちらに迫る感動があった。胸が熱くなるやうだった。
石原にはちゃんと小説の知識があるし、だから芥川賞選評も辛辣に見えて実は芯を喰ってゐるのだと思った。あらためて私は私小説の迫力とおもしろさとを痛感したのであった。 -
感動した。この本が初めて発売された30年以上前にも読んだ。読んだけどその時は若かったからかなんの感情もわかなかった。石原裕次郎が亡くなった年令を越えた今は心が動く。石原兄弟と家族との関係は羨ましいほど愛情に溢れている。父親が亡くなってからは兄弟お互いがサポート仕合い兄弟揃って成功した。もしどちからかが成功せずに落ちぶれてしまっていたらどうなっていただろうと思わないでもないが最期まで絆は強い。著者が裕次郎死後も「弟との関係はこれで終わりでない」「裕次さん、今どこで何をしてるんだ」と繰り返し書いているのが印象的。ソウルメイトというものがあるのだとしたら2人の関係はまさしくそうなのだと思った。
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父が石原裕次郎さん好んでいた理由がわかった気がする。自分は世代ではなく知らなかったけど、ほんと破天荒な人。慎太郎さんも。色々なことを思い出した。
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2022年2月1日石原慎太郎の逝去の報を聞き、同書を手に取る。裕次郎と慎太郎氏の父の思い出から幼少時代に始まり、裕次郎氏の臨終までの同書の章「血族」に最も記されている濃密な兄弟の交わりに心が震えました。恩寵によりその時代の先駆けを勤めた二人。俳優、歌手としての裕次郎氏、作家.政治家としての慎太郎氏。いずれの二人も父親の追慕の念を持ち続け、マッチョと呼ぶにふさわしい兄弟。二人の華々しい成功や濃密な青春に我が身を比べ、憧れや後悔を覚えるも、お互いを無二の存在として感じ合う男の姿に同書の重みを感じました。とても友達には成れない二人の灰汁の強さですが、魅力的な男達と思わせる色々な強さを持った男達。同書にも記されている様に今は少ない?家父長的な男達の物語り。ご冥福を祈ります。
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病に犯され死んでいった弟石原裕次郎を
兄石原慎太郎が書き上げた私小説。
読んでいるだけで、涙が出てくる。
慎太郎さんは
どんな想いで書き上げたのだろうか。
夏真っ盛りのこの時期に読みたくなった。今更ながら、ミリオンセラーを記録した
素晴らしい作品。
読み終わってしまうと、裕次郎さんは死んでしまうのかと思うと、敢えてゆっくり読みたくなる。 -
生き方、死に方を考えさせられた。
優等生な兄と、自由奔放の弟。だけど、石原裕次郎は子どもが授からなかったし、病気や怪我も多かった。どちらが良いという訳では無いが、どんな人生にも良し悪しがあるもの。
しかしこの兄弟は、事あるごとにお互い相談したり仲の良さも伝わった。大人になってからも、一緒にお酒を飲んだり会ったり出来るのは良いと思った。 -
石原裕次郎の一生を兄の目線から綴った一冊。
昭和の男らしい、豪快な人生が好きなら楽しめると思う。その時代の映画見てるみたいだった。 -
兄の手ではじめて明かされた石原裕次郎の全貌。―人生をタッグマッチで生きた2人きりの兄弟。死にゆく者と、生き残る者の無言の交錯。かけがえのない弟の知られざる生涯を、死の瞬間まで凝視し、生と死の根源を問う25年ぶりの書き下ろし長編小説。小樽、湘南の少年時代。海との結合。父の死と経済的逼迫。放蕩の季節を経て、一躍映画界の大スターへ。そして北原三枝との結婚と独立プロの設立。栄光と比例するように襲いかかる病魔との闘いの日々。たった1人の弟の光と影を秘められたエピソードで描きつつ、自らの来し方を振り返る石原文学、最初で最後の私小説。
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石原裕次郎さんと言えば、父母世代の有名人で、私にとっては、太陽に吠えろのボスや西部警察で偉そうな顔しているおじさんであった。一方の作者の石原慎太郎さんは、国会議員から東京都知事になって言いたい放題の人と言うイメージであった。
この作品を読んで、この兄弟の歩んだ道について知ることができた。すごく恵まれた家に生まれ、如何にも金持ちの長男と次男が進みそうな、まるで小説のような人生だと。しかしそれが現実に起こったこと、本当の兄弟の人生とは、なかなか信じがたいほどの人生だと感じた。
小学生の頃に太陽に吠えろごっこなどしていた私も、今では裕次郎さんが亡くなられた歳を過ぎている。今回、慎太郎さんの初期の頃の作品を読んでみたい気になった。 -
時代の恩寵
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21世紀初頭、テレビで、石原慎太郎、渡哲也、北野武の三人が、語り合いをしていた頃、近所の交差点からヒッピーが今から遊びに来て良いかと電話して番組自体をみれなかったので、購入。
目が見えなくなっているので、Kindleで読んでみたい一冊です。
追加
★kindle storeで検索したら、早速みつけたので読んでみます。 -
今は亡き裕次郎との幼い頃からの思い出です。
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http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4877287361
── 石原 慎太郎《弟 199607‥ 幻冬舎 199906‥ 幻冬舎文庫》
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4062762471
── 佐野 眞一《誰も書けなかった石原慎太郎/ 20090115 講談社文庫》
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20121025
脳内新党 ~ 石橋群団の簿外負債 ~
http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%C0%D0%B8%B6+%BF%B5%C2%C0%CF%BA
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さくさく読める。兄弟。青春。海。
という印象だったけど、あれ、違ったかな(他の方のレビューを見て) -
文体は若者向きではないけれど、兄弟関係が理想的。
そこには兄が弟へ向ける溢れんばかりの愛がある。 -
080411(s 080506)
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この本を文学と定義できるかどうか分かりませんが、個人的には間違いなく日本文学の宝だと思っています。