わたしは樹だ

著者 :
  • アノニマ・スタジオ
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本棚登録 : 115
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877587246

作品紹介・あらすじ

あらゆるものがつながりあいささえあいながら、いまここにあるということ。はじめてのホリスティック絵本。

感想・レビュー・書評

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  • とある舞台を終えた直後、図書館で出会ったこちら。
    ちょうどその舞台のコンセプトと重なるところがあり、気づいたら手に取っていた。

    自然の力強さを、絵と文が相乗効果でより鮮烈に伝えてくれる。
    圧倒されるような迫力の中に、いのちの神秘が感じられて、今あるいのちの尊さを想った。
    抽象的な絵も多く、もしかしたら子供の方が感じることが多いかもしれない。

  • 重厚で読みごたえがある。

  • 屋久島に何千年も立ち続けている屋久杉のお話しです。
    .
    たった一粒の小さな種が強く大きな樹になるには……光、水、動物、植物、目にも見えないほどの小さな菌、全てと繋がり合っている。
    命が絶えた倒木でさへ助けとなる。
    そして自分も次への命へと繋がる。
    この命のリレーが、力強い文章と絵でたたみかけるように心に押し寄せてきます。
    .
    「わたし…」と屋久杉は自分を主人公にしてお話しを進めています。
    ……
    わたしはどこにもいけない。
    わたしはどこにもいかない。

    けれど、わたしはとまってはいない。
    わたしはうごきつづける。
    わたしはうたいつづける。
    …………

    樹は動くことはできないけれど、止まっている訳ではない。
    あらゆるものの助けがあってここにいる。
    どんな厳しい環境であっても生き続ける。
    .
    読み進めるうちに、なんだか自分に置き換えて自問自答している私がいます。
    .
    多くのものや人に支えられ、生かされ、私もここにいる!
    私を生かしてくれるものや人がいて、私はここに存在できる!
    改めてそんなことに気付かされ感謝の気持ちで1杯になった1冊です。
    .
    屋久杉に会ってみたい……そんな思いにかられます。

    圧倒的な命の存在感が心をうち、前に進む勇気を与えてくれるようです。
    .
    1人1人が大切にされる社会、そんな世の中であって欲しいとつくづく思いますね。
    .
    #わたしは樹だ
    https://amzn.to/3NYG1PA
    #松田素子 文
    #nakaban 絵
    #アノニマスタジオ

  • 2020年度 5年生 寄贈本
    九州のちょっと南にある屋久島の縄文杉を知っていますか?
    4,000年以上生きている杉の木も、最初は小さなタネでした。
    倒れた木に生えたふかふかのコケの上に偶然落ちたタネは、たくさんのものに支えられながら、長い時間をかけて大きくそれは大きく育ったのです。
    「みんなみんなちいさなタネだった…」

  • 「ふゆ」「モミの木(原作アンデルセン)」などで知った「アノニマ・スタジオ」出版の本。

    アノニマ・スタジオによると、屋久島の雄大な自然が教えてくれる"ホリスティック"な絵本らしい。「ホリスティック」なんて初めて聞いた。検索してみると、、、サイトによって紹介が多少異なるけれども、「体・心・気・霊性」などと記述するところもあるように、"体と心を合わせた医学"的なジャンルだけでなく、誤解を恐れず言い切ると、新興宗教でも使われそうなジャンルの言葉(笑)

    けれどもこの、屋久島の樹について描かれたという本については、真面目に、その表現が使われる雰囲気が分かる気がする。高学年の読み聞かせに使えるかな?そのうち読んでみよう。

  • 読み始めて すぐに
    ある歌が 頭の中で 流れ始めました
    こんな歌です

    〽 一本の樹
       詩 長井三郎  曲 坂庭省吾

    春 緑の雨が降る
    立ちつくす 一本の樹
    朝の光 斜めに
    萌え出る葉に 露が光る
      
     雨の日には 雨の歌を
     晴れの日には 晴れの歌を
     うたいながら 立ち尽くし
     樹は 空をめざす

    夏 青い雨が降る
    立ちつくす 一本の樹
    昼の光 あふれて 
    緑なす葉に 影が揺れる
      
     雨の日には 雨の歌を
     晴れの日には 晴れの歌を
     うたいながら 立ち尽くし
     樹は 空をめざす

    秋 紅い雨が降る
    立ちつくす 一本の樹
    宵の光 ほのかに
    移りゆく葉に 時を染める
      
     雨の日には 雨の歌を
     晴れの日には 晴れの歌を
     うたいながら 立ち尽くし
     樹は空をめざす

    冬 白い雨が降る
    立ちつくす 一本の樹
    夜の光 静まり
    梢を鳴らし風が渡る
     
     雨の日には 雨の歌を
     晴れの日には 晴れの歌を
     うたいながら 立ち尽くし
     樹は 空をめざす 
     
    読み終わった 後も
    もちろん
    この歌が 流れていました

  • 絵本

  • 庭仕事をしていると感じます。
    いろんな虫や植物と一緒にこの庭を作っているんだなぁと。
    私のやってることなんて、ほんのちっぽけなこと。
    ありがとう、ありがとうねと。
    足腰の立つうちに屋久島行くぞ。

  • 力強い絵が、樹の生命力を豊かに感じさせる。
    文章もドラマチック。
    それでいて、きちんと樹の生態や島の自然について説明がされている。それが、楽しく、すっと入ってくる。
    小型の絵本なのが勿体ないと思ってしまうぐらい。

  • 一本の樹である「わたし」の語りで物語は展開される。
    決して樹が育つ環境としてはベストではなかったけれど、まわりの苔や樹木と支えあって生きてきた。そして、大きくなった「わたし」は植物や動物を育てている。
    ひとりの力では難しくても、みんながつながって支え合えば生きていくこともできる、そんなメッセージを感じる。そう、これは樹だけのことではない。地球に生きる人間、動物、植物、あらゆるものに共通する思想なのだと思う。

    そして、nakabanさんの絵がとても素敵な絵本です。

    あぁ、屋久島に行ってみたいな。

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著者プロフィール

編集者、作家。児童書出版社を経てフリーランスとなり、編集者として、また作家・翻訳者として絵本を中心に多方面に活躍。著書に『ムーミンのたからもの』などがある。

「2018年 『ムーミン 愛のことば』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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