- Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877587246
作品紹介・あらすじ
あらゆるものがつながりあいささえあいながら、いまここにあるということ。はじめてのホリスティック絵本。
感想・レビュー・書評
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とある舞台を終えた直後、図書館で出会ったこちら。
ちょうどその舞台のコンセプトと重なるところがあり、気づいたら手に取っていた。
自然の力強さを、絵と文が相乗効果でより鮮烈に伝えてくれる。
圧倒されるような迫力の中に、いのちの神秘が感じられて、今あるいのちの尊さを想った。
抽象的な絵も多く、もしかしたら子供の方が感じることが多いかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
重厚で読みごたえがある。
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屋久島に何千年も立ち続けている屋久杉のお話しです。
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たった一粒の小さな種が強く大きな樹になるには……光、水、動物、植物、目にも見えないほどの小さな菌、全てと繋がり合っている。
命が絶えた倒木でさへ助けとなる。
そして自分も次への命へと繋がる。
この命のリレーが、力強い文章と絵でたたみかけるように心に押し寄せてきます。
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「わたし…」と屋久杉は自分を主人公にしてお話しを進めています。
……
わたしはどこにもいけない。
わたしはどこにもいかない。
けれど、わたしはとまってはいない。
わたしはうごきつづける。
わたしはうたいつづける。
…………
樹は動くことはできないけれど、止まっている訳ではない。
あらゆるものの助けがあってここにいる。
どんな厳しい環境であっても生き続ける。
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読み進めるうちに、なんだか自分に置き換えて自問自答している私がいます。
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多くのものや人に支えられ、生かされ、私もここにいる!
私を生かしてくれるものや人がいて、私はここに存在できる!
改めてそんなことに気付かされ感謝の気持ちで1杯になった1冊です。
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屋久杉に会ってみたい……そんな思いにかられます。
圧倒的な命の存在感が心をうち、前に進む勇気を与えてくれるようです。
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1人1人が大切にされる社会、そんな世の中であって欲しいとつくづく思いますね。
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#わたしは樹だ
https://amzn.to/3NYG1PA
#松田素子 文
#nakaban 絵
#アノニマスタジオ
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2020年度 5年生 寄贈本
九州のちょっと南にある屋久島の縄文杉を知っていますか?
4,000年以上生きている杉の木も、最初は小さなタネでした。
倒れた木に生えたふかふかのコケの上に偶然落ちたタネは、たくさんのものに支えられながら、長い時間をかけて大きくそれは大きく育ったのです。
「みんなみんなちいさなタネだった…」 -
「ふゆ」「モミの木(原作アンデルセン)」などで知った「アノニマ・スタジオ」出版の本。
アノニマ・スタジオによると、屋久島の雄大な自然が教えてくれる"ホリスティック"な絵本らしい。「ホリスティック」なんて初めて聞いた。検索してみると、、、サイトによって紹介が多少異なるけれども、「体・心・気・霊性」などと記述するところもあるように、"体と心を合わせた医学"的なジャンルだけでなく、誤解を恐れず言い切ると、新興宗教でも使われそうなジャンルの言葉(笑)
けれどもこの、屋久島の樹について描かれたという本については、真面目に、その表現が使われる雰囲気が分かる気がする。高学年の読み聞かせに使えるかな?そのうち読んでみよう。 -
読み始めて すぐに
ある歌が 頭の中で 流れ始めました
こんな歌です
〽 一本の樹
詩 長井三郎 曲 坂庭省吾
春 緑の雨が降る
立ちつくす 一本の樹
朝の光 斜めに
萌え出る葉に 露が光る
雨の日には 雨の歌を
晴れの日には 晴れの歌を
うたいながら 立ち尽くし
樹は 空をめざす
夏 青い雨が降る
立ちつくす 一本の樹
昼の光 あふれて
緑なす葉に 影が揺れる
雨の日には 雨の歌を
晴れの日には 晴れの歌を
うたいながら 立ち尽くし
樹は 空をめざす
秋 紅い雨が降る
立ちつくす 一本の樹
宵の光 ほのかに
移りゆく葉に 時を染める
雨の日には 雨の歌を
晴れの日には 晴れの歌を
うたいながら 立ち尽くし
樹は空をめざす
冬 白い雨が降る
立ちつくす 一本の樹
夜の光 静まり
梢を鳴らし風が渡る
雨の日には 雨の歌を
晴れの日には 晴れの歌を
うたいながら 立ち尽くし
樹は 空をめざす
読み終わった 後も
もちろん
この歌が 流れていました -
絵本
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庭仕事をしていると感じます。
いろんな虫や植物と一緒にこの庭を作っているんだなぁと。
私のやってることなんて、ほんのちっぽけなこと。
ありがとう、ありがとうねと。
足腰の立つうちに屋久島行くぞ。 -
力強い絵が、樹の生命力を豊かに感じさせる。
文章もドラマチック。
それでいて、きちんと樹の生態や島の自然について説明がされている。それが、楽しく、すっと入ってくる。
小型の絵本なのが勿体ないと思ってしまうぐらい。 -
一本の樹である「わたし」の語りで物語は展開される。
決して樹が育つ環境としてはベストではなかったけれど、まわりの苔や樹木と支えあって生きてきた。そして、大きくなった「わたし」は植物や動物を育てている。
ひとりの力では難しくても、みんながつながって支え合えば生きていくこともできる、そんなメッセージを感じる。そう、これは樹だけのことではない。地球に生きる人間、動物、植物、あらゆるものに共通する思想なのだと思う。
そして、nakabanさんの絵がとても素敵な絵本です。
あぁ、屋久島に行ってみたいな。