- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877713379
作品紹介・あらすじ
ロジカルシンキングの限界を軽々と乗り越える!不可能を可能にする発明家の視点。絶体絶命と思われる状況でさえ、極めて自分に好都合な状況へと転換することができる。
感想・レビュー・書評
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【感想】
論理的思考に縛られすぎず、発想の転換として「ラテラルシンキング」という思考法も必要だと思う。
センスというか、とんちのような考え方だけども。
ただ、これは裏技すぎるため、現状打破や改善方法として必要ではあるけど、基礎がなっていないのにこの思考法ばかりでは誰も耳を傾けてくれなくなるだろう。
ここで言う基礎とは、「論理的思考」。
これが出来るからこそ「水平思考」も生きていくものだと思います。
基礎がしっかりとした思考法と柔軟な思考法。
どちらもバランス良く使用してこそ、一流のビジネスパーソンになるのでしょう。
【内容まとめ】
1.「水平思考」とは、簡単で創造的思考法を通じて、新たなアイデアを生み出すように脳を仕向けることができること。
常識的な思考法から一旦離れて様々な難題に取り組み、正解に至るもう一つ別のルートを開拓しようという心構え。
2.水平思考の原則
・支配的なアイデアを認識すること
・様々なものの見方を探し求めること
・垂直思考の強い支配から抜け出すこと
・偶然の機会を活用すること
3.水平思考では、常に正しくある必要はない。
正しくなければならないのは、最終的な結論だけだ。過程はどうでもいい。
アドレナリンの発見の例のように、論理の道筋の一つ一つの段階では正しくないが、その最終段階で印象的な発見がもたらされたという例は沢山ある。
4.フレミングとペニシリン
偶然というものが有益である事は確かである。
度重なる「偶然」によってペニシリンの発見に至った。
・セントメアリー病院を選ぶきっかけとなった水球の試合
・思いがけず転がり込んだ遺産
・アルムロスライト卿との出会い
・戦時中の経験
・リゾチームの発見
・偶然ペニシリウム・ノタータムに汚染された培養液
・ペニシリンの科学的安定を研究しようという決意。
5.
【引用】
「水平思考」とは、簡単で創造的思考法を通じて、新たなアイデアを生み出すように脳を仕向けることができること。
常識的な思考法から一旦離れて様々な難題に取り組み、正解に至るもう一つ別のルートを開拓しようという心構え。
p46
水平思考が必要なのは、垂直思考には限界があるからだ。
垂直思考は同じ穴をより深く掘る事であり、水平思考は他の場所でやり直すこと。
一つの穴をどんどんと深く掘り進めても、別の場所に穴を開ける事はできない。
p123
・水平思考の原則
1.支配的なアイデアを認識すること
2.様々なものの見方を探し求めること
3.垂直思考の強い支配から抜け出すこと
4.偶然の機会を活用すること
p129
・言葉や名前がつくと、見方が固定されてしまう。
名前がひとたびつくと、それは固定し不変のものとなる。なぜなら不変の意味を持ったときに、はじめてレッテルとして「名前」がつくからである。
ひとたび名前がつくと、水平思考のダイナミックな流動性はすっかり失われてしまい、状況に対する見方が固定される。
油の代わりの尿、夜道でバックする際の
後退灯のない車の方向指示器など。
p152
水平思考では、常に正しくある必要はない。
正しくなければならないのは、最終的な結論だけだ。過程はどうでもいい。
新しいアイデアを生み出す際に最大の障害となるのは、すべての段階で常に正しくなければならないという考え方だろう。
アドレナリンの発見の例のように、論理の道筋の一つ一つの段階では正しくないが、その最終段階で印象的な発見がもたらされたという例は沢山ある。
p156
・垂直思考の弱点
1.結論に至る道を1本でも見つけ出したら、他のもっと良い近道を探す必要がなくなってしまうこと。
2.新しいアイデアを探すときに論理を用いるが、それ以外に思考の進め方を知らず、間違った方向に思考を進めかねない点。
p184
・フレミングとペニシリン
セントメアリー病院を選ぶきっかけとなった水球の試合、思いがけず転がり込んだ遺産、アルムロスライト卿との出会い、戦時中の経験、リゾチームの発見、偶然ペニシリウム・ノタータムに汚染された培養液、ペニシリンの科学的安定を研究しようという決意。
偶然というものが有益である事は確かである。
p184
・「遊び」の重要性
新しいアイデアを生み出すことにおいて、偶然が、考えてもみなかったであろうことに目を向けるきっかけになる。
その理想的な方法は、「遊び」である。
遊びは、探し求めてもいなかった現象が偶然あらわれるのを促すものである。
遊びは、一見役に立たないもののように見えるので、当然ながら人々は遊びたがらない。
しかし、遊ぶことが恥なのではなく、遊ばないことこそ恥じるべきなのだ。
p268
・新しいアイデアを生む手法としての垂直思考の限界
・新しいアイデアを生むための水平思考のプロセスの利用
・シンプルで理にかなった、効果的な新しいアイデアを生み出すという、水平思考の目的
水平思考の魅力はシンプルないいアイデアを求める心踊る探求であり、純粋に知能だけに頼るものではないため、誰にでもできる思考法だという点だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
新しいアイデアを生む、考え方を変えるためには水平思考が必要である。
視覚や行動から固定観念が生まれていることに気づくと、自分の考えを客観視することができる。
関連のある情報だけを探すというのは、その情報の有用性を決定することである。偶然を阻害しない。
水平思考は知能でははかれない。問題が起きたときにどのように対処するのかを観察することで確かめられるのなら練習して身につけることができるのかもしれない。 -
凝り固まった考え方を捨てること、あえて別の考え方をしてみることが大切だと理解した。
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本書では、垂直思考と水平思考の2つの思考法を定義し、水平思考を意識し活用することで、アイデアや課題解決に活かせることが書かれている。
論理的な思考で、体系的に順を追って思考を深める手法を垂直思考と呼び、いっけん脇道にそれるが、全く新しい解決策を導くものが水平思考と呼んでいる。この水平思考で導き出したものは、明確になった場合には当たり前過ぎてなんで思いつかなかったのか不思議に思うようなものが多いのだという。でも、垂直思考では導き出すことは難しいもの。
本書の冒頭に、金貸しと貧乏な商人とその娘の逸話が語られる。この最初の章で水平思考のニュアンスをわかりやすく伝えている。
概要はこんな感じ。
借金をすることで、投獄されていた時代、金貸しから多額の借金をしていた商人と10代の娘がいた。金貸しは、醜い年寄りだが10代の娘を気に入ったので、娘をくれるなら借金を帳消しにしてやるといった。商人と娘は震え上がる。ずる賢い金貸しは、神様に決めてもらえと言ってくる。カラの財布に庭に敷き詰めてある白と黒の石を一つずつ入れる。娘が選んだ石が黒ならば、娘は金貸しの妻となり、商人の借金はなかったことになる。選んだ石が白ならば、娘は商人のもとに留まり、商人の借金もなかったことになる。娘が石を取り出すことを拒めば、商人は投獄され、娘は飢えることになる。
商人はしぶしぶ提案に同意する。
金貸しはかがみ込み庭の石を2つ拾った。恐怖で観察力が研ぎ澄まされていた娘は、拾った石が2つとも黒で、金貸しがそのまま財布に入れたことに気がついた。
そして運命を決めることになる石を選ぶよう娘に告げた。
この問題を解決するのに、水平思考が役に立つのだ。垂直思考では良い解決策は導きにくいことがよく分かる。
私は、わからなかった。わかる方は、水平思考を意識的に使える人である。 -
尊敬できる上司から勧められた本。
本の内容を理解するだけでなく、考え、行動を実現できている事にリスペクト。 -
再読、長く同一業務をしていると、知らず知らずのうちに自分の中で狭い世界が作られている自覚がある。既成概念と呼ばれるものによって、発想が限られ、排他的になる。ラテラルシンキングはビジネスでは必要スキルであると自覚もしているが、その発想を身につけるのは、容易ではないため、常に意識して、物事を多角的に見る癖をつけなくてはならない。
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読みやすくてためになる。今だからこそ腹落ちしやすいが、40年前の時代だったら理解されるのは難しかったのではないか。
後半、”アイデアマン””実行者””まとめ役””管理者”それぞれの功罪を書いている部分は痛快、仕事の現場でも大いに参考になる。
[more]<blockquote>P38 新しいアイデアがもたらされるプロセスは、そのアイデアの実際の重要性と切り離すことができる。
P62 一つのアイデアに支配された垂直思考の持ち主のパロディとして最適なのは、飼い猫が子猫を産んだ男の話だろう。(ドアに穴をあけるアイデア)
P96 分解に用いられる単位が複雑であるほど単位間の位置関係は単純なものになり、単位が単純であるほど位置関係は複雑なものになる。したがって単位そのものの単純さとその位置関係の単純さのバランスをうまく取らなければならなくなる。
P115 見慣れた図形の組み合わせ方ではなく、見慣れた図形そのものを疑問視しなければならなくなるときが、やがてはやってくる。
P140 より良い説明ができないならば、既存の説明を疑う権利はないと思い込んでしまうケースが多すぎる。これでは新しいアイデアが出てくるはずはない。
P145 一見簡単そうに見えて実は難しい方法をひとつ紹介しよう。それは物事の見方の数をあらかじめ決めておくという方法だ。その数は3つでも5つでもそれより多くてもかまわない。
P155 いったん到着した後で最も確実なルートを確かめる方が、来た道を途中で見失わないように細心の注意を払いながら進むよりも、ずっと簡単な時もあるのである。
P160 垂直思考をする人が何を根拠に物事を分類できるかということに関心を抱くのに対して、水平思考をする人の関心は、何を根拠に物事を統合できるかということに向けられる。
P201 偶然と言うからには何も起きない可能性もあるわけだから、何らかの考えをまとめたいという誘惑に強く駆られることだろう。この誘惑に打ち勝って十分に受け身の姿勢で期待すれば、必ず何らかのアイデアは生まれると確信することが必要である。
P233 水平思考のプラスの側面の一つが新しいアイデアであることは確かだが、水平思考を決して使おうとしない人は、このプラスの側面を利用し損ねるだけでなく明らかな不利益をも被ることになる。その不利益とは他人に操られやすいということだ。
P260 まとめ役は普通、アイデアマンと実行者の区別がついていない。【中略】アイデアマンは素晴らしい技能を駆使して二流のアイデアを元に仕事を進める、いわゆる実行者を軽蔑しているふりをする。なにしろアイデアマンというものは、役に立つ仕事を実際にしているのは実行者であって、実行者がいなければ新しいアイデアなど価値がないということに気がつかないのである。また、実行者が二流のアイデアを元に仕事を進めているのは、よりよいアイデアを生み出せないからではなく、とりあえずアイデアさえあればすぐにでも仕事に取りかかることができる人たちだからだ。実行者はアイデアマンのように怠惰ではないので、素晴らしいアイデアから特別なインスピレーションを得なければ仕事に取りかかれないなどということはないのである。同様に、実行者はそうする能力があるから、一つの問題を解決するために困難な仕事をやり遂げるのに対して、アイデアマンは怠惰で無能なので、困難な方法で仕事をしようとはせず、楽なやり方を探そうとするのだ。
理想的な研究チームは、アイデアマンと実行者の両方がいて初めて成り立つ。
P262 有能な管理者が資金を管理するこのシステムの大きな欠点は、アイデアマンの仕事を管理者がほとんど知らないことだが、かといってアイデアマンは管理者の仕事をする能力を持ち合わせていない。【中略】管理上の必要性と研究上の必要性を一致させなければならないというこの問題は、残念ながら今後ますます難しさを増していくだろう。
</blockquote> -
*水平思考の世界*
エドワード デボノ
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ビジネスデザイナー濱口秀司が面白いという話をしたときに、であればこの本が面白いよと勧められたのがこの本です。
従来の論理的思考(垂直思考)とは違った水平思考という考え方についての本です。
以下抜粋。
・新しいアイデアは専門知識があるから生み出されるわけではない。アインシュタインは無から相対性理論を生み出し、後からこれが証明された。
・支配的なアイデアは便利なだけでなく、新しいアイデアを発想する上では障害になる
・支配的なアイデアあら逃れる方法
1. 支配的なアイデアを極めて慎重に選び出し、明確にし、書き留める⇛対極がわかる
2. 支配的なアイデアを認識した上でアイデンティティを失うまで歪める
・様々な物の見方を探し求める
ある1つの選択肢を選んだ時点では、その選択は任意で他にも選択肢があったとしても、時が経つとその便利さに慣れ、その事実を忘れ、他の選択肢は無かったと思うようになる。成功体験から逃げられなくなる。
常識から逃れた見方に切り替えるには力点を置き換える
垂直思考を有用化するためには、仮説が必要で、実際には存在していない厳格なルールに縛られていることが多い。
・普段の思考から脱却するための方法
予め物事の見方の数を決めておき、その数は意識的に探す。
関係を意識的にひっくり返す
論理の目的は、最終的な結論を出すよりも、出された結論が理
にかなったものかどうかを確認することにある。
<参考>独占告白。イノベーションの鬼、濱口秀司のすべてhttps://newspicks.com/news/2384004/ -
水平思考という概念を生み出した人の本。
論理思考の限界の指摘。
本文は非常に理解が難しい。しかし、極論を言えば、論理的に考えずによむということでもある。
わからなければわからないほど、論理的に読んでいるということだろう。
初めの問題がわかったのと、水平思考関連の本を読んでいたので目新しさがないが、
遊びの重要性を知ることができたのがよかった。
人は行動することで偶発的な状況にいつでも遭遇する。そこがアイデアでありチャンスなのだろう。
それを生かす思考を持っておく必要がある。 -
初版が昭和64年という古い本だけれど、全然古さを感じさせない内容だった。
「偶然をものにする」ということ、なるほど確かにと納得。
百貨店で先入観なしにただ見て回るのがアイデアのヒントになるということについて。目的無しの行動は時間を無駄にしたように思ってしまうけれど、そういう気持ちの余裕の無さが水平思考を阻害しているのかなと思った。