アンドリュー・カーネギー×ナポレオン・ヒル 一流の思考 [後編]

著者 : ナポレオン・ヒル 田中孝顕

• きこ書房 (2019年2月28日発売)

感想・レビュー・書評

[狐舞さんの感想 · 2020年8月1日]

　後編は内面に関する10個の考え方が示されている。内面的なものなのでなかなか実践することが難しいが、多少なりとも身に付けることができれば、成功にまた一歩近づくことができるだろう。この中では「失敗」と「習慣」が取り組みやすいかもしれない。「失敗」は、次は気を付けよう、と思ったうえでちゃんと気を付けるように行動すれば失敗を活かしたことになるし、失敗しない仕組み――チェックリスト、手順そのものの見直しなど――をプラスアルファすれば評価へつながるだろう。「習慣」は取り組みやすいというよりも、何もしなくてもそれが習慣になってしまうほど強力である。習慣化させるまでは多少の時間がかかるかもしれないが、とにかく継続さえすればよく、そういう点ではもしかすると一番簡単かもしれない。ただし、失敗や貧困すら習慣化してしまう点に注意が必要である。その行動が成功へ向かうものなのか、貧困へ向かうものなのか見極めなければならない。
　上下巻合わせて16の考え方が示されているが、これらのことは一度にすべてをやる必要はなく、出来ることから始めればよい。始めた瞬間から差となって現れ、継続することで目標へ到達できるはずである。

著者プロフィール

1908年、駆け出しの雑誌記者時代に、アンドリュー・カーネギーと出会う。カーネギーの要請で万人が活用できる成功の秘訣の体系化に着手。カーネギーの尽力もあり、著名な500名以上の各界成功者が共同作業に携わる。20年後の1928年、初期プログラム完成。そして実践の場での有効性を調査し、再び検討を重ねて52年後の1960年に、遂にPMAプログラムを完成(80年後の1988年に新版完成。日本語版はこの新版による)。この間、ウッドロー・ウィルソン大統領の広報担当補佐官、フランクリン・ルーズベルト大統領の顧問官を務める。また、講演家としても活躍。大富豪の一人としても、その名を残している。ナポレオン・ヒル財団設立後、1970年87歳で没。

「2020年 『新装版 成功哲学』 で使われていた紹介文から引用しています。」