ホロコースト産業: 同胞の苦しみを「売り物」にするユダヤ人エリートたち

  • 三交社
3.36
  • (3)
  • (2)
  • (7)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 61
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784879191588

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • FN1a

  • ナチによるユダヤ人虐殺が、どのようにしてアメリカの特権階級ユダヤ人たちにとっての最大の武器として見出され、最大限活用され、一方等の被害者の一般ユダヤ人たちはろくな補償も受けることなく放置され、またより一層の憎しみを受けることになってしまったのか、についての書。名前からわかるように、著者はユダヤ人で、両親は強制収容所からの生還者。この本を読むたびに日本人として想起してしまうのは在日朝鮮人問題で、そのそっくりな構図を見ると、裏で常にゴタゴタを画策している連中のうち一部は、アメリカユダヤ人たちの戦略から大いに学んでいると思われる。いや、在日問題をメディア展開している本当の当事者は、歴史的に実際に被害を受けた一般在日ではなく、もしかしたら特権在日たちでさえなく、日本と大陸を分断するために常に大陸で反日世論工作を行っているアメリカのユダヤ人たち、更には韓国への影響力強化のため、韓国を日米側から引き離しておきたい中国政府なのかもしれない。

  • ユダヤ人が差別される時代はとうの昔。今はユダヤ人が差別する側・・・いや選民する立場になった、という話なんですが。政治関係だけではなくエンタメ業界にも圧倒的な力を持つらしく、ホロコースト関係の映画を純真無垢な気持ちではもう見られない・・・。数と道徳観の矛盾に翻弄される。そして何よりもこの本を書いた彼が職を終われ憂き目に遭っているという事実が私には一番恐ろしい。学術書的な扱いなので、文体が読みにくく参考・引用文献の数が多いため注意力がやや散漫になってしまったかも。

  • 戦後になってからはアメリカのユダヤ人社会などが当時のドイツやスイスの企業や国に対して賠償金を請求する動きが多く見られた。被害者であるユダヤ人としてはたしかにそのような気持ちになるであろう。ユダヤ人は自らの民族的アイデンティティをホロコーストに求めていると指摘している本もある 。そのようなユダヤ人の動きを捉えて「ホロコースト産業」と呼ばれている。ホロコースト産業による告発はドイツには、かつてのユダヤ人奴隷労働者に補償すべき「道徳的および法的な義務」があるというものだった 。ホロコースト産業との和解でスイスはホロコースト期の休眠ユダヤ人口座だけでなく、ナチスに掠奪されたユダヤ人資産および搾取されたユダヤ人奴隷労働者から「それと知りつつ得た」利益を「吐き出す」ことも強要された 。つまり、ナチスによるホロコースト期間のユダヤ人迫害や奴隷労働が、戦後になってユダヤ人社会がそれを利用して賠償金請求という名目で「強請(ゆすり)」を行っているという新たな一面もある。たしかにホロコースト被害者の家族や子孫もいるが、ただユダヤ人ということで、そのような賠償請求行動(ホロコースト産業)に携わっているものもいる。当時奴隷労働者として強制収容所で働かされ、殺されたユダヤ人たちは何を思っているだろうか。

  • そもそもホロコーストを巡る言論さえ欧米では完全にタブーであり、少しでもホロコーストについて語られると、それは反ユダヤ主義やナチズムのように捕らわれ黙殺される。

    アメリカはユダヤ人の財産を補填させるという表向きの目的で加害国であるドイツに対して補償金を請求するようになる。一説ではドイツが支払った金額は合計でも60兆円だと云われる。しかし、この金額が均等に生還者のユダヤ人に渡るものではなく、受給者の人間に対しては受給者の増加を謳うことで還付金を引き下げる。結果的に生まれた差額を横領していた実態が本書の告発により明るみになる。それらの一連の経緯や欺瞞による戦争主義アメリカの態度や閉鎖されたホロコーストについての論議を起こしたのが本書。

    ドイツに補償をせがむアメリカだが、当のアメリカの中枢にはユダヤ人が多く、それは正に父や母の被害を静かに鎮魂化するわけではなく、反対に商業化させることで世論を煽り、加害国をゆすることで自らの私腹を肥やす。

    アメリカの態度とユダヤ主義の結び付きは第二次世界大戦後のアメリカの残虐性と存在しない戦争大儀を目眩ましにさせ、悪を何時までもナチズムだけに押し付けることで自分たちの残虐性には正当性を与える。
    ホロコーストという虚像の存在はアメリカの戦争主義の残虐性を黙殺させる意味と、イスラエル問題によるユダヤ主義に正当性を与えるプロパガンダと化している。

  • 読了:2009/08/12

    ホロコースト産業のやり口(スイス銀行業界の恐喝とか)を、両親共に生還者のフィンケルスタインが検証・告発した本。ラウル・ヒルバーグの本も読まねば!

  •  これだけの告発を行えば、いつ殺されてもおかしくないだろう。ノーマン・G・フィンケルスタインの怒りは、収容所を生き延びた両親によって培われたものだった。嘘が人を殺す――ナチス・ドイツでもルワンダでもそうだった。大量虐殺を実行するには、嘘に踊らされる群衆が必要なのだ。著者は、その嘘を憎んだ。本書を執筆する動機がそこにあったことと察する。

     <a href="http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20080816/p1" target="_blank">http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20080816/p1</a>

全8件中 1 - 8件を表示

ノーマン・G.フィンケルスタインの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×