剃髪式 (フラバル・コレクション)

  • 松籟社
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本棚登録 : 104
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (165ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784879843272

作品紹介・あらすじ

ボヘミア地方ヌィンブルクのビール醸造所を舞台に、建国間もないチェコスロヴァキアの「新しい」生活を、
一読したら忘れられない魅力的な登場人物たちに託していきいきと描き出す。
「ビール醸造所で育った」作家が自身の母親を語り手に設定して書き上げた意欲作。

感想・レビュー・書評

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  • 筆者の両親をモデルにしたキラキラノスタルジー小説。チェコ系の人々が未来に対して明るい気持ちを持っていた時代に、若くて美しかった母が金髪をなびかせながら自転車で街を走り抜け、煙突に上り、ソーセージを作る。

    しかしこの奥さんがちょい苦手なキャラで、あまりノリよく読めなかった。美人で思いのままに振る舞いつつ周りの反応をうかがうことは怠らない人物と感じてしまって…(自分を聖母マリアになぞらえるとか、不遜じゃないですか)。本書は評判がいいので、気にならない人は全然気にならないだろうし、むしろわたしの捉え方に癖があるのだと思うけれど。

    振り回される夫の気持ちになってしまって少しくたびれた。いや、ふたりがいいならいいんですよ、蓼食う虫も好き好きだからね。

  • 次作あり

  • フラバルの母マリシュカを語り手にし、夫フランツィンとの結婚生活を描いている。途中参入してくるペピンおじさんもいいキャラクター。
    マリシュカのチャーミングな性格も、夫とのラブラブぶりも、とても素敵だった。
    どのエピソードもおもしろく、頬を緩ませながら読み通すことができ、閉じる頃にはほっこりした。

  • 短縮することの寓話

  • ランプの美しい描写から始まりとても色彩が豊かな小説。ふわふわ、きらきら、ゆらゆら、さらさら、流れるような浮くような飛ぶような美しい描写にうっとりした。主人公のマリシェンカの天真爛漫さ。細やかな夫フランツェン。フランツェンの兄ヨゼフ(ペピン、ヨシュコ、ヨジンと沢山愛称があるw)の奔放でとめどないおしゃべりと楽しい暮らしを一緒に過ごしたような気がした。広場で溺れるエピソードが好き。マリシェンカの金髪はチェコビールのよう。美味しいビールを飲んだような幸福な小説だった。

  • 翻訳が原因なのかチェコ語という言語が原因なのか分からないが、とにかく読みにくい本だった。文字をただ追わされてる感が強かったため感情移入しにくく、面白さがよく分からなかった。
    序盤のソーセージのくだりは血生臭すぎて気持ち悪くなってしまった。

  • BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー“コンクラーベ”で登場。
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/highlight/41.html


    下北沢B&Bの黒川安莉さんが、渡辺徹さんへ向けてプレゼンした1冊。
    『渡辺徹さんといえば太陽にほえろ!のラガー、ラガーといえばビール、ビールといえば下北沢B&B…(中略)…榊原郁恵さんのような快活な女房が出てくるのですが…』と半ば強引なプレゼンだった黒川さん。

    残念ながら、結果は惜敗!渡辺徹さんの今読みたい本には選ばれませんでした。。


    原宿ブックカフェ公式サイト
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/index.html
    http://nestle.jp/entertain/bookcafe/

  • 公開シンポジウム「ボフミル・フラバル生誕百周年記念シンポジウム」 | 立教大学
    中欧を代表するチェコの作家ボフミル・フラバルが生誕百周年を迎えるにあたり、フラバル原作の映画を上映するとともに、作家、翻訳家、批評家がそれぞれの視点からフラバル文学の魅力を議論する。※使用言語:日本語、チェコ語(通訳あり)。
    日時 2014年3月29日(土)13:30~18:00
    場所 池袋キャンパス 7号館1階 7101教室
    http://www.rikkyo.ac.jp/events/2014/03/14109/

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    「ボヘミア地方ヌィンブルクのビール醸造所を舞台に、建国間もないチェコスロヴァキアの「新しい」生活を、一読したら忘れられない魅力的な登場人物たちに託していきいきと描き出す。
    「ビール醸造所で育った」作家が自身の母親を語り手に設定して書き上げた意欲作。」

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著者プロフィール

20世紀後半のチェコ文学を代表する作家。
モラヴィア地方の町ブルノに生まれ、ビール醸造所で幼少期を過ごす。
プラハ・カレル大学修了後、いくつもの職業を転々としつつ創作を続けていた。
1963年、短編集『水底の真珠』でデビュー、高い評価を得る。その後も、躍動感あふれる語りが特徴的な作品群で、当代随一の作家と評された。
1968年の「プラハの春」挫折後の「正常化」時代には国内での作品発表ができなくなり、その後部分的な出版が許されるようになるものの、1989年の「ビロード革命」までは多くの作品が地下出版や外国の亡命出版社で刊行された。
代表作に『あまりにも騒がしい孤独』(邦訳:松籟社)、『わたしは英国王に給仕した』(同:河出書房新社)などがある。

「2022年 『十一月の嵐』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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