- Amazon.co.jp ・本 (471ページ)
- / ISBN・EAN: 9784879844071
作品紹介・あらすじ
ラフカディオ・ハーンの諸作品の、また『ドラキュラ』はじめ英米怪奇文学の翻訳者として著名な平井呈一(本名・程一)。しかしその生涯は不明なところが多く、モデル小説とされる『来訪者』(永井荷風)に基づく偏見も流布している。
中学時代に平井呈一の知遇を得、師事した編者・荒俣宏が、広範な資料調査と関係者への綿密な取材をもとに平井程一年譜を作成(荒俣と同じく、平井に縁の深い紀田順一郎が監修にあたった)。加えて未発表の小説3作、評論や随筆、俳句作品、呈一縁者の回想記等を併載し、平井呈一という一人の文学者の全体像を明らかにする。
感想・レビュー・書評
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平井呈一 生涯とその作品 荒俣宏編、紀田順一郎監修 松籟社 2640円 : 書評 : 本よみうり堂 : エンタメ・文化 : ニュース : 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20210717-OYT8T50112/
図書出版松籟社ホームページ
http://www.shoraisha.com/main/company/index.html詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
英米怪奇文学の翻訳者、平井呈一の詳細な年譜と未発表作品、評論や随筆、関係者の回想録を収録。
470ページのうちその半分近く(200ページ)が年譜という読み応えたっぷりの大ボリューム。膨大な資料を調査されていて凄いです。
呈一の双子の兄が、上野うさぎやの主人、二代目喜作であることは有名ですが、その双子の父親である初代喜作が川上音二郎一座の番頭であった辺りや、そこから尾崎紅葉、河東碧梧桐と交友関係が広がっていくところなど興味深いですね。(この双子の息子達と文学とを結びつけたのは、この父親の人脈がスタートというわけで)
例の事件に関する本書のスタンスについては、冒頭で謳われている通りなので、その他の視点からの描写は、
「花火・来訪者」(岩波文庫)
「荷風を盗んだ男 「猪場毅」という波紋」
辺りを読むと、より理解が広がるかと思います。