- Amazon.co.jp ・本 (156ページ)
- / ISBN・EAN: 9784880084053
感想・レビュー・書評
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最近気になってしまう建築家の一人。
この人の考え方は、非常に映像的。
そしてさらに平面の中の三次元性についてまで考えだしている気がする。線という二次元が三次元の建築になる瞬間を考えてるような。
私がいま考えている事に非常に近いような気がします。
筒の中にいすがある空間、
穴から下のベッドがある部屋を見下ろすような空間、
曲線の中を走る少女がいる空間。
そのスケッチを実現化できるためにはどんな建築が必要か。
そんな順番で考える建築は非常に新鮮で、不思議。
分離派の平面的な建築ではなく、
多分、平面より断面の人なんだと思う。
それが住宅に適用されるとちょっと、ちょっと住みやすいのかな、とか考えだしてしまうのですが。住宅じゃない方が向いてるのかも。もっと大きな規模になったときの建築が気になる。
考え方や視点を新しくするには面白い本でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中山英之さんの建築に対する抽象的な考え方を知れる本。
最初のスケッチングが興味深い。ページの左下に描かれた単なる曲線に何か一つ加えると立体的な空間が見えてくるというリフレーミング的なことを書いた章。
曲線に対して椅子を横に加えればラグのように見えたり、影のある椅子を加えれば、部屋のように見えたり、椅子の上半分とランチョンマットを加えればテーブルに見えたり。単なる曲線に一つなにかを加えるだけで、曲線が様々な形に変化し「空間」を作り出す。当たり前な事ではあるけど、その見え方や捉え方が変わる事について考えたことが無かったため、印象に残った。
中山英之さんは「そして色々描き加えた線を消したときに残る元の線のような空間を作りたい。」と述べており、二次元的なものから三次元を考えているのかなと思った。少し抽象度が高いため、この手法は住宅や公共施設というより、空間デザインやインスタレーションに向いていると思った。 -
不思議な本だった。
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断片的な体験をスケッチで、想像する。
そして、その断片のピースから建築を創造する。
これが中山流。 -
とてもいい本でした。
内容は短時間で読める量だけど、
装丁と内容と絵がちょうどいいバランスになってて、
とにかく本としてすごくいい本になってました。
あのカバーの質感と、本文の文字組と、作品が・・・
たまんない。
いいなぁ。
せっかくやからそのうち手に入れたいなぁ。 -
若手建築家中山英之の本。
むちゃカワイイ。
描かれたスケッチの断片を丁寧に紡いでいき、
建築をつくる。
「最後の最後で設計図に引かれた線と、設計図には引かれていない家具や人や物が、区別されずに並んでいる風景は、はじめに書いた絵とよく似ています。」
スケッチを描こう。