中山英之さんの建築に対する抽象的な考え方を知れる本。
最初のスケッチングが興味深い。ページの左下に描かれた単なる曲線に何か一つ加えると立体的な空間が見えてくるというリフレーミング的なことを書いた章。
曲線に対して椅子を横に加えればラグのように見えたり、影のある椅子を加えれば、部屋のように見えたり、椅子の上半分とランチョンマットを加えればテーブルに見えたり。単なる曲線に一つなにかを加えるだけで、曲線が様々な形に変化し「空間」を作り出す。当たり前な事ではあるけど、その見え方や捉え方が変わる事について考えたことが無かったため、印象に残った。
中山英之さんは「そして色々描き加えた線を消したときに残る元の線のような空間を作りたい。」と述べており、二次元的なものから三次元を考えているのかなと思った。少し抽象度が高いため、この手法は住宅や公共施設というより、空間デザインやインスタレーションに向いていると思った。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2023年5月22日
- 読了日 : 2023年5月20日
- 本棚登録日 : 2023年5月20日
みんなの感想をみる