ザ・空気

著者 :
  • 而立書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784880594088

作品紹介・あらすじ

人気報道番組の放送数時間前、ある特集の内容について局の上層部から突然の内容変更を命じられ、現場は大混乱に陥る。
編集長の今森やキャスターの来宮は抵抗するが、局内の“空気”は徐々に変わっていき……。公演当時、観客の背筋を凍らせ、「社会派ホラー」と評された問題作、待望の書籍化!
第25回読売演劇大賞最優秀演出家賞、同優秀作品賞・優秀女優賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 2017年1月20日~2月12日まで東京芸術劇場シアターイーストで上映された公演を書籍化した物で小説ではなくシナリオ形式になっています。

    人気報道番組「ニュース・ライブ」の放送数時間前、ある特集の内容について局の上層部から突然内容変更を命じられ大混乱に陥る現場。

    それに抵抗する編集長の今森、キャスターの来宮。
    しかし局内の空気は徐々に変わって行き…。

    普段何気なく見ている報道番組だが視聴者の見えない部分、裏側の顔が描かれている。

    圧力に屈しなければいけない空気、葛藤と苦悩がリアルでノンフィクションの様に感じた作品。

  • やるせない。しかし、諦めてはいけない。この状況がおかしいことどうやったら社会で共有していけるのか。

  • 編集権に限った話じゃないけど、第二次世界大戦前後に制定された決まりごとが現代社会においてもそのまま適用されているの本当に恐怖すぎる。そして時代の変化に伴ってそういった決まりごとをアップデートしていこうという動きが内部から湧き起こらないのもいかにメディア内部が腐っているかを表している。それらを鋭い視点から浮き彫りにさせた本作は凄い。

  • ジャーナリズムの「編集権」が経営陣にあることを問題視し、マスコミの危機を鋭く描く。私たちの「目」であり「耳」であり「口」であるマスコミが、経営の都合で閉じられる実態に戦慄を覚えた。

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著者プロフィール

1951年 東京生まれ。桐朋学園大学短期大学部演劇専攻科卒。
1981年 大石静と劇団二兎社を旗揚げ。1991年より二兎社主宰。
第31回紀伊國屋演劇賞個人賞、第1回鶴屋南北戯曲賞、第44回岸田國士戯曲賞、第52回読売文学賞、第1回朝日舞台芸術賞「秋元松代賞」、第65回芸術選奨文部科学大臣賞、第60回毎日芸術賞などを受賞。
主な作品
「時の物置」「パパのデモクラシー」「僕の東京日記」「見よ、飛行機の高く飛べるを」「ら抜きの殺意」「兄帰る」「萩家の三姉妹」「こんにちは、母さん」「日暮町風土記」「新・明暗」「歌わせたい男たち」「片づけたい女たち」「鷗外の怪談」「書く女」「ザ・空気」「ザ・空気 ver.2 誰も書いてはならぬ」「ザ・空気 ver.3 そして彼は去った…」「私たちは何も知らない」

「2021年 『鷗外の怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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