- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784880862699
感想・レビュー・書評
-
ゴールドマン・サックスの実態について知りたいと思って本書を取ったが、ちまたに溢れる残念な陰謀論の一冊に過ぎなかった。情報の裏取り・検証が行われた形跡がほとんど見られず、事実と著者による激しい思い込み・妄想がごちゃ混ぜに書かれている。
本書は根本的なことを忘れている。本書は、国際金融資本が戦争を引き起こし世界の破滅を狙っていると説くが、資本主義におけるそもそもの金融の役割を忘れてはいないか?金融による信用創造があったからこそ、産業が発達し今日の文明が築けている。
ユダヤ人の歴史、国際金融の歴史を知らぬ者が読むと、惑わされてしまいかねないので、お薦めできない。国際金融の裏舞台や、ロスチャイルド家とロックフェラー家の実態を知りたいのなら、マイケル・ルイス氏や田中宇氏の著書がお薦めだろう。すでにユダヤ人、国際金融資本についてある程度理解している方であれば、フィクションとして読むには楽しいかもしれない。
・http://mediamarker.net/u/naokis/?asin=4163730907『世紀の空売り』マイケル・ルイス(著)
サブプライムローン、リーマンショックの舞台裏を描く。徹底的に情報の裏を取っており、真実が書かれている(と私は思っている)。
・http://mediamarker.net/u/naokis/?asin=4569704956『国際情勢 メディアが出さないほんとうの話』田中宇(著)
米国が一枚岩ではなく、英米中心主義派と多国籍派に分かれている、しかもしれが複雑に絡み合っており、断定的に分類できないとしている。大まかに、軍国産業、英米金融業(ロスチャイルドやゴールドマンサックス)は前者であり、エネルギー業界(ロックフェラー)、IT業界、消費財業界などは後者である。ロスチャイルドとロックフェラーの綱引きは、本書が詳しい。
<本書で掲げている事実(と私が理解している事柄)>
・ユダヤ人はスファラディーとアシュケナージから成る。前者は古代イスラエル人の末裔であり、後者は中世にロシアから東欧にに成立したhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%ABカザール帝国に端を発する。ヒトラーが弾圧したユダヤ人、国際金融のユダヤ人は、アシュケナージである。
・米国の中央銀行に相当するhttp://ja.wikipedia.org/wiki/連邦準備銀行連邦準備銀行は、ユダヤ資本による私的機関であり、政府機関ではない。
・ゴールドマン・サックスが、日本のバブル絶頂期に空売りを仕掛けバブルを崩壊させたこと。リーマンショックの際、やはり過去最高利益を出したこと。
<目次>
はじめに 「米国のスパイに使われた男」の怒りの告白とゴールドマン・サックスを見る視角
序章 ゴールドマン・サックスの正体と世界経済の近未来情勢
第一章 ゴールドマン・サックスの予言はなぜ当たるのか
第二章 ゴールドマン・サックスが「世界経済」をコントロールしている
第三章 ゴールドマン・サックスの背後に「世界経済史の巨大な秘密」が存在する
第四章 ゴールドマン・サックスが「世界大恐慌への流れ」を仕組んでいる
終章 日本人が生き残るためにはどうするべきか
4月1日読了詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
右翼っぽい
-
陰謀論の本です。金融の本ではないので、そこは期待しないように。
解釈の仕方としては、あり、だなぁと。
最後の章の解決策には、??がつきました。
もちろん、正論としては良いのですが、今の日本、清貧を貫き通すことは出来ません。
もう少し現実的な解決策が望ましい。 -
この本を読んでロックフェラー家とロスチャイルド家の存在を知りました。
-
内容はそれほど難しくないのに、その記述が断定調や決めつけ、独自の解釈や読みに基づき結論されているので、非常に読んでいて納得感がない。
着眼点や考え方には良いところも多いので、もうすこし表現や論理展開をすっきりさせれば、「陰謀論」で片づけられることもなくなると思う。
残念なことに、この著者はその後も精力的に著作を出しているが、タイトルを含め、どんどん「陰謀論」でかたづけられる方向に傾注しており、とても書籍を買って読む気持にはなれない。 -
所々都合が良すぎて本当かと疑ってしまう面がある。
しかし、私自身がイスラエルやユダヤ人の歴史自体をよく知らないのでそこは著者を信じるしかないのであろう。
本書は読む人を選ぶ本だと思う。読み手としても一種のエンターテイメントとして楽しむ人もいれば、本格的に陰謀論などを深めている人などなど…。各人が多様な感想をもてるそんな本です。