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- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784882029113
作品紹介・あらすじ
心臓病で急死した夫マリオの亡骸を前に、時空を越えて途切れることなく連綿と語る妻の心理を緻密に描き出し、人間の孤独に鋭く迫る。
感想・レビュー・書評
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誰よりも分かって欲しい人が、耳を傾けてくれるのを待ち続ける。それがその人の死後だなんて悲しすぎる。
死者以外に心を受け止めてくれる人がいないなんて悲劇だ。
異なる価値観が交わる時代の恐ろしい葛藤を感じた。
正直一人称のパートがしんどくて、ほとんどとばし読んでいた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大学(?)教授の夫が心臓まひで突然死んでしまった。約30年にわたる結婚生活の間心を通わすことのなかった妻が夫の遺骸に向かって思いのたけをぶちまける5時間を描く。
時間系列の順序関係なく奥さんの愚痴が延々と続く。はっきり言って途中で投げ出したくなる度90%。でもがまんして(笑)読み続けていると2人と2人の家族、友人達の間に起きた様々な出来事があぶり出しの様に浮き上がってくる。
そして妻の典型的な保守的なスペインの中流層の考え方といわゆる共和派(夫)の思想の齟齬を埋められず終わった2人の生活が浮き上がってくるんだけど、これってちょっとだけ身につまされるようなそうでないような(苦笑)。
スペインの国民的作家の作品だけど、スペインの近・現代史を知らないと苦しい気がした。
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