横溝正史自選集 (vol.2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784882933137

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  • 横溝正史自選集 2 (2)
    (和書)2008年10月25日 02:39
    2007 出版芸術社 横溝 正史


    坂口安吾全集を読んでいたら横溝正史「獄門島」が兎に角面白いと書いてあった。それなら読んでみようかと思い図書館で借りてくる。
    BS-i放送、市川昆の映画の方を先に見ていたのでだいたいの設定は分かっていたし原作との違いなども確認しながら読んだので面白かった。
    獄門島という名の由来、俳句に模した連続殺人、狂気など全体の構成が出色の出来になっています。文体も軽く非常に読みやすかった。
    推理小説の醍醐味満載でした。

  • 横溝の作品のなかではこれが一番好き。殺人方法だけでなく人物の性格付けまでことごとく“見立て”で潔い。70年代に公開された角川映画を見なおしたが、こちらもまた金田一もので一番好き。しかし、出演者の多くが既に鬼籍に入られていることに隔世の感を禁じ得ない。
    映画では岡山県警の磯川警部とは初対面となっているが、原作では昭和12年の本陣殺人事件以来9年ぶりの再会とされている。ただの9年ぶりではなく太平洋戦争を挟んでの再会となるため、自身も南方で戦い復員した金田一が深く感慨にふける一節がある。この部分はとても重要だと思うのだけれど映画ではあっさりとカットされている。戦争の影がつきまとう金田一シリーズは、映画やドラマだけでなく、原作も読む必要を強く感じるのである。

  • 内容はいまさら言うまでもない金田一シリーズの2作目。
    この横溝正史自選集、文字が読みやすいし、巻末に各種あとがきや資料載せてくれてていいね。
    現代に読むと内容より、戦後間もなくの空気感が興味深い。
    横溝先生が田舎に疎開するまではミステリーとは都会の話だと考えていたというのも面白いな。

  • 金田一シリーズ。次々と殺人事件が起こっていくが、犯人までは最後まで辿りつけない。わかっているのは金田一だけ。読者には全く推理できないが、最後に一気に解決するのは、爽快。

  • 獄門島で起きる不可解な連続殺人事件…
    俳句を見立てた殺人は恐ろしいものですが、耽美的なものを感じさせます。金田一の推理も読者を置いてけぼりにせず、合点がしやすい。

    犯人…まさか!でした。
    何故犯行せざるを得なくなったのか、犯人の事情がちょっぴり物哀しくて良いです。余韻にじんわり浸れました。

    解説によると最初は犯人が違っていて、横溝正史さんの奥様が違うキャラを犯人だと言った為、構想を練り直したんだとか。なんにせよ奥様あっぱれでございます。

著者プロフィール

1902 年5 月25 日、兵庫県生まれ。本名・正史(まさし)。
1921 年に「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。大阪薬学専門学
校卒業後は実家で薬剤師として働いていたが、江戸川乱歩の
呼びかけに応じて上京、博文館へ入社して編集者となる。32
年より専業作家となり、一時的な休筆期間はあるものの、晩
年まで旺盛な執筆活動を展開した。48 年、金田一耕助探偵譚
の第一作「本陣殺人事件」(46)で第1 回探偵作家クラブ賞長
編賞を受賞。1981 年12 月28 日、結腸ガンのため国立病院医
療センターで死去。

「2022年 『赤屋敷殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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