- Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
- / ISBN・EAN: 9784883094455
感想・レビュー・書評
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20年ぶりに読んでみたけど、今読んでも面白いなぁ。
短編集のタイトル通り、アメリカ人作家の紡ぐ物語なのに、ムスリムやロシア人の視点からアメリカ社会や資本主義がどう見えるかが描かれていて、頁を繰る手が止まらない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2011/3/3
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スターリングの短篇集。
物凄い傑作、というのはないけど、みんな粒ぞろいで面白い。
気に入ったのは『ジムとアイリーン』『ボヘミアの岸辺』『モラル弾』『考えられないもの』『中絶に賛成ですか?』あたり。
サイバーパンクは個人的にはなんか錆のイメージがあるんだけど、
サイバーパンクの旗手スターリングの作品は、錆ではなく砂とか土の汚れのイメージ。
『ジムとアイリーン』は特にそれが強かった。
砂嵐で磨り減った自動車の塗装と言った感じかな。
これはロードムービーみたいな話でSFでもなんでもなかったけど、一番気に入った。
『ボヘミアの岸辺』はなんとなく『パヴァーヌ』を思い出させる作品。
『モラル弾』は若返りの薬が発明された後の、混乱した未来の物語。これは長篇にして欲しいなー。
『考えられないもの』はアンダースンの『大魔王作戦』みたいな世界のショートショート。
原爆の代わりにアザトス弾とか出てきたらお気に入りに入れないとまずいでしょう(笑)
『中絶に賛成ですか?』はハヤカワからこないだ出た『タクラマカン』に載ってる『小さな、小さなジャッカル』のスターリツシリーズの一作。
なんかこの主人公は不良中年って感じで好き。
もう一作『ハリウッド・クレムリン』もスターリツもの。
全体的に見て結構オススメの短篇集。