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- Amazon.co.jp ・マンガ (287ページ)
- / ISBN・EAN: 9784883793549
感想・レビュー・書評
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崩壊する世界の話なので『方舟』と似ているが、人々の所作も、描かれる結末も大きく異なる。
『方舟』はもっと演劇的に多種の人物がいて、世界の終わりに対峙するいろんな姿が見られたが、『ジャカランダ』にそれはない。
人間の意志がどうあれ、終わるものは終わるという、社会の隅々まで行き渡ったあきらめと放棄の共通認識は、昨今のそれに似て不気味だ。
『ジャカランダ』の巨大な樹木は、街を破壊しあらゆるものの命を奪って巨大化してゆく。
巨大化しきったその先、樹木のある「意識」に人々はまばゆさを覚え、ひざまずくのである。
旧あとがきで、ラストをギャグにできなかったことを反省するしりあがり寿氏だが、ギャグにしなかったことで、新あとがきで言う「僕たちが手に入れないといけない欠乏」を照らす答えになった。
結果オーライ。ナイス復刊。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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