MONKEY Vol.8 2016年の文学

制作 : 柴田元幸 
  • スイッチパブリッシング
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本棚登録 : 90
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・雑誌 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784884184056

感想・レビュー・書評

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  • ワタシの定番『MONKEY』のVol.8は「2016年の文学」と題した、今年3月に開催された東京国際文芸フェスティバルの特集。本誌の編集人である柴田元幸もその運営に関わっていて、彼が米国から同フェスティバルに招聘したスティーブ・エリクソンの書き下ろし短編も収録されている。エリクソンに魅せられている柴田によるエリクソンの裏特集本、とも言えそうだ。
    でも、いちばん印象に残ったのは、オルハン・パムクという現代トルコ作家の小説(の部分訳)。自身で収集した骨董品で博物館を作ってしまった彼の一遍は、柴田元幸によると、この博物館の非公式カタログともいうべきもの。それもそのはず、この小説は文字だけでなく、その博物館の陳列品の写真がふんだんに使われ、それを見ながら小説を読み進めるのである。パムクの自伝的な要素も加わり、彼が育ったイスタンブールの過去・歴史も感じ取ることができるというユニークな構成だ。
    それにしても、東京国際文芸フェスティバル…次回はいつなんだろう。2013年、2014年に続いて今回が3回目だったらしい。柴田ファンを自認していながら、まだナマ柴田にお目にかかったことがない。しかも、今回の会場のひとつに母校も入っていた。次回開催時は万難を排して参加だ。

  • 2017.5.5秋葉区一箱古本市で購入。

  • オルハン・パムクの『無垢の博物館』は素敵な作品であったが、
    巻頭の『事物の無垢(抄)』は写真付きでおもしろかった。
    東京国際文芸フェスティバルと連動した特集「2016 年の文学」。
    スティーヴ・エリクソンの存在感はデカイ。
    座談会 妄想・歴史・写実―2016 年 文学の見取り図は有益な情報の宝庫。
    猿からの質問で日本の本で、海外の読者に読んでほしい本として柴田元幸さんが、
    村上龍さんの「コインロッカー・ベイビーズ」を挙げておられるのは意外だった。
    小川洋子さんのインタビューも読み応え十分。
    古川日出男さんの宮沢賢治リミックス狂言鑑賞記「セロ弾きのゴーシュ」すばらしい。
    毎回良質な内容の雑誌。
    今号も期待を裏切られることはなかった。

  • 東京国際文芸フェスティバルの特集ということで、
    いつもより短編の量が少なめだったが、
    多様な人たちから今の文学についての触れられていて、
    面白い話がいくつか書かれていたように思う。

    巻末近くに掲載されている東京で行われた
    文学イベントのタイムスケジュールを見ながら、
    お祭り気分を少し感じることができた。
    (できれば自分も現地に行って見れたらもっと良かったが)

  • 東京国際文芸フェスティバルにスティーヴ・エリクソンを読んだことはすごいと思う。イーユン・リーとかその他新進気鋭の人たち含め、相変わらず柴田元幸界隈は元気があるなと思わせる。

  • 東京国際文芸フェスティバル関連作家の翻訳小説とインタビューが中心になっている。

  • 今回のMONKEYは東京国際文芸フェス特集。

    小川洋子さんのインタビューがよかった。

    しかし文芸フェス一回行ってみたいなあ。

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著者プロフィール

1954年生まれ。東京大学名誉教授、翻訳家。ポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザー、レベッカ・ブラウン、スチュアート・ダイベックなどアメリカ現代作家を中心に翻訳多数。著書に『アメリカン・ナルシス』、訳書にジョナサン・スウィフト『ガリバー旅行記』、マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒けん』、エリック・マコーマック『雲』など。講談社エッセイ賞、サントリー学芸賞、日本翻訳文化賞、早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞。文芸誌『MONKEY』日本語版責任編集、英語版編集。

「2023年 『ブルーノの問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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