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- Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
- / ISBN・EAN: 9784884660659
感想・レビュー・書評
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「小説の神様」と呼ばれた人物が日本語を捨てようとした事実を私は知らなかった。戦争という極限状況は人々の性根を炙(あぶ)り出した。生き延びようとする本能に急(せ)かされる時、論理は見過ごされ、過去は無視される。特に日本人の場合、いつまで経っても「お上には逆らえない」との意識が強く、敗戦後は天皇陛下からマッカーサーに乗り換えた人々も多かった。日本語に見切りをつけたのは志賀直哉だけではない。ローマ字表記にすべきだという意見も堂々と主張された。実に敗戦は惨めなものである。
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