リスクコミュニケ-ション (エネルギーフォーラム新書 22)

著者 :
  • エネルギーフォーラム
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784885554247

作品紹介・あらすじ

「リスコミ」って何?何となくわかっているようで、実は理解されていない本質。

感想・レビュー・書評

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  • 福島事故がよく分かる。

    リスクコミュニケーションの専門家が書いてるみたいだし、この分野での入門に最適。

    科学者や企業のコミュニケーションの問題も整理されていた。

  • 日本ではリスクという言葉が正しく理解されておらず、リスクゼロを求める傾向にあります。
    リスクとは、大雑把にいえば「望んでいないことが起こる確率」です。例えば、道を歩いていて絶対に事故に遭わない、事故の確率はゼロ、何てことはあり得ません。つまり「リスクゼロ」はあり得ないことなのです。
    でも、こういった考えは、一般の人にはなかなか受け入れられない。
    本著では、リスクコミュニケーションとは、直観と客観的事実をつなぐ作業、一般人の感覚と科学的思考をつなぐ作業とされています。
    リスクコミュニケーションの重要性とポイントを理解することができ、入門書として読むには最適です。

  • 原発事故後のクライシスコミュニケーションがいかにダメだったかがたくさん書かれているけれど、じゃどうすればよかったのかということの説得力は弱いように感じた。

    コミュニケーションって、色んな人達が色んな思惑を持って、同時に様々な場でやるので、狙ったとおりにはならないなと改めて思った。

    IARC の評価の見方の説明はわかりやすい。

  • セミナー課題図書。内容関係ないけど、語り口の端々から立ち昇る著者の自己顕示欲が邪魔で好きになれない本だった…
    時間なければ最後の章だけ読めばいいかも

  • 出所を明示して数量化して伝えてくれれば判断の材料になる。
    リスクは数量でしか測れないもので、必ず対照となる何かがあり、相対的にしか捉えられない。
    この本では、多くの例を挙げ、リスクがいかにどこにでもあるもの(「ゼロ」にはできないもの)であり、ヒステリックにならずに、きちんと判断していかなければならないものかを説明してくれる。

  • 福島第一原子力発電所の事故当時、東電の記者会見がグダグダであり、政府の会見も(枝野はわりかしよくやったと評価はされているが)、「直ちに健康への影響はない」とか「炉心損傷はない」とかよくわからない感じになっていたのは記憶に新しい。

    これらの反省点としては、日頃から有事の事態を想定して訓練しておくことが大切であるが、実は今般では「リスクコミュニケーション」という分野が重要であると認識されている。

    本書は福島第一原子力発電所の事故や過去の不祥事から企業と一般人とに溝があり、それを埋めるのがリスクコミュニケーションであるという導入から、なぜリスクコミュニケーションが必要なのか、どのようにリスクコミュニケーションを行えばよいのか、ということを解説している。

    なかなかリスクコミュニケーション関係の書籍は少なく、この手の本を読む機会は少ないので導入書という位置付けでは十分であると考える。

    本書でも指摘されているが、企業は原発事故然りであるが「100%安全」ということはありえない。かならずリスクは存在するのである。
    しかし、人は100%安全を保証しないとダメだと主張する。
    (原発は正にこれが当てはまる。東電は原子力についてはリスクが有ることを説明しているが、地域住民(国民)は100%の安全が保証されない限り再稼働い否定的である)

    この溝を取り除くためには2の方法があると指摘している。つまり、
    1)企業が日頃から関係者(ステークホルダー)に対して信頼関係を築いておく
    2)受けて側が正しい知識を持つ
    ということである。
    特に2については、今般の例えば福島県産のコメにセシウムが50ベクレル/kg混入されていたというニュースを聞けば、即、不買や製品の回収を余儀なくされるが、実はよく考えると普通のバナナ1本分に含まれる自然放射性元素(ほとんどがカリウム40)とほぼ同じであるとか。

    一般人はそれがよくわからず、マスコミが報道するくらいなのできっと人体に影響があるのだろうという気を起こして自分で考えること無く無意味なリスクを回避しようとする。

    余談であるが、このようにマスコミは些細なリスクを、過大に報道する傾向があるということも筆者は述べている。
    ここでも重要なのは、個々人が正しい知識を持ち、報道された事項がはたして自分の生活の中でそれを回避するべきかを判断することができることである。

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