誤解だらけの遺伝子組み換え作物

制作 : 小島 正美 
  • エネルギーフォーラム
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784885554551

作品紹介・あらすじ

メディアが流す"リスク情報"はたいていの場合、何らかのゆがみ(バイアス)がある。その中でも最たるものが、遺伝子組み換え作物に関するニュースだろう-。同じ組み換え技術でもなぜiPS細胞は称賛され組み換え作物は否定されるのか?内外の専門家やジャーナリスト、有識者がその誤解を解く。

感想・レビュー・書評

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  • ざっと斜め読み。あまり科学的な説明はない。遺伝子組み換えが危険だと言う科学的根拠ないよーということをひたすら言っている

  • 遺伝子組み換えは、他の生物の遺伝子を移入させることを言うんだって。
    遺伝子を直接いじくることだと思っていた。

    今まで知らなかったこと
    ・飼料のほぼ全てが遺伝子組み換え
    ・20年以上流通しているが実害は発生していない
    ・北海道では条例で遺伝子組み換えのを育てられない
    ・他の生物の遺伝子が移入されることは自然界で普通に発生している
    ・ラットに腫瘍ができたというネットで広がっている実験は恣意的なもの
     ・査読を受けていない
     ・公開後反証がしこたまされている
     ・腫瘍ができやすい群体を恣意的に選んでいる
     ・プロット数が少ない
    https://seisenudoku.seesaa.net/article/472425961.html

  • 遺伝子組み換え賛成派の本

    メディアによって私たちは必要以上に遺伝子組み換え作物への拒絶反応がある
    しかし、多くの場合、誤解が多い

    ・発癌性がある
     レウリー二氏がネズミに2年間、遺伝子組み換え作物を食べさせると、がんになる確率が上がるというもの。
     しかし、現在はこの実験方法に批判され、論文として取り除かれている
    もともとネズミはガンに発症しやすいものであったし、個体数は十分でわなかく、結果に都合良いように、実験結果を取り除いていた。しかも、もともとレウリー二氏は遺伝子組み換え作物に対して以前から批判的な意見を持っていた

    ・遺伝子組み換え作物を独占するモンサント社
     モンサント社が遺伝子組み換え作物のシェアを独占し、農家を操作する
     しかし、アメリカの農民は、モンサント社以外のものに簡単に変えられると語り、シェア率も50%をしめているだけで、他にも大会社はある。
    ってか逆に、私たちが遺伝子組み換え作物を拒絶することによって、新会社が設立することを難しくさせ、よりいっそう独占が高まってしまう。

    ・不気味
     人間は神の領域まで手を出してしまったと批判
    しかし、植物は常に突然変異を繰り返し、私たちは生育に適した植物を選んでいる。例えば、元々のとうもろこしと今のとうもろこしは全くの別物のような見た目である。

    ・安全性
     人間になんの害もないのか?怖い‼︎
    遺伝子組み換え作物が作られ続け、30年が経っているが、今まで大きな害は報告されていない

    ○感想
     賛成派ばかりなので反対派の本も読むべきだと思った
     世間はメディアに流されすぎている。メディアは面白い記事を書き、真実をねじ曲げ誇張して書かれている。私たちはもっと情報選択をし、真実を知る必要があると思った
     遺伝子組み換えは確かに安全かどうかはまだわからない。だが、消費者選択肢を広げられるようにもっと日本国内でも研究していくべきだと思った。私は農薬よりも危険性はないと思うし、将来人口が増加していく中で生産性や安く生産していくためにも必要だと思う。だが、そのためにも消費者に真実を伝えていく運動が大切。安全かもしれないと、危険かもしれないの響きはかなりの差があり、安全性を高めることは難しい。
     私はこの本を読んで、メディアや世間に流されることなく、真実を知るよう努力していきたい

  • まさに、誤解だらけの遺伝子組み換え作物。
    世の中の遺伝子組み換え作物や食品嫌いの欺瞞にたいして、明快に、科学的に反論していきます。
    それにしても遺伝子組み換え作物に対する、似非科学からの批判の、なんと多いことでしょう。
    これを読めば、遺伝子組み換え作物がいかに有益で安全かがよく分かります。

  • 【感想】
    ・GM(genetic modified)作物をめぐり、賛成/反対の議論が未だ続いている。
    ・ちなみに私は無関心派。読前も読後も。
    ・基本的には、賛成派によるPR本。
    ・知識を得るとか、意見を知るには使えると思う。ただし、筋悪の論も含んでいるので、主張の丸のみはできない。


    【書誌情報】
    書名:誤解だらけの遺伝子組み換え作物
    編著:小島正美(毎日新聞記者)
    体裁:A5判 上製 304頁 
    定価:本体1400円+税
    発行:2015年9月5日
    http://www.energy-forum.co.jp/eccube/html/promotion/


    【簡易目次】
      I部 なぜ誤解はいつまでも続くのか?――遺伝子組み換え作物に関する論争 005
      II部 日本ではなぜ理解が進まないのか? 
    1章 遺伝子組み換え作物とは何か? 050
    2章 生産者と消費者の目 076
    3章 記者たちはどう見ているのか? 101
      III部 遺伝子組み換え作物の真実 147
    序章 つくり話からの解放 148
    1章 遺伝子組み換え作物は怖くない 153
    2章 21の問い  161
    3章 人間の進化と遺伝子の移動 195
    4章 巨大企業と表示の義務化論争  223
    5章 科学をゆがめているのは誰か? 262



    【少し詳しい目次】
    目次 [001-003]

    I部 なぜ誤解はいつまでも続くのか?――遺伝子組み換え作物に関する論争〔小島正美〕 005
    解説編 022
    専門用語の解説 047

    II部 日本ではなぜ理解が進まないのか? 
    1章 遺伝子組み換え作物とは何か? 050
    品種改良は遺伝子の変化 〔小泉望(大阪府立大学教授)〕
    発がん性試験の不備 〔唐木英明(東京大学名誉教授)〕
    研究者と市民の橋渡し役 〔笹川由紀(くらしとバイオプラザ21・主席研究員)〕

    2章 生産者と消費者の目 076
    なぜGM作物に興味を持つのか 〔宮井能雅(北海道・生産者)〕
    GM作物は北海道に有益 〔小野寺靖(北海道・生産者)〕
    現場を知る・知らせることの大切さ 〔蒲生恵美(消費生活アドバイザー)〕
    教科書副読本に見るGM作物の誤解 〔森田満樹(消費生活コンサルタント)〕

    3章 記者たちはどう見ているのか? 101
    理解進まぬアメリカの現状 〔中島達雄(読売新聞記者)〕
    米国とフィリピンの現状をレポート 〔日比野守男(元東京新聞・中日新聞論説委員)〕
    現実を知って考えよう 〔平沢裕子(産経新聞記者)〕
    漠然とした不安をどう考えるか 〔米谷陽一(朝日新聞記者)〕
    冷蔵庫から眺める日本の「食」事情 〔小田一仁(時事通信記者)〕
    「自覚なき消費、実態なき不安」って、なんだかヘン 〔中野栄子(日経BPコンサルティング・プロデューサー)〕

    III部 遺伝子組み換え作物の真実 147
    序章 つくり話からの解放〔カール・ハロ・フォン・もーゲル〕 148
    1章 遺伝子組み換え作物は怖くない〔アラン・マクヒューゲン〕 153
    2章 21の問い 〔フォーラット・ジャナビ〕 161
    分子生物学者、ケビン・フォルタ氏との一問一答 
    家族経営の農業生産者、ブリアン・スコットさんとの一問一答 
    バイオテクノロジー企業の経営者、ニール・カーター氏との一問一答 
    3章 人間の進化と遺伝子の移動 195
    遺伝子組み換え作物を栽培する理由〔ジェィク・ラーギュー〕
    遺伝子組み換え作物を知る〔マイク・ベンジーラ〕
    あらゆる生物は遺伝子を持つ〔アナスタシア・ボドナー〕
    遺伝子組み換え作物は収量が高いか〔マイケル・シンプソン〕

    4章 巨大企業と表示の義務化論争  223
    遺伝子組み換え作物のウソが魅力的なわけ〔カミ・リアン〕
    有機論者が遺伝子組み換え作物を好む理由〔ラメズ・ナム〕
    科学は私たちを笑っている〔ジュリー・ケイ〕
    表示の義務化に反対する根拠〔マーク・ブラジアウ〕
    心やさしい親は遺伝子組み換え作物に賛成〔カビン・セナパシー〕
    巨大企業とバイオテクノロジーの将来〔スティーブ・ザバージ〕

    5章 科学をゆがめているのは誰か? 262
    遺伝子組み換え作物反対は気候変動懐疑論者〔ケイス・クロー〕
    生物の進化は組み換えの歴史〔フォーラット・ジャナビ〕

    伝子組み換え作物に関する基本データ [292-293]
    各種機関の見解 [294-296]
    執筆者プロフィール [297-302]

  • GM作物は、科学的な立場から見れば、安全性に問題がないと言えるのだ、という客観的な論点があるにも関わらず、様々な理由で、GM作物は一般消費者に受け入れられていない。本書が問題としてあげている点で、最もわかりやすいのは、特に日本国内でのそういう状況において、そもそもすでに国外で生産された遺伝子組み換え作物が輸入され、大量に消費されているのに、国内でのGM作物の生産には制限や抵抗があるというのは変ではないか、という点だろう。いわゆる清涼飲料水に使われている果糖類が米国産のGM作物であるトウモロコシが原料だったり、スーパーで売られている豚や鶏などの飼料にも輸入されたGM作物が使われている。にも拘わらず、海外で生産されたものを使うのではなく、同じGM作物を国内で生産することの何がよくないのか(むしろメリットではないか)、という点は、よく考えるまでもなく、シンプルな論点であり、シンプルであるがゆえに反論は難しいはずだ。

    本書を読めば、GM作物に対しての心理的抵抗や、購買行動の抑制は、理由は様々だが、確かに誤解の上に構成されているのだろうな、ということが分かる。そもそも自然界で、人為によらず遺伝子は変化を続けてきたわけであるし、GM作物についても、組み替えられるDNAは全体の極めて小さい範囲であり、かつ、組み替えたからといって、非GM作物と比べて、姿かたちも、耐病性、耐害虫性などの特性も、極端にかけはなれたものが作り出されるわけではない。逆に言えば、GM作物に対して、何か、自然界に本来あるべきものとは、相当かけ離れたものが作り出されている、というイメージが生み出されているように思える。しかし、実際にそんなことはない、というのが本書の論旨である。

    われわれ一般消費者からすれば、いろいろな世の中の情報の多くは、マスコミから伝わる。ネットの世界で共有されるものも最近は多いが、二次的、三次的だったり、つまり根拠がよくわからないものが圧倒的に多いわけで、いずれにしても、正確な事実に近づこうとするのは、難しく、かつそうするには結構時間と労力が必要になる。

    私自身、本書を読むまでは、GM作物には悪いイメージを「なんとなく」持っていた。自然界に反する行為、生命を操作するのは許されるのか、という、言われてみれば根拠のない理由で反対する姿勢だった。ただ、一方で、前述のようにほんとうにそうなのか、正しい情報を自分は持って判断できているのか、正しい情報を知れば、理解し容認できる可能性があるのでは、と心のどこかでは思っていた。

    本書を読んで、さっそくGM作物は問題なし、国内でも解禁すべし、と声高に主張したりするつもりもないし、まだ心のどこかに、それでも本当に安全なのか疑う気持ちや、反対する理由や根拠がどこかにないかと探そうとする気持ちが残っている。ただ、少なくとも、本書にはそれまで知らなかった、GM作物の現状や、反対を喚起する様々な情報が実は非常にイメージ的なものでしかなかったりする根拠が、きちんと誠実に説明されているのは間違いない。

    マスメディアがこういうGM作物のようなものに関わらず、本来果たすべき役割は重いはずである。個人的な視点だが、例えば、食品会社にとって、自社製品に「遺伝子組み換えでない」という表示をするのは明らかにコストがかかっているはずだし、行政の面でも、許認可や規制になんらかのコストをかけているはずである。それらのコストは結局、消費者が負担することになっている。

    ただなんとなく怖いな、というだけの姿勢では、消費者は安全面でもコスト面でも自らを守ることができないと思うし、少しだけでもGM作物については関心を持ってみる必要はあると思う。多くの科学者の意見や、実際にすでにGM作物を栽培している現場で、どういう考え方、意見があるのか、について幅広く紹介しようとしている本書は、関心が少しでもある人にとって一読してみる価値のある本だと思う。

  • 世に言うデメリットばかりなら何故、アメリカの作物は遺伝子組換えなのか。それは特許料をプラスされても遺伝子組換えにはメリットがあるから。
    科学的に遺伝子組換え作物についての議論はない。

  • 2016/03/24

  • 2016年2月新着

  • 自分の意見とは異なるものこそあえて近づいてみようとの意思で。うん、自分がいかに漠然とした不安を遺伝子組み換え食品に抱いていたかを思い知らされた。マスコミや無添加をうたったオーガニックショップに踊らされかけていたのかも。実際に目で見て確かめることが必要だなあ。

    <メモ>
    すでに食用油や清涼飲料水の甘味料、家畜のえさとしてGM作物はほぼ全員の日本人が毎日口にしてる。「遺伝子組み換えじゃない」表示は決して安全を保障するものではなく、ただ消費者の不安をあおり、企業の自社商品のアピールだけのこともある。農家は別に大企業の奴隷ではなく、自分で買いたい植物や種を選べる。農家自体がGMを育てたいと希望していることも。特に北海道。国では栽培の規制はないが、県の条例が規制しているので実質育てられない。GM作物のメリット(収益倍増、害虫に強い)なども認識すべき。アメリカだけでなくフィリピンなど途上国でも栽培されている。遺伝子組み換えでないと書いてあっても5%以下なら混じってても表示義務はないので実際は入っている可能性がある。

  • 遺伝子組換えの本質を正しく理解していますか?

    「遺伝子組み換え」
    って、皆さん、どんなイメージを持ってますか?

    もちろん、きちんと勉強して、何のことなのか、
    リスク、メリット、デメリット、
    どういう課題があるのかを理解しておられる方は別です。

    私は全然不勉強でしたので、

    「遺伝子組み換えしていません」

    って、表示されている食品があるんだから、
    表示されてないのはしているのかもしれないなー
    そして、遺伝子組換えをしているのは、
    少なからず悪い影響があるんだろうなー
    (してますともしていませんとも表示されていない
    食品が多数あるので)

    多くの直接的に詳しく携わっていない方は、
    私と同じような印象なのでは無いでしょうか?
    あ、もっと危険と思っていたり、
    逆に楽観的に危険でないって思ってる方もいらっしゃると思います。

    本書は、完全に、
    「遺伝子組換え」に賛成派の方の意見が集まって
    国内外の多くの科学者、研究者、ジャーナリストとの皆様の
    意見がまとめ上げられている書籍になります。

    本ジャンルについて、
    食に関するブログを書いていることもあり、
    少なからず気になる点はありつつ、
    健康面とかとかけ離れた生活をしているので、
    見てみないふりをしているのが事実だったりします。

    今回、この書籍を読んでみて(2度読みしました)
    私としては、腑に落ちています。
    自身を含め、誤解が多いんだろうなーと、思います。

    また、反対派の意見も読んでみたくなりました。

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