- Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
- / ISBN・EAN: 9784887217652
作品紹介・あらすじ
病気はどこにでも存在する。どんな生き物でも病気になるし、それから逃れられる生き物はいない。一方人間は病気をもたらすウイルスや細菌を撲滅しようと努めてきた。しかしちょっと待ってほしい。病気は重力と同じように、うまく共存できるようになる「力」だとしたらどうだろうか。本書では、進化生物学の視点から、ダーウィン医学の紹介に始まり、感染症と薬剤耐性、メスがオスを選ぶ条件、衝撃的な宿主の操作まで、機知に富んだ語り口で新たな寄生体像を議論する。
感想・レビュー・書評
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抗菌、殺菌ジェル、、、。新型インフルエンザ対策でも一気に広まったが、それ以前かとにかく氾濫していた。寄生虫も、細菌もウイルスも、全肯定するわけには行かないが、彼らと一緒に進化してきたというのが事実だ。それを考えると、一方的に彼らを排除しようという強迫観念に襲われている現代はおかしいのではないか。
性別の存在も、寄生虫なしではありえなかったのかもしれない。単一遺伝子であれば、ひとつやられてしまったらそこで絶滅せざるを得なかったが、性別を設けることでより寄生虫や細菌、ウイルスに強い遺伝子が残るようになった。
ガンなどの病気も、部分的にではあるが、細菌やウイルスが原因である可能性がある。胃潰瘍がピロリ菌が原因だと認定されるようになったのはごく最近の事だった。
。。。。と、だいたいこんな内容。
たまたまだが、今日、上野の科学博物館に行ってきた。長い長い腸に、びっしりと寄生虫が住み着いている展示があった。それが、現実。それが、自然。
【共生】が大事なテーマになってくると思っている。だからとても興味深い。嫌な存在である寄生虫や細菌・ウイルスが、いる状態が普通であり、適度にいることは実はよい影響を持っているのかもしれない。
【生物】の定義として、「外部と境界を持って区別出来ること」「自己複製」といったものを教わったが、これは本当に妥当なのだろうか。寄生虫やウイルスの付いていない生物なんて、存在しない。細胞単位で見ても、そもそも、ミトコンドリアはウイルスだったとさえ言われているのだ。我々の内部には外部が棲み込んでいると言えるのだ。
ううむ。また世界観を変えさせられる本だなあ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あんまり清潔な環境にすると逆にアレルギーが増えるとか 言われていることなんだけど やっぱりそうかぁ 掃除はそこそこ?で。
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寄生体と動物の進化について考えるのはとても楽しい
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踏みにじられたおじいちゃんの論文が再評価される予感。私のではないけど。