- Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
- / ISBN・EAN: 9784887500242
感想・レビュー・書評
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老水夫のジムは、いつも町角の木箱に腰掛けている。少年デリーは、ジムのお話を聞くのが大好きだ。ジムが話してくれるのは、子どもだった頃や船乗りの頃に体験した不思議な話。
特に好きだったのは、子どもだったジムが、畑でカラスを追い払う話。お弁当は分厚く切ったベーコンをはさんだパン。おいしそうでおいしそうでどうしても食べたかった!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
男の子の住む街にはジムがいる。若い時は船乗りだったジムは、いつもまちかどのみかん箱に座っている。街の人たちはみなジムに親切だか、いちばんの仲良しは子どもたち。今日もジムは男の子に船乗りだったときの不思議な冒険の話をするのだ…。
自分も子どもになって、目の前でジムに語られているよう。7編のお話が収めされている。最後のエピソードに胸が熱くなる。
ペンギンのフリックとの交流譚と、海へびを撫でる話が好き。 -
いつも町かどに座っている老人ジムが、船乗りだったころに体験したふしぎな話を少年デリーに語る。ペンギンに求婚された話や、タラに恩返しされる話など、「ほら話?」と思うような、ゆかいな話がたくさん入っている。ジムの話が始まる前の、ジムとデリーの会話も、ほのぼしていてとても好き。
「ジムを心から愛していたのは、なんといっても子どもたちでした。じぶんたちが生まれるずっとまえに、ジムが船のりだったことは、子どもたちの心をひきつけずにはいませんでした。」P12 -
なんでだろう、最後の章を読み終えたとき溢れる涙が止まらなかった。ジムの昔ばなしも楽しいのだけれど80歳の誕生日に海が見たいと言っていたことを覚えていてジムを海に連れていったデリー。全身で海を感じるジム。それであと何回誕生日を迎えられるだろう、ジムと思わずにいられない大人のワタシ。忘れていた何か大切なことを感じた気がした。
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マイ本。ファージョン作品で最も好きな1冊。ブックトークに取り入れたくて、再読しました。
80歳のジムと8歳のデリーの心の交流もさることながら、町の人がみんなジムのことを大好きで、町かどになくてはならない存在だということがとても素敵だなと思います。
若かりし頃、船乗りだったジム。船乗りはたくさんの語るべき話を持つと『灯台守の話』で読みましたが、まさにその通り!
ジムの洗練されたユーモアが最高です。
あとがきにもありましたが、ファージョン作品って本当にあったかい。
刺激的なストーリー展開はありませんが、こういう物語こそたくさんの大人と子どもに読み継がれていって欲しいです。
この本から派生して紹介できる本としては、『年をとったワニの話』をはじめとするジョヴォー氏とルノー君のお話集、『船乗りサッカレーの怖い話』のモンタギューおじさんシリーズが思いつきます。いずれもマイ本なので、再読してブックトークに組み込みたいです。 -
ファージョンの紡ぐお話にアーディゾーニの挿絵!
最後のお話はえもいわれぬ。うう。 -
町かどのポストのそばにあるミカンばこの上には、いつもジムがすわっていました。デリーはジムが大好きです。だってジムは地上のどんな場所のこともしっていましたし、天上のどんな天気のこともしっていました。そしてデリーにいろいろたくさんのお話を聞かせてくれるんです。
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小学校中級以上
10〜11歳