フロベール伝

  • 水声社
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784891766863

感想・レビュー・書評

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  • 書簡集や日記の記録からそのまま抜き出したフローベールの文章を書き連ねる程度で、それ以上彼の内的な深みや作品評などには踏み込まず、著者は伝記作家として、客観性や公平性を念頭に本著を記している。
    ルイーズ・コレからのメンヘラ的な恋愛依存には相当やられている。
    女性への奇妙なこだわりが面白い。
    作品から作者の存在を消そうとする、形式的な方法論に取り憑かれた作家特有の強迫観念がよく伝わる。ジョルジュサンドが指摘していたが、ただまあ、それこそがフローベールの信念と人間の本質であり、安易な形式志向の芸術観では決してない。
    癲癇の発作によって亡くなるまで、自分が求める世界の中で忠実に生きたんだなと思い、強い尊敬の念を抱く。

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著者プロフィール

1911年モスクワ生まれのロシア系フランス人作家。1935年に処女小説『ほの明かり』を発表して以来、2007年に95歳で没するまで精力的に小説、伝記、エッセイ等を発表した。日本でも多数の作品が翻訳されている。主な著書に、『女帝エカテリーナ』(中公文庫、1985年)、『ドストエフスキー伝』(中公文庫、1988年)、『バルザック伝』(白水社、1999年)、『プーシキン伝』(2003年)、『ボードレール伝』(2003年)、『ヴェルレーヌ伝』(2006年)、『フロベール伝』(2006年、以上、水声社)等がある。

「2023年 『モーパッサン伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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