老夫婦

著者 : ジャック・ブレル 今江祥智

• ビーエル出版 (1996年5月1日発売)

感想・レビュー・書評

[8minaさんの感想 · 2014年3月9日]

この絵本？との出会いはあまりにも印象的でした。図書館でふと手にした1冊の本。踊るようなラインのデッサンで描かれた老人の穏やかな表情、静かであり、時に深い悲しみを浮かべた表情。こんなにも確かに、豊かに絵で表現できるものなんだと見入ってしまいました。

ガブリエル・バンサンの描く絵は、「アンジュール」のようなデッサンだけのモノトーンの世界と、本書や絵本「くまのアーネストおじさん」のように、淡く彩色したものがあります。

田舎町の路地裏のアパルトメントで静かに二人だけで暮らす老夫婦の物語。シャンソン歌手、ジャック・ブリュレの歌う「老夫婦」にイメージを沸き立たせながら、描かれた作品。

椅子に二人腰掛け、遠い昔を思う二人には交わす言葉もありません。時々思い出したように時を打つ銀の置時計は、二人の長かった人生と残された時を数えているかのようです。

二人で寄り添いながら外の街をゆっくりと進む姿。周囲の人並みは背を向け足早に通り過ぎ、二人の周りだけ時間が静かに過ぎてるかのよう。やがて時は孤独の悲しみを、いや寂しささえも残らない穏やかな無だけを残していきます。

ジャック・ブリュレの歌う世界も確かめてみたくなりました。

[cinejazz0906さんの感想 · 2023年7月26日]

“年老いた二人には､今はもう話すこともなく､時折､お互いにそっと目をやるばかり...お金があろうと無かろうと､惨めさは変わりなく､もう夢もなく､思いやりがあるばかり...年老いた二人は､死ぬのではなく､ある日､眠りにつくばかり｡永い永い永遠の眠りに...けれどやっぱり､どちらかが死んで､どちらかが残る...もう長くはないと､自分に言い聞かせながら､生き残り､生きびていく” ｼｬﾝｿﾝ歌手<ｼﾞｬｯｸ･ﾌﾞﾚﾙ>の｢老夫婦｣に感銘を受けた<ﾊﾞﾝｻﾝ>が､人生の終焉の姿を描いた､切なさの雫に溺れる絵本｡

[inakagjさんの感想 · 2014年8月11日]

絵で時間を表現できる人がいるとは。
人生の深みや恐れや緊張を超えて、ただそこにゆっくりと流れる時間がある。
あー。
若いうちにできることを思いっきりやろう。

[brosさんの感想 · 2013年9月6日]

県図書館より。誰にでも平等に死はおとずれることとわかっていても、避けてしまいがちな部分。若者ではなく老夫婦にしたのも人生の終焉を迎えるにあたり、パートナーと自身に向き合うことを教えてくれている。。絵で心の言霊はバンサンにしかできない表現だと思っただからこそ、今を大切に

[じじさんの感想 · 2023年4月19日]

4'00"

大人むけ

とてもとても 年老いた夫婦の 『時』が
鉛筆のデッサン書きで 表現されている。

もとは シャンソンの歌詞を絵本にしたもの。

死を待つばかりの 切ない物語

[すいさんの感想 · 2017年3月13日]

シャンソンの詞に沿って絵を描いた作品。
この大きさで出版してくれたのが素晴らしい、贅沢なことだと思う。
一枚一枚、どの絵も丹念に描かれていて、ずっと眺めていたくなる。
ほろ苦い詞もとてもいい。
これから、時折見返したくなるだろう。

[小春さんの感想 · 2016年9月13日]

2016 9/19

[haruさんの感想 · 2013年12月19日]

この本は、是非、ジャック・ブレルのシャンソン『老夫婦』を聴きながら読んでください。YouTubeで「jacques brul les vieux」と検索すれば聴くことができるはずです。

[itsukoさんの感想 · 2009年3月3日]

2009/3/3　
童話喫茶で。

[貞さんの感想 · 2006年9月26日]

人の生と愛。ブレルの心に乗せて。