契約 鈴木いづみSF全集

著者 :
制作 : 大森望 
  • 文遊社
4.20
  • (2)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 56
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (656ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784892571060

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  全29編からなる短編集。
     久しぶりに1冊650頁の書物を読んだのだけれど、最初から最後まで夢中になって読み進めることが出来た。
     発表順に掲載されており、彼女の作風の変遷などもわかる。
     とはいっても、最初から最後まで彼女の作品は唯一無二の「彼女の作品」であり、その強烈な世界は好き嫌いがはっきりと分かれると思う。
     それにしても、このテーマをこんな作風で表現するのかという驚きが、特に後半の作品に多く、例えば「なんと恋のサイケデリック!」という作品には本当に驚かされた。
     隙だらけのようでいて、きっちりと繋がりのある作風は、やはり彼女独自の誰にも真似できない世界なのだろう。
     テクニックや計算は最小限に抑え、あくまでも自分の感性だけで筆を進めた、という感じだろうか。
     女性にしか書けないだろう、女性特有の匂いも感じられる。
     いずれにしろ、彼女は僕にとってとてつもなく大きな存在になってしまった。
     リアル・タイムで彼女の作品を読むことが出来なかったばかりか、もう二度と彼女の新作が読めないことが、本当に残念でならない。

著者プロフィール

ISS 及び日本コンベンションサービスの会議通訳者として稼働後、1978年に渡米。ミシガン州にて1984年、鈴木・マイヤーズ&アソシエーツ㈱を設立。1989年、アメリカ翻訳者協会(American Translators Association : ATA)に加入後、日英両方向の認定翻訳者となり、日本語部門長、理事、翻訳認定試験審査委員などを歴任。現在は認定委員会委員及び通訳方針諮問委員会委員(Interpreting Policy Advisory Committee)を務める。1991年に創立されたミシガン翻訳者通訳者ネットワーク(Michigan Translators/Interpreters Network:MiTiN)の発起人の一人で、長年会長を務めた後、現在は理事会アドバイザー。2003年、カリフォルニア州にて日英の認定法廷通訳人の資格取得。全国司法通訳者翻訳者協会(National Association of Judiciary Interpreters and Translators : NAJIT)会員。

「2016年 『裁判員裁判時代の法廷通訳人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鈴木いづみの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×