出雲王朝の隠された秘密―浮かび上がる古代の神々と国のかたち (ベールを脱いだ日本古代史III)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784892959233

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  • 「本が好き」様より、献本でいただいた一冊となります。
    『ハーバード白熱日本史教室』と同じく、理系の方による「歴史」の紐解きな感じで。

    シリーズ3作目とのことで、前2作を読んでいる前提の箇所がちょっと多いかな、
    個人的には興味のある分野ですので、遡ってみようかな、、と思いますが。

    恐らく、邪馬台国が連合国家として君臨していた前提の論調も、
    その辺りが影響しているのかなぁ、、とは思いました。

     「歴史学者が唯物史観の呪縛から解き放たれ、歴史を研究する上で、
      『記紀』をまともな資料と見るようになったのは最近のことのようである。」

    なお、前半から中盤にかけて述べられている事は至極真っ当で、
    社会への還元との視点が欠けている時点で、考古学はやはり補助学だなと実感です。

    後半にやや神憑り的になってくるのは、この著者さんの作風なんですかね。
    「情報がおりて来た」は、諧謔にしても、ちょっと首をかしげてしまいました。。

    さて、出雲とヤマト勢力の関係について、個人的には、、

    天孫降臨と、出雲における国譲りの儀式は、
    ヤマト王朝が日本を統一していったモデルケースの一つと見ています。

    そういった意味で、他の有象無象の国々(勢力)も、出雲と同じように、
    ある程度の正当性を担保されて継承していったのではないかなと。

    実際は血で血を洗う戦乱を経たのでしょうけども。

    出雲の系譜もさかのぼれば、元はアマテラスと姉弟神となる、
    スサノオに行きつきます、、となると、結局は、同族での争いかなとも。

    また当時の稲作の伝播状況などを考えると、

    大陸からの帰化民族と、ポリネシア系の帰化民族が、
    九州でまぜこぜになって、一大勢力となったのかなぁ、とも。

    その過程で、複数に分かれた民族が、九州から出雲に、
    そして、出雲から機内、そして諏訪に移っていったのかなぁ、、とも。

    スサノヲのヤマタノオロチ退治の逸話も、
    鉄器を扱う民族との融合(ないしは征服)とも見れそうですし。

    ちなみに最近の稲作伝播の研究だと、大陸から日本列島に定着し、
    その後、朝鮮半島に渡ったとの見方もあるようです。

    今後、この辺りの事実が整理されてくると、
    もうちょっと興味深い説も出てくるのかなぁ、、と。

    邪馬台国論争も、単体の国家ではなく連合国家とみれば、
    九州にも機内にも、その正当性を謳う政権があったと言えそうですし、、

    なんてのは、さすがに乱暴ですね。

    何はともあれ、文化に根付いた「大きな物語」を作るのは、
    歴史学の社会責任でもあり、社会的有用性の一つでもあると思います。

    自省も込めて、先の大戦後の歴史学界はその責任を放棄してきたよなぁ、、

    なんて、E・H・カーがその著書『歴史とは何か』で述べている、

     「自分で考えるという面倒な義務から歴史家たちを免れさせる」

    との言葉を反芻しながら、さて、次の世代にどう伝えていこうかな、とも。

著者プロフィール

モンロー研究所公式認定レジデンシャル・トレーナー。(株)アクアヴィジョン・アカデミー代表取締役。1954年生まれ。東京大学理学部物理学科卒、カナダトロント大学電子工学科修士課程修了。1977年~87年、ソニー(株)にて半導体素子の開発に従事。1987年~2000年、米国カリフォルニア州にある光通信用半導体素子メーカーSDL社にて半導体レーザーの開発に従事。2000年、変性意識状態の研究に専心するために退社。2005年2月(株)アクアヴィジョン・アカデミーを設立。『体外離脱体験』(たま出版、幻冬舎文庫)、『死後体験シリーズⅠ~Ⅳ』『ピラミッド体験』『ベールを脱いだ日本古代史Ⅱ 伊勢神宮に秘められた謎』(以上ハート出版)、『死ぬことが怖くなくなるたったひとつの方法』(徳間書店)、『バシャール×坂本政道』(VOICE)など著書多数。

「2022年 『地球生命系での霊的進化、覚醒、アセンション 高次元世界へ還る道 エドガー・ケイシーとロバート・モンロー(ヘミシンク)の世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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