ROADSIDE JAPAN 珍日本紀行

著者 :
  • アスペクト
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (435ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784893666413

感想・レビュー・書評

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  • いやぁ、日本ってすごい…

  • 創造、こだわりが感じられる。伝わってくる。
    バブル栄華と執念を感じる。
    廃墟には、威厳、わびしさ、哀愁を感じる。
    秘宝館とは?まだあるだろうか?
    性と神仏と、宗教との結びつき。
    懐古ではなくとも止まった時間は場所に宿る。

  • 面白い!
    過去に行ったが今は閉館してしまった施設も載っていて、とても懐かしかった。

    有名廃墟の在りし日の姿も見る事が出来、非常に満足。

  • 都築響一の『演歌よ今夜も有難う』のあと、都築づいて図書館の本を検索していて、あーそうそう『珍日本紀行』と思って、予約した。

    届いた本を見て、ぎょっとした。
    デカい。重い。

    私の頭にはたまに本屋でみるちくま文庫の並びのなかに『珍日本紀行』があったという記憶があって、文庫になってるような本の親本がこんなに巨大なもんだとは思わなかった。さすがに持って帰るのにひるみ、何日かは図書館内で閲覧し、それから借りて帰った。(帰ってから調べると、ちくま文庫では西日本編と東日本編の分冊になっていた。)

    借りて帰って気づいたが、値段もすごかった。税込みで9800円

    「後記」で都築はこう書いている。
    ▼…おそらく日本でいちばん役に立たない、いちばん高くて重いガイドブックである本書を買ってやろうなどという奇特な人は、ときに自分でも困るほど広く旺盛な好奇心の持主であるに違いない。その、手に負えない好奇心のカケラを、本書をきっかけに名もない地方の、道ばたに隠れた宝物に向けてくれたら、作り手としてこれ以上うれしいことはない。結局、人間を単なる欲ボケ落第生物以上のものにしている唯一の美質、それが好奇心なのだから。(p.427)

    これは、週刊誌『SPA!』で連載された「珍日本紀行」の再編集版で、本が出た時点でまだ連載は続いていた(なので、文庫のほうはまた収録数が増えているのかもしれない)。

    都築響一が基本的にひとり取材で日本各地の「珍」なモノを探してまわって、撮影も執筆もこなす、というのを4年ほどやって、このおもしろい、というよりは、いささかぎょっとする、キワモノ的な風景を集めてきている。

    巻頭には「路上の真実」と題した一文。その最後にはこうある。
    ▼美しくない日本。品のない日本。そして居心地いい日本。目の前にある現実をもう少しポジティヴに受け入れることができたら、人生はずっと楽しくなる。(p.18)

    表紙は、宮崎県にあるという「モアイ」。
    『SPA!』で紹介された中から、さらに特選で選んだというスポットは、フツーの旅行記事やガイドブックには、まず出てこないようなところばかり。このやたら重くて厚いガイドブックをめくっていくと、都築が書くように「ようするに我々は日本のことをまるで知っちゃいない」ことが、つくづくわかる。「興味がなければ、それは「存在しない」のだ」という存在。

    都築の興味にひきずられるようにしてではあるが、この「リアリティ」、この「存在感」に目をひらかれる。載ってるところは、私が知らない、見たこともないところがほとんどだったけれど、私が実際に目にしたことのある場所、行ったことのあるところも数カ所はあった。しかし、行ったはずのそこさえ、都築の撮った写真で見ると、まるで違うところのように思えるのだった。目が違うからアタリマエなのだろうが、自分は、どこへ行って、何を見てきたのだろうなと思った。

    (10/19了)

  • 炭鉱歴史館や秘宝館、近所にあれば恥となりそうな不気味な人形などが展示されたハコ物が、この写真集ではどれも現代美術作品にみえる。日本は世界に先駆けてコンセプチュアルアートを娯楽にしていたので飽きて現在根付かないのかもしれないとすら思う。旅行中の随行書によく、外国人へのプレゼントに喜ばれそう。

  • 90年代に日本各地の炭鉱・鉱山の廃墟を旅していた頃、珍妙なスポットや巨大仏の魅力にも開眼した。そんな時、都築響一のこの本に出会い、その後の旅のデータベースとして日本各地の珍スポットを巡ることができた。まさに「珍スポットのミシュラン」。今はなき秘宝館「鳥羽SF未来館」の想い出は生涯忘れ得ない。後に携帯に便利な文庫版も出たが、写真の魅力を味わうには大判の本作のパワーは体験すべし。

  • どっしりボリューミィ。
    日本全国の珍名所をくまなく全網羅。こんなトンデモ物件が今も日本のどこかに息づいているのかと考えるだけでウズウズする。世界には素晴らしい遺跡もいっぱいあるけど、これ読んだらあらためて日本を旅したくなった。日本はユーモアがないなんて誤解でした。こんなバカげた素晴らしい文化があるんじゃないか。写真もいいけど添えられた文章もおもしろいうえに日英対訳。外人にみせたらビックリするだろうなぁ。

  • 自分が日本人であることの喜びを感じさせるバカっぽさがたまらなく素晴らしい。

  • 日本って奥深い

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著者プロフィール

1956年東京生まれ。1976年から1986年まで「POPEYE」「BRUTUS」誌で現代美術・デザイン・都市生活などの記事を担当する。1989年から1992年にかけて、1980年代の世界現代美術の動向を包括的に網羅した全102巻の現代美術全集『アートランダム』を刊行。以来、現代美術・建築・写真・デザインなどの分野で執筆活動、書籍編集を続けている。
1993年、東京人のリアルな暮らしを捉えた『TOKYO STYLE』を刊行。1997年、『ROADSIDE JAPAN 珍日本紀行』で第23回木村伊兵衛写真賞を受賞。現在も日本および世界のロードサイドを巡る取材を続けている。2012年より有料週刊メールマガジン『ROADSIDERS’weekly』(http://www.roadsiders.com/)を配信中。近著に『捨てられないTシャツ』(筑摩書房、2017年)、『Neverland Diner 二度と行けないあの店で』(ケンエレブックス、2021年)、『IDOL STYLE』(双葉社、2021年)など。

「2022年 『Museum of Mom’s Art』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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