タイコたたきの夢

  • エフ企画
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894192287

感想・レビュー・書評

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  • どこかにあるはずの幸せを求めて彷徨い歩く。結局元いた場所に戻ってくる。青い鳥ですね。
    ラスト、一番若い男がまた、よりよいくらしを求めて声を上げる。普遍的な流れなんだな、と思いました。

  • タイコたたきの人々が良い暮らしを求めてさまよう話。

    一人のタイコたたきが「ゆこう どこかにあるはずだ もっとよいくに よいくらし!」とタイコをたたきながら練り歩くと、やがて大きな群れとなっていく。良い土地を求めて世界中を旅していく。

    豊かな土地、厳しい土地、いろんな土地があるけれどどこに行っても満足できない。どこってことではなく、そこで何をするか、どう感じるかが大切なのだろう。
    2020年の今はコロナウィルスで世界のどこへ行ってもよいくらしはできないかもしれない。今いる場所でどう過ごすか考えなければならない。今の時期に合う本だったのかも。でもちょっと難しかった。

  • 子ども時代に読んだのを再読。なにか嫌な感じがしたことだけ覚えていたのだけれど、こんな話だったんだ、とびっくりした。増えていくタイコたたきたちがとめどなく増殖する欲望のようで気味が悪く、「まるでペストでもきたように」逃げていく人たちの気持ちになった。自分のなかのタイコたたきの数はしっかり制御しておかないと、死屍累々ということになりそう。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「タイコたたきの数はしっかり制御」
      私は逆のイメージを抱いていた、、、

      「クレーン男」と「タイコたたきの夢」の2冊は、福音館→童話屋→福武...
      「タイコたたきの数はしっかり制御」
      私は逆のイメージを抱いていた、、、

      「クレーン男」と「タイコたたきの夢」の2冊は、福音館→童話屋→福武文庫→パロル舎と数奇な道のり。次は何所が出すのかなぁ?
      2013/09/19
    • なつめさん
      ずいぶん多くの出版社が出しているんですね。次もありそう。
      ずいぶん多くの出版社が出しているんですね。次もありそう。
      2013/09/19
    • ほっぺプニプニマンさん
      へー。
      いろんなところが出してるんだ。
      へー。
      いろんなところが出してるんだ。
      2020/08/11
  • むかしむかし、富める者と貧しき者が共にくらすとある町で。
    その町の通りを、ひとりのタイコたたきが練り歩き叫びだしました。
    「ゆこう、どこかにあるはずだ もっとよいくに よいくらし!」
    タイコたたきはどんどん増えて、列をつくって町を離れます。
    よい国、よい暮らしを探すために。

    読み終えてから頭に浮かんだのは、中村晃子さんの『虹色の湖』でした。
    ふむぅ・・・と考えさせられます。
    本当によい暮らしって、なんだろう?

    風刺のスパイスがピリリときいたストーリー、淡々とした語り口、細い線で描かれた挿画。
    すべてがブレンドして醸し出される雰囲気に虜になってしまいました。
    さらにチムニク作品にはまってしまいそうです。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      福音館書店、童話屋、福武文庫、パロル舎と版を移してきましたが、今は図書館でしか読めなくなってしまいました。悲しい、、、
      福音館書店、童話屋、福武文庫、パロル舎と版を移してきましたが、今は図書館でしか読めなくなってしまいました。悲しい、、、
      2014/03/14
    • すずめさん
      nyancomaruさん、コメントありがとうございます!
      図書館でも閉架に置かれていることもあり、残念ですね…。
      nyancomaruさん、コメントありがとうございます!
      図書館でも閉架に置かれていることもあり、残念ですね…。
      2014/03/15
  • 「ゆこう どこかにあるはずだ」
    若い頃の私も、タイコをたたき達のように何かを求めて彷徨ってました。

  • 自由と幸福、愚かさや粗暴さ、無自覚さ。それが、どの集団・個人にもあるのが人間らしくて面白い

  • もっとよいくらしをもとめて、旅立っていったタイコたたきたち。
    でも結局・・・・・・
    何が人にとってのしあわせなのだろう・・・
    考えてしまう書。

    訳も素晴らしいし、チムニク自身の描いた絵がとても文章に合っている。
    文章も書けて絵も描けるというのは理想のかたちだろうな、と思わせられる。

  • 「行こう。
    どこかにあるはすだ。
    もっとよい国、よい暮らし」


    でもね。
    ここだから、居る人が居る。
    ここだから、在る場所が在る。

  • これは。。。すごいメッセージが隠されているんだろうなあ。
    でも、何度読んでもわからない。。。

    とてもひきつけられるストーリー

    ただ、タイコたたきが行進するだけなんだけどね。

  • 古本屋で偶然めぐりあったぼろぼろの文庫本、表紙が気になって買って読んでみたらなんだかものすごいショックをうけたのでした。絵と文は同じくらいの割合だけど絵本じゃない。クレーンオトコとタイコたたき、どちらもすごくいい。チムニクを集めるきっかけになりました。

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著者プロフィール

1930年ポーランドに生まれ、ドイツに移ってミュンヘンの美術アカデミーで学ぶ。『熊とにんげん』『クレーン男』など、詩的な文章と繊細なイラストの作品で一世を風靡した。

「2018年 『タイコたたきの夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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