- Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
- / ISBN・EAN: 9784894192546
作品紹介・あらすじ
7回目の引っこし先、ノーフォークの田舎でアンドルーを待っていたのは大空を飛び回る戦闘機と耳をレーダーのようにピンとたてた少年だった-「聞こえる?」「ライトニングだ」「…二分半で四千フィート」ぼくたちの夏がゆるやかにあつくなる。カーネギー賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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イギリスの田舎の風景を知らないので読みながら頭の中に景色が全然浮かんでこないし飛行機にも興味がないので途中まですごく退屈に感じてたんだけど、「第十三章 無名戦士」あたりから急に面白くなったので、頑張って読んでよかった。
ジャン・マークの描くキャラクターはみんなクセがあって人となりをつかむのに時間がかかるけど、一度わかったらとても愛おしくなるから不思議。アンドルーが自分の発言でビクターを傷つけてしまったかなと不安がったり、当のビクターは人から悪く言われることをもはやどうでもいいと諦めていたり。
書いている人は大人なんだけど「子供ってなんだかんだ鋭いよな」と思わせられるリアルさがあるからジャン・マークはすごい。
飛行機のことまったく知らないので名前を出されても全然イメージできなかったんだけど、家の近くに空港があるので上空を飛んでいくときの轟音は簡単に思い描けた。たしかにうるさいけど日常に馴染んでしまうと飛んでることを忘れてしまうあの音。
そういえばアンドルーとビクターがいつのまにか仲良くなって親友のような間柄になっているの可愛いなと思った。仲良くなるきっかけとかって特にないよね。わかる。ビクターがジャガーに慣れたあともずっとアンドルーと仲良しだと良いな。
というかこれめっちゃ映画として見たい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「ライトニングが消える日」という表題だけでじゅうぶんに何かが心をよぎる方であれば、きっといい読書になると思います。
読んでたいへんな退屈を味わう方もたくさんいると思います。読者との縁のあるなしが非常にくっきりと分かれる作品なのは間違いありません。
美しさってちっとも普遍的なものじゃないんですよね。
でもこの小説、美しいんですよ。
すこしだけ興をそぐ誤訳があります。
作品の値打ちにひびくものではありませんけど、もし重版がかかることがあるなら、直って欲しいと思います。 -
どうってことのない毎日の物語なのに、観察力がすばらしい。とあとがきに書いてあった。 でも残念ながら私はギブアップ。もっとリズム感のある文章が好きかも。秘密のポストの方が私は好き。