NGOとは何か: 現場からの声

著者 :
  • 藤原書店
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894340794

作品紹介・あらすじ

アフリカの開発援助現場から届いた市民活動(NGO,NPO)への初のラディカルな問題提起。"善意"を"本物の成果"に!ドナー(寄付者)、援助団体関係者必読の"援助改造論"。

感想・レビュー・書評

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  • NGOについて、慈善事業の視点ではなく、マネージメントの視点から描かれていたため、大変興味深かった。
    NGO活動は、ビジネス活動と似ている部分があると思う。
    PLAN→DO→CHECK→ACTIONをしっかりと実行していなければ、質の良い活動ができない。

    <NGO>
    サービス産業。ODAが扱うものより、ちょっと下の層に落とす。「商品」がより多くの「顧客」を得るよう、その「質」を常に向上させるため、常に切磋琢磨すること。投資されたプロジェクトが人々の生活に及ぼす影響を客観的に、正直に計算した「顧客」に伝えるためのシステム作り。
    ※NGOがやっていることは政府がやるべきこと。

    <開発援助とは>
    「制度」と「システム」を「外力」として補強、改善すること。※途上国政府と諸制度、伝統的共同体社会と密接な関係に気付かない限り達成できるものではない。

    <必要とされていること>
    よいアイディアがあったら、それをいかに効率的に、短期間に広範囲に広め、定着させるかを考えること

    <教育>
    何が教師をやる気にさせるか、教師と親たちの信頼関係が全て。
    NGOができることは、教師へのトレーニングに資金を出すか、教師が副収入を得られるような経済プロジェクトをやること。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      伊勢崎賢治の本は、どれも為になるなぁ~(実務面だけじゃなく、心が強くなります。)
      伊勢崎賢治の本は、どれも為になるなぁ~(実務面だけじゃなく、心が強くなります。)
      2012/07/31
  • 良著。

    実際にNGOとしてタイで活動してきたあとに読んだので、多くのことを考えさせられた。

    NGOとはなにか、開発とはなにか、何をするべきで、なにをしないべきなのか。

    非常にデリケートな問題なはずなのに、あまりにも軽く扱われている国際協力問題。

    おもしろい。

  • 開発とは何か、いわゆる「先進国」の人間が真にやらなければならないことは何か、これを読んで価値観が大きく揺さぶられた。ODAや途上国支援のあり方を再考させられる良書。

  • ケニアのNGOで二ヶ月間働き、「何故ここにいるのか」の自問自答を繰り返した後に読んだことで逆に印象が強まった本です。後付ですが、主張が強い本なので、行く以前に読んで分かった気になるのではなく、行った後に読んだことがよかったかと思います。

  • これだけNGOの本質に迫る本はめずらしいと思う。

    美化するわけでも悲観的になるわけでもなく、
    NGOのあるべき姿と現状とのギャップを示しています。

    ”ファシズムでも人は救える”
    ”必要な材料は全て途上国にある”
    ”NGOはサービス産業だ”
    ”何人かを殺し、それでも多くの人間を救っていくのが草の根の開発援助なのだ。そして、現場の人間は、自責の念を一生引きずっていくのである。”

  • 国際協力NGOの仕事が生々しく見える。最後の住民との仮想対話にエッセンスが詰まっている。

  • 国際協力NGOの仕事が生々しく見える。最後の住民との仮想対話にエッセンスが詰まっている。

  • 現実を直視して、それを正直に伝えることのできる著者から学べることは計り知れない。
    住民主導のプロジェクトとは何か、我々が持っている現地住民に対するおこがましさ、この業界で本当に必要とされる人材はどんなものか、そういうものを教えられた。

  • 市民運動2

  •  アフガニスタンやイラク等のの国際援助のありかたがTVなどでとりあげられてきたが、この本の著者のような活動と考え方が国際援助のあるべき姿ではないかと考えさせられました。

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著者プロフィール

1957年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了。2000年3月より、国連東ティモール暫定行政機構上級民政官として、現地コバリマ県の知事を務める。2001年6月より、国連シエラレオネ派遺団の武装解除部長。2003年2月からは、日本政府特別顧問として、アフガニスタンでの武装解除を担当。東京外国語大学教授。プロのジャズトランペッターとしても活動中。著書に『武装解除 紛争屋が見た世界』、『本当の戦争の話をしよう』『主権なき平和国家 地位協定の国際比較からみる日本の姿』(共著)などがある。

「2019年 『リベラルと元レンジャーの真「護憲」論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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