三国志 8の巻

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 219
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894560567

感想・レビュー・書評

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  • これは本当に奥が深い!多くの視点から多くの人物を楽しめる。特にクローズアップされていたのが裏切りの連続で親殺しも関係なく無法者とされていた呂布の気持ちなど読んでいてよくわかる。池上先生のコミック「覇」にあるような荒々しい呂布とも違い男として時代を駆け抜ける彼の美しさに心震わされ、それに3兄弟の末弟として強さだけが誇張され続けた張飛の繊細さに心配り、そして人を愛する気持ちなどは彼が死ぬ時にすべて読んできた中の思いが一瞬で溢れてきて涙が止まらない!

    先日、北方先生の「黒龍の柩」を読んで山南と土方のお互いの見えない思いについて語ったが、やはりこの三国志も同様であって男性が読むには心を揺さぶるいい作品です。

    史実に沿った作品ではあるが、名前だけでしか知らなかった魏延・馬謖・姜維・王平・許褚・張遼・韓当・馬超などもっともっと知りたいと思える人物が本当にいた。話の中で作られた人物が何人も出てくるが、彼らがしっかりとサポートして史実上の人物をどんどんクローズアップさせていく。

    頭の中で多くのシーンがフィルムとなって映し出されたが一番は呂布の愛馬である赤兎馬が死に掛けた時に劉備の配下であった成玄固に赤兎馬の命を託すシーンなど今でも僕の勝手な映像として頭の中に残っている。

    元々は呂布の配下であった張遼。その後は曹操の勇将として知られるが、呂布軍の伝統を貫き闘志無敵の騎馬隊を率いる姿も忘れられない。やはり何度も言うが北方先生の作品を読むのはすべての先生の作品を読んだ一番最後が妥当だと思う。本当の漢達を読ませてくれます!

  • 面白い。三国志好きにはたまりません(笑)。
    前半は周瑜の益州攻めの道程と最期…。隙のない戦略。稀代の英雄だなぁ。魅力がスゴイ。
    周瑜、曹操、張衛(五斗米道)、馬超、劉備…それぞれの立場でテンポよく物語が展開して飽きさせない。巻頭の地図と一緒に読み進めると没頭できる。

  • あーん! 周瑜と荀彧が死んだ!! でもこの二人は丁寧に殺したよね。周瑜は最後の瞬間まで追ってかなりページ数かけて殺したし、荀彧の死には曹操も今までになく悲しんでいる。このために郭嘉をあっさり殺したのかな?
    劉備は天下三分へ。ホウ統と法正は、孫家二代を除けば最も長生きしてほしかった奴らだ。

  • 丹念に描く三国志。
    分かりやすくていいです。

    北方謙三というとやたら熱い「漢」の「秋」を書いているイメージがありますが、
    結構控えめです。
    孔明に対する龐統の嫉妬も、いくらでも脚色できるところだけど、非常に抑えてあります。
    その分だけ、成都を前にしての劉備軍勢ぞろいのシーンは、感動的です。

    この本、呉滅亡まで続くのかな。
    できればこの筆致でそこまで書いてほしいな。

  •  思いのほか読みやすかった!
    しゅうゆ が死にいく巻

  • 読了。曹操に曰「華であったな、大輪の・・・・・。」三十六才周兪の死。覇権を争ってきた 第一世代が次々と亡くなっていく。曹操ほどのリーダーで多くの優秀な将軍・軍師補佐役がいても、あれこれと問いかけるのは、深く沈思するのは孤独な夜だと 北方さんは語っている。漢(おとこ)の美学か・・・。

  • 周瑜を始めとする軍師の死。前半はそれが中心になる。馬超と曹操もいよいよぶつかり始める。周瑜が死んだ以降の呉の扱いの低さはひどい……。

  • 英雄が死んでいく。周瑜さえも。
    劉備は孔明が加わって強さに方向性が加わり領土を広げていく。
    しかしねぇ、英雄たちの本当の敵は時間なのかもしれない。

  • もうどの巻にどんな内容が書かれたかわからないから
    コメントしずらいんだけど・・・

    でも本当に好きです!!
    歴史の流れは大きく、抗いがたい気がするけれど
    しかしそれは人が作っていくものなんだなぁ。

    登場人物が素敵です。

  • 読了

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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