菊葉荘の幽霊たち

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 109
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894561786

感想・レビュー・書評

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  • タイトルを見て、「てふてふ荘」のような心暖まるファンタジーを期待してみたが全然違った。そもそも幽霊は出てこない。
    高校の同級生がそこに住みたいと言ったというだけで、住人と関係を持ち他の部屋の住人を観察するという話。現代社会で隣に誰が住んでいるかも分からない世の中。近所付き合いはなく、近くで何か起こっていても気にもしない。なんとなく住んでる気配はするものの、姿も見ない。まるで幽霊が住んでいるかのよう…。でも、そんな幽霊のような住人も人との深い繋がりを求めているんでしょうね、きっと。

  • 古くて味のある木造アパート、菊葉荘に女は入り浸っている。今年二十五歳になる女は仕事を失ったばかりで暇だった。高校の同級生が菊葉荘に目をつけ、ここに住みたいと言ったが菊葉荘に空室はなかった。女は住人の誰かを追い出せば、友人が住めるのではないかと考え、行動する。

    菊葉荘に住む大学生の男と親しくなり、半同棲のような暮らしをしながら、別の部屋の様子も探る女。
    それだけの行動力があれば仕事なんて容易に見つけられると思うが、女の行動力のすべては菊葉荘に向けられる。

    ---------------------------------------

    自分も学生であるかのような顔をして菊葉荘の男子学生と一緒にいる女。
    空き部屋をつくるため、と考えると妙な行動だけど、仕事を失ったばかりの空白期間を女なりに楽しんでいる、と捉えたら意外と腑に落ちる行動だった。もうすぐ二十五歳だけど暇で時間もあるから、学生みたいなモラトリアム期間を味わっちゃおう、という感じ。

    学生でいられる期間が終わった後、就職して数十年間も働き続けることを思うと気が遠くなる。すこし苦しくもなる。何年かに一度、そんなに長い期間じゃなくていいから、何の責任もないモラトリアム期間を味わえたらどんなに素晴らしいだろうか。そんなことを思う。

  • 高校からの友人(男)の部屋探しを手伝う私(女)。男がふらっと行った街で見つけたアパートに狙いを定めたが空きがないため住人を追い出すために私はアパートに潜り込む。最初から最期まで意味不明で終わった。スゴイ。

  • 読みました。

  • これはちょっとよくわからなかったかな?

  • 読み終わった時は、・・・ん?おわり?っていう「読後すっきりしない」という、解決しない感があったけど、途中は好きだった。

    吉元のばかばかしさと、蓼科のだめな感じ。
    それに典子もヤス子も。

    でも、その雰囲気が好きである。

    汗水たらし、真面目に一生懸命に、という感じからどこまでも程遠い感じが、好きだ。

  • 2000年8月読了。

  • 何処にもたどり着くことなく、あやふやなまま物語が終結してしまい、不完全燃焼。

  • 20111218t

  • 不思議な話だった。
    気になって先を読んでいたけど、最後がぼやけていて、残念。
    もう少し明確な感じが良かったのになー。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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