啄木を読む: 思想への望郷文学篇 (ハルキ文庫 て 1-7)

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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894566798

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  • 寺山修司による啄木評論(その他に太宰・中也・久作・鏡花なども評論している)。
    寺山と啄木ってずっと似ている部分があると思っていたし、寺山が啄木を耽読していたことも知っていたので、なかなか啄木のお膝元に住む自分としては興味深く読むことができた。
    寺山の啄木に対する愛憎を感じた。
    同族嫌悪のようなものが読み取れる。
    寺山は啄木を精神的な引きこもりで誰とも向き合ってなかったいうようなことを書いていた。
    末尾の解説でもそこに触れているのだけど、啄木は内世界の人間で、反面寺山は外界に開かれた人間だと思う。
    二人は確かに似ているけど、やはり啄木は基本的に暗い(笑)。
    いかにも東北って感じで、ユーモアの人だった寺山は啄木を反面教師にしていたのでは?と思ったりもした。

著者プロフィール

詩人、歌人、劇作家、シナリオライター、映画監督。昭和10年12月10日青森県に生まれる。早稲田大学教育学部国文科中退。青森高校時代に俳句雑誌『牧羊神』を創刊、中村草田男らの知遇を得て1953年(昭和28)に全国学生俳句会議を組織。翌1954年早大に入学、『チェホフ祭』50首で『短歌研究』第2回新人賞を受賞、その若々しい叙情性と大胆な表現により大きな反響をよんだ。この年(1954)ネフローゼを発病。1959年谷川俊太郎の勧めでラジオドラマを書き始め、1960年には篠田正浩監督『乾いた湖』のシナリオを担当、同年戯曲『血は立ったまま眠っている』が劇団四季で上演され、脱領域的な前衛芸術家として注目を浴びた。1967年から演劇実験室「天井桟敷」を組織して旺盛な前衛劇活動を展開し続けたが、昭和58年5月4日47歳で死去。多くの分野に前衛的秀作を残し、既成の価値にとらわれない生き方を貫いた。

「2024年 『混声合唱とピアノのための どんな鳥も…』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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