棲家 (ハルキ・ホラー文庫 あ 3-1)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 54
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894568822

感想・レビュー・書評

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  • ホラーって、全てがあからさまになると怖さ減るな…。
    なんでこの家が怖いのか、あのレリーフたちは何か、なぜ主人公だけがこの家を気に入るのか、なぜこの家は賃貸に出されるのか、主人公が痩せていくのはなぜか、大家はなぜこの行為を止めないのか。
    全部教えてもらえちゃいます。
    ホラー見てるとつじつまのあわなさにイライラすることもあったのですが、なるほど、説明がつかないからより怖い、ちゅうこともあるんやね。

  • 彼氏と会うのを増やすために引越すのだったら彼氏と不動産屋回ればいいのに…。と身も蓋もないことを思ってしまいました。
    自立心が強いのかもしれないけど、この主人公の性格としてはちょっと違和感あるし。
    悪霊云々はともかく、不動産借りたり買ったりするときは、他人の意見も聞いてみるべきだなぁ、と方向違いの感想を持ちました。

  • 図書館で何と無く手に取った本。
    初めての作家さんでしたが、面白く読めました。

    引っ越した先の家が何ともおかしな家で、住む人達が別人の様になってしまう。
    どこにでもあるネタなのですが、読ませる力がありズンズンと読み終えてしまいました。

    地域それぞれにある宗教、イワクのある土地、そこの所をもう少し掘り下げて書いて欲しかったー。

  • 明野照葉さん、2冊目。

    初めて読んだ本が、女友達の復讐劇であまり感情移入出来ず。
    今回は、趣向を変えてホラーに挑戦!

    格安の洋館に住み始めた主人公が、日を追う毎に人相や人格まで変わっていく。実は、洋館は悪霊達の棲みかで、主人公はとり憑かれていた…。

    しかし、主人公を助けたい女友達2人の行動が、純粋で健気。先が読める展開ではあるが、素直に楽しめた。

    恐怖度は低め。
    夜中に読んでもトイレに行けるので、ご安心を(^^)

  • 恋人のため、希和が狭いアパートを出て引っ越したのは一戸建ての離れ、家賃5万の奇妙な洋館だった。最初に紹介されたこの物件を主人公は一目で気に入ったのに、親友2人や恋人は嫌悪感を示す。大家の老婦人は妙に優しかったが、近所では快く思われていなかった。部屋に固執し、気付かぬうちに性格は攻撃的になり、容姿は痩せて老け込んでいくのに食欲だけが旺盛になっていく希和。恋人には一方的に別れを告げられ、親友とも仲違いをしてしまう……。

    「因縁」と「憑依」が怪異の根にあるところはこの著者の得意とするところ。霊媒的な能力を持つ親友の一人によって主人公は窮地を脱するのだが……めでたしめでたし、では終わらせてくれない。

    主人公、親友、そして大家の老婦人、この3人の女性それぞれの生き方を絡めているのも、物語に膨らみを与えているように感じる。

    ただし帯書きにある某作家の「ここ数年のベスト5に入る大傑作」ってのは、どうかなぁと思うがw

  • 希和が住みはじめた洋館は、霊の巣窟だった。
    たくさんの霊に取りつかれ、やつれはてた希和を
    代々の霊媒師の家で育った、友人の洋香が救う

  • 080412(n 080503)

  • 恋人の為に新しい家を探していた希和は、一件目に紹介された物件を一目で気に入り契約の手続きをした。それは一人暮らしの野添という女主人が所持するガウディ建築を思わせる風変わりな洋館だった。家に合った新しい家具や備品を購入する希和。これからの生活は薔薇色に満ちているかに見えた。が、招待した恋人は部屋に入った刹那、急用だと逃げるように帰ってゆく。そして、友人の洋香と亜紀もまた早々と帰宅する。この洋館の素晴しさを全く理解しない友人と恋人に苛立ちを感じ、徐々に希和は人との繋がりを拒んで行くのだった。


    「ホラーのお手本」というようなストーリーです。でもまぁ、それほど怖くないかな。
    違和感を一つ感じたのは、主人公がすりかわってしまう。という点。物語の構成上それは致し方ないのかも知れないが、ウェートのバランスが気になりました。
    希和で最後まで引っ張って行けないのは良くわかるし、洋香の背景もわかるのだが、もっとも盛り上がる解決シーンで、「これって主人公希和じゃなかったっけか?」とどうしても思ってしまう。まとまりある作品なのだが視点がバラける分だけ、妙な荒っぽさを感じた。
    解決と書きましたが、ホラーなので完全解決は無いです。(あーこれってネタバレかな)

著者プロフィール

明野照葉

東京都生まれ。一九九八年、「雨女」で第三十七回オール讀物推理小説新人賞を受賞。二〇〇〇年、『輪廻RINKAI』で第七回松本清張賞を受賞、一躍、注目を集める。ホラーやサスペンスタッチの作品を得意とし、女性の心理を描いた独自の作風はファンを魅了してやまない。『汝の名』『骨肉』『聖域』『冷ややかな肌』『廃墟のとき』『禁断』『その妻』『チャコズガーデン』(以上中公文庫)、『女神』『さえずる舌』『愛しいひと』『家族トランプ』『東京ヴィレッジ』『そっと覗いてみてごらん』など著作多数。

「2020年 『新装版 汝の名』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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