三国志読本―北方三国志〈別巻〉 (ハルキ文庫―時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894569799

作品紹介・あらすじ

圧倒的な支持を得て遂に完結した、北方版三国志。熱烈な読者の要望に応えて、新たに収録した北方謙三ロングインタビューと、単行本のみの付録となっていた『三国志通信』を完全再録し、詳細な人物辞典、より三国志を愉しむための解説記事を満載したハンドブック。

感想・レビュー・書評

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  • 北方版三国志文庫判完結特集|書籍情報|株式会社 角川春樹事務所 - Kadokawa Haruki Corporation
    http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/special/special.php?no=15

    三国志読本 北方三国志別巻|書籍情報|株式会社 角川春樹事務所 - Kadokawa Haruki Corporation
    http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/detail/detail.php?no=1501

  • これは本当に奥が深い!多くの視点から多くの人物を楽しめる。特にクローズアップされていたのが裏切りの連続で親殺しも関係なく無法者とされていた呂布の気持ちなど読んでいてよくわかる。池上先生のコミック「覇」にあるような荒々しい呂布とも違い男として時代を駆け抜ける彼の美しさに心震わされ、それに3兄弟の末弟として強さだけが誇張され続けた張飛の繊細さに心配り、そして人を愛する気持ちなどは彼が死ぬ時にすべて読んできた中の思いが一瞬で溢れてきて涙が止まらない!

    先日、北方先生の「黒龍の柩」を読んで山南と土方のお互いの見えない思いについて語ったが、やはりこの三国志も同様であって男性が読むには心を揺さぶるいい作品です。

    史実に沿った作品ではあるが、名前だけでしか知らなかった魏延・馬謖・姜維・王平・許褚・張遼・韓当・馬超などもっともっと知りたいと思える人物が本当にいた。話の中で作られた人物が何人も出てくるが、彼らがしっかりとサポートして史実上の人物をどんどんクローズアップさせていく。

    頭の中で多くのシーンがフィルムとなって映し出されたが一番は呂布の愛馬である赤兎馬が死に掛けた時に劉備の配下であった成玄固に赤兎馬の命を託すシーンなど今でも僕の勝手な映像として頭の中に残っている。

    元々は呂布の配下であった張遼。その後は曹操の勇将として知られるが、呂布軍の伝統を貫き闘志無敵の騎馬隊を率いる姿も忘れられない。やはり何度も言うが北方先生の作品を読むのはすべての先生の作品を読んだ一番最後が妥当だと思う。本当の漢達を読ませてくれます!

  • <真>

    本編の9巻だか10巻を読んでいた頃に,この読本を読んだ。読んだ動機は他の読者諸兄とおそらく同じだと思う。あまりに人やモノや場所の名前が煩雑でこの先本編を読んでいるだけでは段々と分からなくなって来るだろうな,と云う危機感を覚えたから。結果,北方三国志の結末の大体が分かってしまった。けれど分かってしまって良かったと思う。三国志と云う物語はそういうものなのだな,という理解がスムースにできた。やれ嬉しw
    もう一つ特筆すべき事。この本の「三国志の時代」と云う表題の第二章の執筆者として大澤良貴と云う名前が巻末に乗っているのだけれど,この第二章が誠に良く書けていて秀逸。第一章の作者北方謙三インタビュー記事なんかよりづっと面白い。僕的にこの文章の面白さを表現すると「司馬遼太郎が如く,まるで実際にその目で見て来た様に書いてある!」である。言っておくが,これは褒めているのだぞ。すまぬ。

  • 2020年10月11日読了。

    北方謙三の三国志別巻。
    インタビューがよかった。

  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    北方三国志に関するデータをまとめ。インタビューや単行本の付録『三国志通信』を一つにまとめた内容となっている。
    北方謙三の三国志で特徴的な人物となっている呂布、張飛、馬超の三名がどのように誕生したのかが書かれており、非情に楽しめた。
    付録『三国志通信』は一見すると新聞を読んでいるようで見出しや紙面構成を楽しむことができた。

  • 北方氏のインタビューや三国志の背景、人物事典など。資料集みたいなものかな。話に集中していているので背景について細かく覚えているわけでもないので、改めてこういう別巻があると助かる。

  • 著者のインタビューは人物に対する思い入れが理解できて、面白かった。ただ、後半の人物説明は、読破した人なら不要であり、冗長である。

  • 前半の対談以外は要らん

  • 再読。

    しばらくぶりに読み返して、以前は英雄豪傑の活躍を気持ち良く読めていた。
    が、今回は名もない兵に意識を持って行かれることが多かった。年のせいだろうなぁ。
    調練で打ち殺され、行軍に遅れようなら殺され、戦闘では騎馬の蹄にかけられ死ぬ。
    もしも、この時代に生まれていれば確実に将にもなれない一兵士だったであろうと想像すると、切なさが倍増する。

    作者インタビューである「三国志は滅びゆく男たちの物語」とある、華やかに切なく描かれた英雄たち、行間で散る兵士
    まさに素晴らしい滅びの物語。

    読むたびに大満足のシリーズ。

  • まさに「北方三国志」の舞台裏を知りたい人のための本。北方謙三さんの若かりし頃の体験が存分に反映されている小説になっていることが分かる。機動隊の対決で、大きな石をぶつけられて一度は倒れた男が起き上ってくる様子なんかは生々しい。また、何かと持ち上げられがちな諸葛亮についても、その才能を認めつつバッサリと切っている(笑)

    この小説を書くのはかなりエネルギーを要することだったようで、「もう小説家として生き切った」(69頁)とあるのを読んで、当時小学6年生に過ぎなかった自分も惹きつけられたわけだ、なんて思った。

    張飛がなんで急性アルコール中毒で倒れなかったのか、とか当時の武器事情、さらには医療事情についての言及もあって飽きない。個人的に面白かったのは、曹操が自ら兵法を体系化したことによって、後年苦しむことになったという指摘だった。兵士たちを取り巻く環境が移り変わるにつれて、統率を取り易くなったことが関係しているらしい。また、アメラグ(アメフト)の動きも参考にしているらしく、この部分を読んでいて自分はアイシールド21(マンガ)試合の模様と軍勢が展開していく様を頭の中で重ね合わせてみた。

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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