死を招いた保育: ルポルタ-ジュ上尾保育所事件の真相

著者 :
  • ひとなる書房
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894641686

感想・レビュー・書評

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  • ○フリーライターの猪熊氏の作品。
    ○2005年に、埼玉県上尾市の上尾保育所で発生した侑人くん熱中症死亡事故(事件)について、被害者のご両親、被告である保育園、市役所等の関係者のインタビューをもとに、その原因や背景を著したもの。
    ○はっきりいって「ずさん」の一言であるが、これが実態なのかもしれない。一つ一つは小さなミス・行き違いに過ぎず、その程度であれば日常にたくさんあふれていると思うが、その積み重ねが一人の幼児の命を奪うことに繋がるということに、意識が向いていないことが分かった。
    ○これは、保育のあり方だけでなく、高齢者介護のあり方や病院のあり方など、「人に関わる仕事」をする人にとっては、常に考えておくべきことがまとめられた本であるといっても良い。(「反面教師」という言い方は適切ではないが。)
    ○性善説に基づいているという幻想が間違いというのは悲しいことではあるが、単なる「モラル」で片付けてしまうのは、それも情けない。

  • クラスメイトに借りて読みました。
    読んでいて、怒りで手が震えました。
    あってはならないこと。
    そして自分の子どもにこんな事が起きたら、生きて行けるだろうかと。
    保育園、保育士…そして保育園に子どもを預けている保護者…だけの問題ではなく、子どもの人権に関わる問題なのだと思います。

  • 2005年8月10日、埼玉県の公立保育所で起きた当時4歳の男の子の死亡事故のルポ。
    僕は子育て支援の仕事をしています。支援者として何を為すべきか、今日までの自分の甘さを痛感しました。
    僕は2歳(2011年現在)男児の父です。親としての筆舌に尽くしがたい思いを抱きました。「事故を再び起こさないために、うちの侑人は亡くなったわけじゃない」 親御さんの言葉が心をぶち抜くよ・・・。

    筆者の視点にはちょっと疑問が残る。事故内容が内容とはいえ、筆者は感情に流されすぎていると思う。理性的であろうとしてはいるができていないと思う。
    でもそれが本のレベルの低下を招いてなどいない。

    この本は僕を確実に変えた。そしてたぶん今後も変えていく。
    ありがとうございます。読んでよかった。

著者プロフィール

ジャーナリスト。一般社団法人 子ども安全計画研究所代表理事。東京都市大学客員教授。保育・教育、子ども施策などを主なテーマに、執筆・翻訳、テレビ・ラジオ出演、講演を行なう。

「2019年 『重大事故を防ぐ園づくり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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