- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784896919479
感想・レビュー・書評
-
嫌いの反対は好き。とはよく言ったものだが、いずれにしても、クラシックを、音楽を愛するが故の作者の想いが伝わってきます。
クラシックを聴き始めたばかりの初心者ですが、思いのほか楽しめました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本書は下記の3章で構成されている。
第1章 こんな曲がキライだ
第2章 こんな演奏家もキライだ
第3章 キライの裏側に潜むもの
第1章では、重箱の隅をつつく様な指摘や、曲の嫌いな部分を強調して、この曲がキライだという。無理矢理感が強く、読むのを止めようかと思ったが、なんとか読み進めた。
第2章は、第1章よりはマシになり、見方によってはキライな所もあるといった程度の記述になる。
第3章は、著者のクラシック音楽に対する向き合い方や、ピリオド系の指揮者に対しての批評などを書いている。
嫌いなことについて書いた文章は、やはり面白いものではなかった。宇野功芳氏のように、単純に自らの好き嫌いの感情に従って、嫌いと断ずるのなら、「この人はこう考えるのか」と、その意見にも耳を傾けてみたくなるが、鈴木氏のひねくれ者や、ペシミストの様な思考で延々と書かれた文章は、読んでいると段々とうんざりしてくる。
読後感は良くないものであった。結果論ではあるが、読まなければ良かった(時間を無駄にした)と強く思える本であった。
そして、この著者の本は、数冊読んでいるが、もう読むまい。少なくとも単独の著作はこれで最後にしようと思った。 -
相変わらず、音楽というただでさえ言語化の難しいものを、クラシックを知らない人・ヲタでない人に伝える言葉に長けている。ただ、本書はテーマ的に「その曲を知っていること」を前提とするため、せっかくの文章力が宝の持ち腐れと化しているきらいはなきにしもあらず。
自分で自分を「ひねくれている」とか言っちゃうあたりはご愛敬だが、なかなかに深い洞察の中、確かに「これでは生きにくいだろうなあ…」と思わせる部分があったりもする。
それなりに面白く読んだけど、そろそろお腹いっぱいかな。
2017/3/24~3/26読了 -
つまらない
-
なんか、こう同じ人の本ばっかり取り上げるのってアレなんですけど、まあ最近立て続けに読んだんで。<br>鈴木さんが「嫌いなの」をキーワードに取り上げたクラシック本。でも嫌いって言っても、フツーに嫌いなんじゃなくって、「好き」の反対は「興味ない」ってわけであって、「嫌い」のカテゴリーにはまるのは、評価に値するレベル、ということであります。<br>中には、全然かけらも嫌ってなくって世間の評価が気に食わない、とかのもありますが(笑)<br>すでに鈴木さんの著作を読んでる人にとっては意外なんじゃないか、と思われるのがバレンボイムを取り上げてることでないかと。<br>そもそも鈴木さんにとってはダニーはさっぱりと無視されていたわけなんだけど、それが「嫌い」にランクアップ。何故!?ていうことで、鈴木さんファンは楽しみに読むといいと思う。(別にそこ中心じゃないけど)<br>そしていつもそうだけど、クラシックに耽溺することと女性の使用済み下着収集を同列で扱う鈴木さん。好きです。(告白か)
-
「タミーノはパミーナの絵姿を見ただけですっかり恋に落ち(萌え系)、夜の女王のアジテーションにすっかりハマり、同様にザラストロの説教にコロリと転向してしまう。今の日本でいえば、秋葉原あたりで見かけるオタク系、宗教にハマって次々と教団を渡り歩く生きづらさ系などがあてはまる。」
妙に説得力があって思わず納得してしまった(笑)
っていうか、タミーノ…萌え系かよ…
キモイな…(笑)
ところどころ上のやつみたいな怪しげなたとえが出てきますが、
軽く思わせておいて実はいろいろ考えさせられる内容の本です。
特に私的には後半の方。
「線」と「円」の話しとか興味深いです。
日本人指揮者の「求道派」と「土着派」の話しもまた然り。
バイト中に読みきりました(笑)