信長は謀略で殺されたのか: 本能寺の変・謀略説を嗤う (新書y 149)
- 洋泉社 (2006年2月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
- / ISBN・EAN: 9784896919950
感想・レビュー・書評
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謀略説が跳梁跋扈したのは本能寺の一件を精査・再査せよと鈴木真哉・藤本正行両著者に促す為であったとも云う可き良書。<br /><br />
副題に「本能寺の変・謀略説を嗤う」とあるだけあって文章全般、読み下し、適宜補注等も有り、平易で読みやすい。但し二部立ての内二部に入って具体的に謀略説を検証する段になればその様な訳にもいかなくなるが、一部のみでも充分楽しめるので忌避するに懸念は無用である。<br />
129頁「河隅書状」の解釈に於いて藤田氏は写しの日付を正しいと前提し書状を読み下すがそこに無理を感じさせ、対す両著者は先ず無理無く読み下した上で写しの日付を間違いであると断ず。両著者の主張に私は首肯出来るのである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
業界の大御所や話題の研究者に理詰めで反論・批判している姿が心地よい。
反論・批判への反論が聞こえて来ないのは、黙殺してるのか避けているのか、それとも気付かないのか。
いずれにしても、議論の応酬を期待するのだが。 -
事実をたんたんと整理された本書は
遅れて歴史好きになったものにとり
かけがえのない良書である
本筋に戻ったことになるのであるが
さみしさも残る
写楽が斉藤十兵衛だったのも・・・ -
証拠を積み重ねていく手法は裁判にも似てさすが法学部出身の著者。しかしこう理屈で詰められると、「納得性が高い」は必ずしも真実とは限らない、と憎まれ口も叩きたくなる。基本的には面白いんだけども。
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「本能寺の変の黒幕は実は~~だった!!」
という説は巷にあふれている。
足利義昭黒幕説、秀吉黒幕説、家康黒幕説と、枚挙に暇がない。
この本ではそのような謀略説は一つも信頼できないと一刀両断!
確かに、本能寺のような状況が生まれたのは偶然の産物で、事前に打ち合わせ等あったとすれば、機密の保持をどうするか、といった常識と照らし合わせても、本能寺の変に黒幕はいないというのが真相のようだ。 -
近年の、「本能寺の変」謀略論に喝!という内容。
明智光秀単独犯説が定番だったのですが、最近は本能寺の変の犯人として、豊臣秀吉・徳川家康・正親町天皇・近衛前久とかが取り上げられるようで、中には奇想天外なものも多いとか。
我々一般読書人からすると、そういった目からウロコの奇説が面白かったりするのですが、この本ではそこらへんをバッサリ!
奇説が参考にしている、史書をひとつづつあげて、誤読・根拠の無い事・結果ありき、などと反論をいたします。
後半では、検証もなく俗説を平然と流すマスコミ批判にも広がって行きます。
その時代の常識を理解すること、資料をきちんと読み込む事の大切さなどを、歴史学者らしい真っ当な意見で語って行きます。
ただ、真っ当な分驚きとかは無いです。
もうちょっと刺激は欲しかったかな。 -
明智光秀単独犯説で確定と思わせる説得力。
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2006.4読了