- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784897841625
感想・レビュー・書評
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子供向けの本だけど、侮るなかれ。豊富な写真資料、現地での取材を通して描かれる、ベートーベンの伝記です。
とかく偉人として語られそうな、楽聖の人生ですが、本書では親の愛情に恵まれず破綻した人格と、そのことが引き起こす生涯を通してのトラブルの数々を紹介することで実像を描き出そうとする。そういったトラブルの合間に、だからこそ凄まじい感情の集中によって創りだされた数々の音楽は、彼の人間性を知らなくてもそれ自体で十分に凄いものなのだけど、その人生とセットで考えると、著者が言うように、人生の破綻をギリギリで逃れつつ天災が生み出した、まさに人類の奇跡なのだと感じてしまう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本は、リプリオ出版が出している「作曲家の物語シリーズ」の一冊。シリーズのほとんどをヴィオリストの「ひのまどか」が、あまたの文献と、現地取材をして書いている。
私は小学校と中学校を行ったり来たりしながら、司書として働いているが、どの学校にも必ずこのシリーズが置かれている。
今年は(2020年)は、ベートーベンの生誕250年なので、読んでみた。
とても面白かった。私が今まで聞き齧っていたベートーベンと齟齬はないが、ここまで変人だったとは!ここまで周りの人に迷惑をかけていたとは!驚きと共に、ベートーベンの苦悩を想った。
ハイドン、ゲーテ、シューベルト、偉人が登場し、時代背景や地域の特色(フランス革命後、ナポレオンの台頭と失墜やウィーンの人々が音楽を愛していること)が説明される。それに助けられてベートーベンを理解し楽しく読み進むことができた。
尾崎放哉を描いた吉村昭の小説『海も暮れきる』を思い出した。天才ってダメ人間だけど、愛おしい。 -
シューベルトの曲を理解したく、読んでみた。
人好きのする、愛されキャラの天才だったんだなぁ。