ノベライズ 花束みたいな恋をした

著者 :
制作 : 黒住 光 
  • リトル・モア
4.05
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本棚登録 : 3478
感想 : 237
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784898155349

作品紹介・あらすじ

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映画『花束みたいな恋をした』
2021年1月29日全国ロードショー

主演: 菅田将暉 有村架純

脚本: 坂元裕二(「カルテット」「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」「最高の離婚」)
監督: 土井裕泰(「カルテット」『いま、会いにゆきます』『罪の声』)
- - -

あなたは思い出しますか?

二人で過ごしたあの部屋と時間を、
ベランダからの景色を、
川辺の帰り道を……。

すべての恋の思い出に捧ぐ、珠玉のラブストーリー。


はじまりは、終電だった――
東京・明大前駅で終電を逃し偶然に出会った山音 麦と八谷 絹。
人生最高の恋をした、奇跡のような5年間を描く、
映画『花束みたいな恋をした』より、ノベライズ、発売。

小説で、あの感動をもういちど。

感想・レビュー・書評

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  • とってもさくさく読めた。
    出会った頃の感覚をずっと持ち続けるのって難しいし、片方だけできていたらそれはすれ違うよなぁと…
    ただこんなに趣味や感性が合っていたのにもったいないと思ってしまう部分も…
    ずっと一緒にいるために必要だと思うことを擦り合わせるのはとても難しいし、ただ良い思い出に昇華できている素敵な恋だなと感じた。

  • 坂元裕二氏の作品はどの作品も素晴らしいけれど、これも良かったですね。

    細部に渡り見事な描写でした。
    いろいろ考えさせられてしまう感じで…。

    学生から社会人になる過渡期の時の流れで、若い時代の恋。

    恋をして相手にのめり込むと、自分の本音も言えなくなるし、だんだんとそれは相手に対する気持ちまで、ついには……という悲しい結末でした。
    社会人なりたての大変な時期は、
    お互いに自分の事だけで、いっぱいいっぱいになって相手とのズレに気がつかないまま
    ストレスだけ積もらせていってしまうこと
    ありますよね……
     

    若さゆえの恋で、花束みたいな恋は
    いつまでも心のなかで咲き続けると思いました。

    きのこ帝国の「クロノスタシス」
    声の感じ、雰囲気、歌詞がなんとも…
    この映画によく合う‥‥

    心に響いて残りました…

  • いろいろあったなぁ〜と自分のことを思い返しながら夫と結婚できてよかったなぁと改めて思いました。
    お互いのことが好きだからこそ、大切にしているからこそ生じてしまうすれ違いが読んでいてとても切なかった...涙。麦くん、よかったなぁ。

    映画をまだ観たことがないので是非観たいと思います!

    好きな人に花の名前を教えると...のくだりは、有川浩さんの植物図鑑にも出てきたなぁと思い出しました。私も教えておけばよかったかな?
    夫に⇧のことを伝えたら俺に花の名前を教えてもきっとすぐ忘れちゃうよ...って(><)一気に現実に戻されました。

  • 大人になるってどういうことだろう。子どもの時みたいに身の丈に合わない夢を見ることがなくなって、毎日会社に行って仕事をして、休みの日は少しゆっくり眠って平日にできなかった家事をする。理想を追いかけることよりも現実に追いかけられることが多くなって、責任、地位、締切、お金、とにらめっこしながら1日が終わっていく。朝まで飲むなんてバカなことは滅多にしないだろうし、ぼーっと何かを考える暇なんてなくなるのかもしれない。でもそれでいいのだろうか。家庭を持つこと、家族を支えること、仕事で成功すること、それは素晴らしいことだと思う。だけど、自分の中に余白がない人生は嫌だなと大学生の自分は思う。何歳になっても好きな本や好きな映画を心の片隅に持っておきたいし、そんな話を誰かとし続けたい。とりとめもなく生産性もないかもしれない。でもたぶん人を豊かにするのはそんなゆとりの時間だと思う。人は変わっていく。歳を重ねて、立場が変わって、暮らしが変わって、守りたいものができて、大切なものが増えるほど失うのが怖くなって、自分が何者か何のために生きているのかわからなくなる瞬間がこれからきっとたくさんある。そんな時にこの本を読みたいと思う。お金がなくても好きなものを好きだと言えることを、とりとめのない話をする相手がいるだけで最高の朝を迎えられることを、それを忘れた時には自分にとって大切でかけがえのないものが自分の手の中からなくなってしまうということを。

  • 女の子に花の名前を教わると、男の子はその花を見るたびに一生その子のことを思い出しちゃうんだって。

    花はいつか枯れる。だけど枯れてしまっても、そこに美しい花が咲いていたことは忘れない。

    坂元裕二さんのお話はたくさん固有名詞が出てくる。
    それが何よりもリアリティを生み、親しみを持て、登場人物が好きになる。

  • 映画は見ていないですが、ノベライズということで映画も
    見たくなりました。
    何がいいのか。 言い回し?表現?構成?ストーリー?
    上手く説明できませんが、何か良かったです。
    読んでいて頭にスっと映像が浮かんでくるのは
    何かすごいな〜と思いました。

  • 映画にどハマりして、ノベライズも友達に借りて読んだ。映画に描かれていない心理描写がところどころにあるのだけど、一番笑ったのは、ミイラ展で「感想も出ないっていうか、、」と言う麦の言葉は、ミイラではなくミイラに興奮する絹に対してのものだったというのこと。相手の好きなものに興味を持とうと、重ねる小さな嘘。誰しもが、覚えがあるのではないだろうか。ミイラ展のホームページを開いたまま寝てしまう麦くんが健気で、映画でもとても好きなシーン。
    最後のファミレスで抱き締めあった2人は、私には恋人ではなく一緒に日常を分け合った運命共同体として、素敵な夜も悲しい夜も、独りと思った夜でも、一緒に越えた2人としての抱擁に見えた。2人で小さく熱く震えたあのシーンが、ノベライズを読んでまた瞼の裏に浮かび、思わず目頭が熱くなってしまった。
    自分の片割れにサヨナラを告げて、また新しい暮らしにそれぞれが戻っていく。でも、2人の日常は確実にそれぞれの人生の一部として刻まれた。
    なんだか最終的に映画の感想になってしまったけど、ノベライズを読んで映画での小さな発見を増やすことができたので読んでよかった。あと、まだサブサク等で解禁されていない(当たり前)けど、脳内再生することができて、また余韻に浸ることができる。

  • 付き合う前のドキドキ、付き合い始めのワクワク、すれ違いのモヤモヤ。恋愛の始まりから終わりまで様々な場面に当てはまる箇所が多かった。たくさん傷ついて泣いても、やっぱり恋は良いな〜。


  •  映画も観たんですが、読んでみてやっぱりこの作品好きだなあと思いました。人のかっこ悪いけど愛すべきところが全部詰め込まれてる感じ。
     映画の中でも心情は結構描写されてたんですけど、本はより詳しく描いてあってああここはそう思ってたのかと気付くところも多かったです。

    カッコ悪いけど私もまた人と違うことがかっこいいと思ってしまうことが多い。好きなものを聞かれて世間一般の人が知らない歌手や映画を答えてしまうところとか。
     また何年後かに、今度は共感じゃなくてくすぐったい気持ちで読めるような人間になりたいです。
     
    p42「全然普通ですよ。いしいしんじ、堀江敏幸、柴崎友香、小山田裕子、今村夏子、円城塔、もちろん小川洋子、多和田葉子、舞城王太郎、佐藤亜紀」
      全然普通ですよに、マウンティングの意味合いが込められてる

    p90ふふふと笑う君の横顔見ていて、僕は君を泣かせたりしないよと麦は心で誓った。

    p122「よかったよ、ほんと。これでも、絹ちゃんとずっと一緒にいられる」麦がさらりと言った「ずっと一緒に」と言う言葉に、絹は(え?)と思った。
      今になって気づいたけど絹と麦って対比の名前なのかしら。全く違うことはないけれど根本的に大きく違う2人。

    p138その夜、ベッドに腰かけてすまほーを見ていた麦が「映画面白かったね」と言った。目はスマホに向けられたままだった。

    p153「でもさぁ、それは生活するためのことだからね。全然大変じゃないよ。好きなことが生かせるとか、そういうのは人生舐めてるって考えちゃう」結局は絹への批判だった。嘲笑するような麦の良い方に絹は腹が立つ。好きなことをして何が悪いのか。2人で暮らしているのも好きだからじゃなかったのか。

    p182あの若いふたりは今咲いている花だ。花はいつかかれる。だけど枯れてしまっても、そこに美しい花が咲いていたことは忘れない。

    p189 2人が久しぶりにすれ違った日の夜のこと、絹は過去の思い出を振り返り、麦は別れたその後の絹の気持ちを推し量ろうとしている。
     付き合っていた頃とは真逆で悲しくなった。


  • ノベライズから先に読んでしまったので
    展開の安っぽさは拭えず…。
    完全に順番を間違えたと思う。
    映画を観てから読むべき作品なのかも。

    男女がすれ違っていく様は写実的で良かった。

    この内容を映像で見られたらもっと自然で
    もっと感情的に見られるだろうと感じたので
    ぜひ、映画も観ようと思う。

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著者プロフィール

脚本家。ドラマ「東京ラブストーリー」「それでも、生きてゆく」「最高の離婚」「わたしたちの教科書」「Mother」「Woman」「カルテット」等、向田賞ほか受賞多数。映画、舞台でも活躍。海外でも高い評価を得ている。

「2022年 『初恋の悪魔 2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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