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- Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
- / ISBN・EAN: 9784899980308
感想・レビュー・書評
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様々な哲学解説本はあれど、この本は3本の指に入るぐらい、分かりやすかったのではないかと思います。
入門書なので、今も論争のある部分を断定的に書いていたりするところはあると思います。ただ、フーコーの「性の歴史」や「監獄の誕生」「知と権力」に触れるには格好の本ではないでしょうか。
フーコーに関しては、フーコーの人生の歴史が、フーコーの学説を読み解く鍵になっているような気がします。その意味でも、人生を辿る記述があるのはとても有意義です。
とりあえず、この中から1つでもフーコーのことをつかめれば、次の本が読みやすくなるのではないでしょうか。
ちなみに僕はやはり、知と権力の関係の記述に目からウロコでした。知と権力の関係。分類と権力の関係。知と分類の関係。ここにしぼって、精神病をこえて社会福祉全体を考えてみるのもよいのではないでしょうか。
「フーコーは指摘する。狂気だけでない。他の場合もそうだ。どのような知の体系であれ、それがあらわれるときには必ず知の体系のシフトが伴っている!患者の役割や心理学の話は一つの例にすぎない。経済学でも社会学でも同じである。科学ですら、例外ではない。一つの知のシステムの登場や発展には必ず権力(パワー)のシフトが伴っている!」(p46)詳細をみるコメント0件をすべて表示