うたかたの恋と墓泥棒

  • ネオテリック
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784900845565

感想・レビュー・書評

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  • 宝塚の舞台であったり、オードリー・ヘップバーンさんの映画であったり、既婚の皇太子と若くて美しい男爵令嬢の悲恋として扱われるマイヤーリンク事件。

    しかし「うたかたの恋」の実態は、月曜日に旅に出ようと令嬢を誘った皇太子には妻以外にもたくさんの愛人や30人以上と言われる非嫡出子がいて、マリーと旅に出る前夜もそのなかの一番のお気に入りの高級娼婦と過ごしていた。

    本作は、20世紀になってからマリーさんの墓を暴き、遺骨を盗んで鑑定にかけたマイヤーリンク事件にのめり込み過ぎたフラッツェルシュタイナーなる家具商人と彼から相談を受けたジャーナリストである著者が「ルドルフがマリーを銃で殺し、自らも銃で後追い自殺した」という定説等を検証していくお話でした。

    日本で言うところの太宰治さんみたいなもので、なぜマリーさんだったのか、なぜ亡くなったのかについては、いつまでも色々な説が出てくるのでしょうね。

    一緒に死んだ相手が一番好きだったとも限らず、人生って舞台や映画のように一本筋が通っているとも限らないのだなぁ…と思いながら、興味深く一気読みしました。

  • 帝政オーストリアで皇太子ルドルフと情死したとされている男爵令嬢マリー。その墓を暴いて彼女の遺骨を盗み出した、マイヤーリンク事件の熱狂的“ファン”でも、真相を完全に明らかにしたとは言い難い。ただ皇太子の人となりについては、脚色の多い舞台化作品からは見えなかった部分に触れる事が出来た。

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