太郎さんとカラス

著者 :
  • ケイツー
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本棚登録 : 37
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901006651

感想・レビュー・書評

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  • とても良い本
    岡本太郎がカラスを飼っていたのは
    結構知られた話ではあるが、
    太郎氏とカラスについて、また影響が見える作品について
    まとめられた本。

    ちなみに、カラスを飼っていたのは
    太陽の塔を製作した時期なので、
    1970年前後ではあるが、
    その時期はすでに野生鳥類の飼育は
    禁止されている
    (限定的な鳥種では飼育が許可されていたが)。
    太郎氏のカラスは、
    別の人が巣から落ちたカラスの雛を拾ってきて
    育てたものを譲り受けた、
    というようなことが書いてある。
    当時でも、確か違法ではある。
    許可を得ていればいいんだが、その辺の言及はなし。
    ゆうてもブトもボソも狩猟対象種なので、
    狩猟許可を持った人が、
    捕獲してさらに飼育許可を申請していれば、
    保持できる。
    他にも、怪我などの緊急理由で保護し、
    その土地の都道府県知事の許可を得られれば
    飼えんこともない。
    ただ、昭和の頃、
    そこらへんの違法行為はずるずるだったらしい。
    今でも知らず(かどうかはしらんが)に
    違法飼育している人も、ネト上でみたりする。
    ていうか、知っていて自分の違法行為を
    ネットで晒す人もおらんかとは思うが。

    ともかく、
    昭和のヤヴァイころのヤヴァイ芸術家の
    ヤヴァイペット事情ではある。
    しかし、この太郎の愛したカラスが
    日本の芸術に与えた影響は計り知れない。
    もう、太郎氏もカラスのガア子も亡くなって久しいので
    時効ということで。

    ガア子については
    最初は舌が赤い、口の中が赤い、
    などと書かれているので、
    かなり幼い頃に飼われはじめたのが窺える。
    対談の後日談で、
    嘴をあけさせてよく見たら、
    黒い舌があった、と連絡があったらしい。
    これは、単に成長したので、口腔内が黒くなったのでは?と
    思うのだが。
    芸術家の眼差し、というのはすごいと思う反面
    科学的ではないというのもわかるエピソードではなかろうか。

  • 太郎さんはカラスを飼っていた。…というより一緒にいた。

    長野県のスポーツランドにモニュメントを創るために何度も通っていたとき、巣から落ちた子ガラスを太郎さんがもらってきました。赤ちゃんガラスのくせに、獰猛で真っ赤な口をあけて威嚇するように鳴く。その様子がいかにも憎たらしくて気に入ってしまったのです。

    カラスや動物に関する太郎さんの短文を中心に、カラスと一緒に写った太郎さんの写真がちりばめられています。その太郎さんの表情がとてもいいのです。一般によく知られている、「芸術は爆発だ!」の目を見開いた、挑むような、今にも掴みかからんとするような表情ではありません。無邪気でやさしく、幼なじみとでも会話しているような、ほのぼのとした雰囲気が伝わってきます。敏子さんはそんな太郎さんを皆さんに知ってもらいたいと、この本を作ったと書かれていました。

    太郎さんは本当に魅力的な人です。改めてホレ直しました。

  • 太郎さんもカラスが好きだなんて知りませんでした。あんまり共感してもらえないけれど、カラスってとっても可愛いんです。太郎さんの側に来てすりすりするのとかすっごいよくわかります。そういえば以前に一度、チャリンコこいでる私の頭を連れ去ろうとしてくれました。多分私のことを好いていたからに違いありませんよね。それからというもの井の頭公園とか行くと相思相愛なんだよ、ってつい話しかけちゃうんです。

    話逸れてしまったのだが、カラスに重なる岡本太郎の人間観が興味深い一冊だった。

  • 無邪気じゃないと芸術家になれません。素直でないと芸術家にはなれません。なので、うちはなれなかったのかなぁ⁉️

  • 岡本太郎さんのオバケ東京論を起点としてスタートした、佐藤朋子さんの、レクチャーパフォーマンス「オバケ東京のためのインデックス」において、この本の存在を知る。
    興味深い。

  • 岡本太郎は自由で自立したカラスを愛し、自分の生き方に重ね、自宅で飼っていたという。果たしてどのような飼い方をしていたのか本書を手にとってみると、親羽根を切って(しかし高所から降りられなくなるので)足輪と鎖をつけて飼っていたそうだ。昭和的な飼い方に少しがっかりした。しかし、ペットの犬や猫と違って、甘えるけれども媚びないカラスの生き方に惹かれていたそうで、その点で共感を覚えた。カラスと遊ぶ岡本太郎の姿は、自然体で楽しそうだった。

  • 岡本太郎はカラスを飼っていましたとさ。
    ふしぎなきもちになりました。

  • またひとつみかたがかわりました。

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