左手の証明―記者が追いかけた痴漢冤罪事件868日の真実

著者 :
  • ウィズワークス
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901491662

作品紹介・あらすじ

ごく普通のサラリーマンは通勤途中に逮捕され犯罪者にされた-。記者が追いかけた、痴漢冤罪事件868日の真実。

感想・レビュー・書評

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  • 電車に乗るのが怖くなりました。満員電車なんて絶対に乗れません。痴漢冤罪にあってしまうと、本人はもちろん、その家族までもがヒドい目にあってしまうということがこの本で伝わった。それにしても警察の杜撰な捜査は何なんだろう。読んでて腹立たしさしかなかった。取り調べの可視化は必要なんだと改めて思った。

  • 妹から借りました。
    痴漢冤罪の話です。
    痴漢と冤罪ってあまり結びつかなくて。今まであまり真剣に考えたことはなかった。
    この本を読んで。どちらが正しいのかはしっかり見定めなくちゃならないんだと思いました。
    疑われた人の、人生はとっても大切で、その人の家族や友人、親戚までも巻き込まれてしまうんだと、改めて考えさせられました。
    テレビのニュースや新聞で痴漢とみると、ああ・・・と思うだけで、それだけの重みだったが、それだけでどれほど苦しいかが見えた気がした。

    友達と痴漢対策は安全ピンだと準備したことはあったけど、実際は怖くてなにもできずじまいだった。
    「痴漢です!」っていう勇気があるなら、たぶんこの人だ!じゃなくて、しっかり見据えて確信のもとじゃなくちゃだめだ。

    一番は痴漢をする人がいなくなればいいだけなんですけど、ね。

  • (推薦者コメント)
    タイトルが全てを物語っている。痴漢冤罪裁判の全868日。

  • いろんなことを知れた!

  • まず、驚いたのが痴漢として駅で逮捕、拘束、そして留置所での拘留までのスピード。被害者の証言が最重要証拠となる痴漢事件とはいえ、容疑者がこんなにもあっさりと日常生活と家族から隔離されるのか。保釈もなかなか認められない。「容疑者」とは「疑いのある人間」という意味のはずなのに。

    もっと驚きなのは警察の捜査に対する姿勢。これっぽっちも冤罪の可能性を考えず、被害者の証言は完璧であるという根拠のない自信だけ杜撰な捜査。

    結局、この事件は捜査の不備を立証しようとした1審では被告人が敗訴。2審では被告人の左手がふさがっていたことを立証することにして勝訴。

    これで、2年半にも及ぶ裁判活動は決着したが、何の爽快感も残らない。勝って当然。こんな当たり前の判決のために、多大な労力と時間を強いる司法制度に虚しさを感じる。人生を狂わされた被告人とその家族を思うとやりきれない。警察と裁判所は被告人にどのような賠償と謝罪をしたのだろうか。

    つまるところ、痴漢冤罪に巻き込まれてしまうことの恐ろしさとは、無責任な警察対応に当たってしまうということだ。

  • <07/7/22〜23>

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著者プロフィール

序章・第三章
所  属:立教大学文学部准教授
専門分野:北欧中世史、西洋中世史
主要著作:『辺境のダイナミズム(ヨーロッパの中世三)』岩波書店、二〇〇九年(薩摩秀登・林邦夫と共著)、『アイスランド・グリーンランド・北極を知るための六五章』明石書店、二〇一六年(中丸禎子・高橋美野梨と共編著)


「2016年 『北西ユーラシアの歴史空間』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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