- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784901998819
作品紹介・あらすじ
都市に住む人々の意識下には、いつまでも海と砂漠がわだかまっている。街を見ることば、街を想うまなざし。詩と写真でつづる「東京」の半世紀。
感想・レビュー・書評
-
東京では空はしっかり目をつぶってないと見えない… 東京では夢はしっかり目を開けてないと見えない……谷川先生が半世紀に渡って詠み続けた東京の街を自ら切り取った風景の写真とともに編纂されたアンソロジー。
憧れをトランクに詰めて夜汽車で目指す街でもなく花の都でもないただただ誰にでもある故郷としての東京がシャープなコントラストの「ことば」でページに焼き付けられる様は圧巻で最早感想云々を語るのが愚に思えてくる程の存在感。
文壇の巨人が街を見ることば、街を想うまなざしを存分に堪能し給へ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
谷川俊太郎さんは、著者の写真を見て相当な頑固者だろうな(失礼)と思っていたけれど、やっぱりなんだかこじらせているような気がする。
怒りと失望と期待とをない交ぜにして、思いを書き連ねる。ショートショートよりも短く、俳句よりも長く、形にとらわれないその詩は、坦々と思考を言語化し、言葉は谷川俊太郎のフィルターを通した世界を形作る。
小さな愛があり、大きな世界の変化があり、その中の中途半端な人間模様は、モノクロのフィルムが良く似合う。
東京という箱は変わっても、中にいる人の思いはあまり大して変わらない。昔から怒りや失望や期待は変わらず、そしてそれらが氏の世界に永遠性を持たせる。ただ時の流れだけは、どんどん速くなって、人はそのスピードについていけなくなっているからこそ、時を切り取った写真や詩をもう一度見返す余裕というか気持ちがとても大切なことなのだろうと思う。 -
谷川俊太郎さんの写真(しかも50年代、60年代の!)と詞がなんとも素敵な感じをかもし出しています。
詞は写真と同年代のものもあれば、いつの時代か分からないものもあり、なんとも不思議な気持ちになります。
離婚届っていう詞が、記憶にしっかりと残りました。 -
「東京」という題材で著者が書き連ねた(主に昭和時代の)詩を集め、編集した作品。本作品には著者自身が撮影した東京の写真や、この本を刊行するにあたって書き下ろした「東京リミックス」という新作の詩も掲載されている。詩を読み終えると次のページに写真が、章をごとの締めくくりに「東京リミックス」の詩が現れる。多くの詩に句読点がないように著者の詩にも句読点はない(ちなみに僕も詩に句読点は必要ないと思う)のだが、写真がこの本全体においての「読点」、「東京リミックス」が「句点」のように詩集全体にリズムを与えている。普段、詩集を読まない人でも、東京、昭和、モノクロ写真が好きな人は心惹かれる詩がいくらかあるはず。僕にもありました。
-
BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー“本屋総研”で登場。
http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/highlight/07.html
今回は、B&Bで探す、「カフェネスカフェで読みたい本」
カフェで読むとしたら、これがいいですね。と小山薫堂さんが手に取ったのは、谷川俊太郎さんの「東京バラード、それから」
嶋さん「カフェで詩を読むって、いいかもしれないですね。」
小山さん「東京のど真ん中で、東京をテーマにした詩集を読むと言うのは、いいと思います。
原宿ブックカフェ公式サイト
http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/index.html
http://nestle.jp/entertain/bookcafe/teaser.php -
変わらないクオリティの高さ。
-
谷川俊太郎さんの詩集です。
40年前の「東京バラード」に
その後のものを加えて、
「それから」になる。
昭和20年代~30年代に
自ら撮影したモノクロ写真が
多数掲載されています。
詩とモノクロ写真、
ゆっくりと読み、
じっと写真をみる。 -
1952年から2009年までの詩集から抜粋された詩篇の数々。過去に書かれた詩、近年書かれた詩がアトランダムに連続して編まれている。決して色褪せない言葉の力と言葉から広がる無限の世界。素晴らしい一冊。
-
谷川俊太郎の詩集。自身による’50-60年代の写真がものすごく良い。