- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784902943696
作品紹介・あらすじ
亀岡拓次、37歳、独身。職業・俳優(主に脇役、ハリウッド作品の出演経験あり)。趣味:さびれた飲み屋で一人お酒を楽しむこと。現在の願望:恋をすること-。
感想・レビュー・書評
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主人公の情けなさ・せこさが愛おしい。安田顕さん主演で映画化されているようなので、観てみたいです。「生きるって恥ずかしいことなんですね」が、やたら滲みます。同じような失敗を繰り返しながら、自分に与えられた役を肩に力を入れずに、こなしていく拓次がいいですねえ。
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亀岡拓次、37歳、独身。職業・俳優。趣味・さびれた飲み屋でひとりお酒を楽しむこと。現在の願望・恋をすること…。熱くもなく冷めてもいない俳優・亀岡の、説教臭くない確かな日常を描く。
情けない男がいつも主人公の戌井作品。本作もその路線に違いはないけれど、キャラが凄く立っていて全く飽きさせない。読み終わってから2016年に本作が映画化されたこと知った。続編も出ているようなので、機会があったら読んでみたい。
(B) -
「あっあっあ。ハローハロー。アイアム、カメオカタクジ、ジャパニーズアクター」
ー亀岡拓次
俳優 亀岡拓次が何故
名バイプレイヤーと呼ばれるかがわかる。笑 -
安田顕主演の映画で気になって原作を読むことにしました。主人公の脇役専門であるが味がある独身中年役者の亀岡拓治のエピソード短編集なのですが、どのエピソードも寅さんチックな話で哀愁がただよう内容で非常に面白かったですね!
早速、続編もあるようなので読んでみようと思ったのと、映画も観に行きたい!と思いました。 -
映画化されるということで。
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凄く面白かった!!いい加減さの中に、どうしよもない人間臭さが滲み出る亀岡拓次の不思議なかっこよさ。会話の合間から漏れ出る笑いを楽しめた作品は久々な気がします。ぜひ続編を期待します!!
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最近衝動買いした一冊。戌井昭人さんという作家さん/俳優さんのことは、不勉強で何にも知りませんでした。
完全現代を舞台に、あまり売れないけどそこそこ売れてる映画系の俳優さんが主人公。
特段ドラマチックなことはなく、という連作短編なんだな、ということは店頭で確認。
読んでみて、まあ、まあまあだったかな・・・という印象。
でもこれ、主人公の職業がちょっと自分に関係があるから、というだけの話で。
小説として、でいうと・・・うーん。
簡単に言うと、淡々と日常があって、出会いがあって、ちょっと切なかったりして。
基本的に主人公さんは中年の売れない俳優で独身でその日暮らしだから、そういう哀愁とか孤独感とかあって。
多分その裏返しに、暮らし自体からデカダンな味わいがあったり、どこか狂気を孕んだような佇まいがあったりなんだろうなあ、と。
だけどそんな仕事でそんな暮らしだけど、もちろん淡々と日々は過ぎていくわけで。
ちょっとした出会い、奇妙な仕事、わけのわからん監督、などという出会いや淡い恋がつづられます。
例えば1篇、高倉健さんを思わせるような大物俳優と現場を一緒にやって、楽しかったし、人柄に惚れた、というお話があるんですが。
それなんか、ほんとに、それだけのことなんですよね。
うーん。
そういうなんていうか、平べったく起伏のない日常のアンチドラマ性みたいな味わいと、その中にある「孤独のグルメ」的なディティールしかないような味わい。
で、全体に俯瞰して観るようなユーモア感覚。
ということが好きな人には、じわっとぐっとくるんだろうなあ、と思いました。
ただなんか、それなりに色々歳を取って、本も読んできた身としてはなあ。
なんだか「ちょっとこういうのもいいかなって思って書いただけですから。大げさな期待するんなら余所をどうぞ」みたいにスカされた感じがしちゃって。
別に何も起こらなくても良いんですけど、それで何を刻みたかったのか。みたいな、情熱があまり感じられなかった・・・。
なんていうか、孤独感、疎外感、反体制的な身振りの生き方、それを淡々と続ける諧謔、みたいなことなんでしょうかね。
それが、「とにかくアンチ」というマイナス無方向の情熱なんであれば、もっと訳のわからん全方位方向に、それこそ吐瀉して噛みつくような男の話になるほうが、面白そうだけど。
きっとそういうところまでいけないレベルの・・・中途半端な日常と安定に、端坐している精神、みたいなことを面白おかしく、ちょっとした哀愁を込めて描写したかったのだろうか。
だとすると、それって実は、とてもありふれたことなんだよなあ・・・と。
一見ドラマチックな日常を送って良そうな職業の人の日常を見つめると、ものすごくありふれた精神風景が広がっていました、ということですかね・・・。
ところがどっこい、そこに何かしら、市役所職員とか銀行マンとかには無いような、ナニカが溢れている・・・と、思っている作者の息遣いが感じる気がしちゃうんですよね。
そう感じ始めると、淡々とユーモラスに語っているように見える向こうに、何かしらかの傲慢さが透かし見えて来ちゃう・・・。
まあ、僕の考え好き、勝手な感じ方なんでしょうが・・・。
あるいは、単純に小演劇的な屈折と他者否定と暗号的了解の仲間感覚ベースの自己愛みたいなものを、僕が感じすぎちゃうのかも知れませんね。
戌井さん自身は、どうやら芥川賞あたりは取ってしまいそうな感じですが、
ほかの小説は面白いのかなあ。
小説中で繰り広げられる、低予算映画の世界の気持ちの持ちようとか、架空映画のタイトルとか、そういうのはかなり、楽しめました(笑)。
そういうとこは、やっぱり小演劇の味わいでしたね。 -
味があると言うにはあまりに情けなくて、個性的。でもそこがなんだか魅力的。だから監督(若手からベテランまで)愛されるのかも。
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ニヤニヤしちゃう。バイプレーヤーはかっこいいです。