- Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
- / ISBN・EAN: 9784903342870
作品紹介・あらすじ
2012年出版『素粒子論のランドスケープ』の続編。
その後、50年前に予言されたヒッグス粒子が発見され、100年前に予言された重力波が直接観測されて宇宙に新しい窓が開いた。
超弦理論の研究でも、量子情報理論との深い関係が明らかになりつつあり重力の謎の解明に新しい角度からの挑戦が始まっている。
その間、著者が科学的アウトリーチの一環として雑誌への寄稿や対談・座談会の中から厳選をしてまとめたのが本書である。
素粒子物理学はどこへ向かうのかを探る。
感想・レビュー・書評
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著者が様々な雑誌や対談で、収録された記事をまとめた1冊で「素粒子論のランドスケープ」に続く第2弾。
購入はだいぶ前にしたのだが、前著からなぜか手付かずで読めていなかった。最近時間が取れたので、何気なく手にとって読み始めたら、面白くて一気に読んだ。本書は前回あった星3つの記事がなく、割と楽に読めた気がする。
重力や超弦理論の話は割とお馴染みで、先生の著書をいくつか読んでいるものとしては大体聞いたことのある内容だったが、印象に残ったのは、評論家の三浦さんとの対談と第Ⅴ部のWEBRONZAの記事だった。三浦さんとの対談ではあまり目にしたことのない宗教や日本的思考に対する考え方が見られた。
また第Ⅴ部では、Caltechの入試について、本当に学生たちの教育に責任を追っているのだなと伝わって来た。アートとサイエンスについての鼎談やボイジャーの話、ワインバーグの著書を引用した歴史の考え方は、どれも非常に興味深かった。
本書の記事から、物理学者としてだけでなく、様々な面から大栗先生のスケールの大きさというか人間的深みの様なものが感じられた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
専門を持つ人はかくも揺るぎないのか、という感慨を抱いた。ブラックホールと量子ゆらぎ、ボイジャーの太陽系脱出、アメリカの大学入試、ワインバーグの科学史観の論考が興味深い。
ウィッテンとの対談が激しく難しいことを除けば、1よりも読みやすい。