サービス発展途上国日本: 「お客様は神様です」の勘違いが、日本を駄目にする
- オータパブリケイションズ (2009年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
- / ISBN・EAN: 9784903721187
感想・レビュー・書評
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元ホテルマンの著者が、日本のホテルの問題点について提言する。客に対する行き過ぎたホスピタリティが就業者を苦しめ、定着率を下げ、その結果ホテル業界自体の発展が妨げられている、という。では、どうすればよいか。ホテルは、利益の最大化を目指すべきで、その結果として利益を損なわない範囲でのホスピタリティを提供すべきである、ということが解。 このことは、非常に普通のことであるし、日本のホテルでも、このことは普通にわかっているはずである。ホスピタリティの問題においても、以前は、これが利益を生み出す手段であったはずである。しかし、いつしか手段は目的に変わってしまい、これ自体が業界の発展の重しとなった。 このようなことは、どこの会社、どこの業界にもありそうなことである。ビジネスパーソンは、手段と目的の錯誤を常に意識し、行動しなければならない。簡単そうで非常に難しい、この行動指針を改めて認識させてくれるという意味において、本書は非常に役に立つ。
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一言で言うと、日本のホテル経営に対する提言が詰まった本である。
・著者がアメリカに渡り、上司(会社)の期待に応えられなかったとあるが、その時の気持ちはどうだったろう。
・海外のホテルではマーケットミックスをしているらしい。マーケットミックスとは偏ったセグメントのみに依存してしまうと、そのセグメントがダメになった時、ホテル経営が危うくなる。日本のホテルでもやっているのだろうか。顧客を分散する余裕はあるのだろうかと思った。
・これからのゲストより、リピーターに金をかけるべきというのは共感。
・日本にもユニオンはあるのだろうか。
・複数の働きがいを持つ
・日本のホテル従業員の低賃金の対策としてチップ制を提案しているが、はたして今の日本文化になじむかな。具体的な導入については言及されていない気がした。