- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784903841120
作品紹介・あらすじ
内気な、漫画家志望の少年が、14歳で伝統芸能の人形浄瑠璃「文楽」に入門。長い、長い修業の日々を通して、"一人前の人形遣い"に成長するまで-いまに受け継がれる日本人の仕事の流儀。
感想・レビュー・書評
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文楽人形の主遣いが、文楽の世界に入ったきっかけや、修行中の苦労、仕事について語っている。
人形に宿る力の話が興味深かった。
朝、目が覚めると指や、体のあちこちを動かせるか確認するという話が強く印象に残った。
手伝いの延長から文楽の世界に入ったが、文楽が好きでなければ、長い長い修行時代を過ごすことはできないだろうなということは想像できた。
エッセイ形式で、何かに綴ったものをまとめた本のようで、時系列が前後したりするが、読んでいると、職人でなくても、著者が言うように1日1文字でも学び、無駄にせず、精進せねばという気になった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「一日に一字学べば三百六十字との教へ。」しみじみと、とてつもない言葉だと思います。
当たり前にわかりやすい言葉なのかもしれないけれど、実行し続けることのできる人はそうはいないのではないだろうか(私は…できていない)。
文楽には、機微や振舞の在り方が詰まっているんだな、と感じます。 -
文楽での人形遣いをみていると、社交的で積極的な方かと思いきや、絵をかくのが好きなシャイな方だというのでびっくり。何気なくみている人形を動かすにあたっての苦労や精進が垣間見え、次に文楽を見るのが楽しくなりそうです。
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大好きな人形遣いの勘十郎さんの本なので、一気読み。
何かに秀でてる方と言うのは、やはり生き方が違うなぁとしみじみ思います。
参考にして、私も頑張ろう!
と思わせてくれる、ということは、この本を作った方々の意図は成功ですね。 -
前著「文楽へのいざない」と内容が重複している部分は多いけれど、勘十郎さんの来し方がまとめられており又ところどころ思わず笑ってしまうエピソードなどもあって、最後まで楽しみながら一気に読めた。去乍古今稀なるテクニシャンの貴重な「芸談」が読める日は来るのだろうか。お役ごとの工夫やエピソードなど、纏めて下さったら望外の喜び。