一日に一字学べば……

制作 : 樋渡 優子 
  • 株式会社コミニケ出版
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本棚登録 : 36
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903841120

作品紹介・あらすじ

内気な、漫画家志望の少年が、14歳で伝統芸能の人形浄瑠璃「文楽」に入門。長い、長い修業の日々を通して、"一人前の人形遣い"に成長するまで-いまに受け継がれる日本人の仕事の流儀。

感想・レビュー・書評

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  • 文楽人形の主遣いが、文楽の世界に入ったきっかけや、修行中の苦労、仕事について語っている。
    人形に宿る力の話が興味深かった。

    朝、目が覚めると指や、体のあちこちを動かせるか確認するという話が強く印象に残った。
    手伝いの延長から文楽の世界に入ったが、文楽が好きでなければ、長い長い修行時代を過ごすことはできないだろうなということは想像できた。

    エッセイ形式で、何かに綴ったものをまとめた本のようで、時系列が前後したりするが、読んでいると、職人でなくても、著者が言うように1日1文字でも学び、無駄にせず、精進せねばという気になった。

  • 「一日に一字学べば三百六十字との教へ。」しみじみと、とてつもない言葉だと思います。
    当たり前にわかりやすい言葉なのかもしれないけれど、実行し続けることのできる人はそうはいないのではないだろうか(私は…できていない)。
    文楽には、機微や振舞の在り方が詰まっているんだな、と感じます。

  • 文楽での人形遣いをみていると、社交的で積極的な方かと思いきや、絵をかくのが好きなシャイな方だというのでびっくり。何気なくみている人形を動かすにあたっての苦労や精進が垣間見え、次に文楽を見るのが楽しくなりそうです。

  • 大好きな人形遣いの勘十郎さんの本なので、一気読み。
    何かに秀でてる方と言うのは、やはり生き方が違うなぁとしみじみ思います。
    参考にして、私も頑張ろう!
    と思わせてくれる、ということは、この本を作った方々の意図は成功ですね。

  • 文楽の人形遣い(きっとそのうち人間国宝になるはず…と私は思っています)の桐竹勘十郎さんの本です。つい先日出たばかり。ホヤホヤです。

    文楽一筋の人生を送って来られた勘十郎さんの、文楽の世界に入ったきっかけ、修行時代のあれこれ、文楽にかける思い、人形への思い、そして様々な挑戦、などが、
    インタビューが基になっているようなエッセイ風の文章で綴られています。

    内容はひたすら文楽のことなのに、とても読みやすくて、私たちにも身近に感じられるようなことが散りばめられているように思いました。

    ちなみに…勘十郎さんは、お祖父さんの代から3代続いての人形遣い。
    息子さんも、そろそろ主遣いで登場することが出てきた、まさに文楽一家です。(勘十郎さんのお姉さんは、関西のドラマや舞台でよく見かける「三林京子さん」)

    歌舞伎と違って、文楽の世界は、「世襲制」ではなく、「師匠」を「弟子」が継ぐことになっており、お父さん(先代の勘十郎さん)に弟子入りしていなかった勘十郎さんが名跡を継いでいるのは、異例(勘十郎さんのお師匠さんのこだわり)だったそうです。

    文楽をちょくちょく見に行き、勘十郎さんが遣う人形の
    姿が大好きな私には(勘十郎さんが遣う女性たちはものすごく女子力高いんです…)ちょっとした裏話も入っていて、その意味でも面白く読んだ本でした。

  • 前著「文楽へのいざない」と内容が重複している部分は多いけれど、勘十郎さんの来し方がまとめられており又ところどころ思わず笑ってしまうエピソードなどもあって、最後まで楽しみながら一気に読めた。去乍古今稀なるテクニシャンの貴重な「芸談」が読める日は来るのだろうか。お役ごとの工夫やエピソードなど、纏めて下さったら望外の喜び。

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著者プロフィール

【桐竹勘十郎・監修】  1953年大阪府生まれ。人間国宝の人形遣いの父・故二世桐竹勘十郎の長男。1968年に人間国宝の吉田簑助に入門、吉田簑太郎(よしだ みのたろう)を名乗り、翌年初舞台を勤める。2003年、父の名を継いで三世桐竹勘十郎を襲名。子どもたちのためのワークショップや海外公演に参加し、文楽を広めている。文楽協会賞、国立劇場文楽奨励賞、芸術選奨文部科学大臣賞、紫綬褒章、日本芸術院賞など受賞多数。様々な新作にも挑戦している。2013年4月より京都文教大学客員教授。著書に『文楽へようこそ』(吉田玉女共著/小学館)『なにわの華 文楽へのいざない』(淡交社)がある。

「2015年 『桐竹勘十郎と文楽を観よう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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