現代の超克 本当の「読む」を取り戻す

  • ミシマ社
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本棚登録 : 181
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903908540

作品紹介・あらすじ

現代日本の混迷を救うため、
気鋭の政治哲学者、批評家の二人が挑んだ、全身全霊の対話。
柳宗悦、ガンディー、小林秀雄、福田恆存、『近代の超克』…
今こそ、名著の声を聴け!

この本をめぐる私たちの対話から浮かび上がってきたのは、神の問題、霊性、科学や歴史の問題という、日本人が近代に置き去りにしてきてしまったものたちでした。そしてそれらは、iPSの技術や原発の問題など現代的なさまざまな問題と、分かちがたく結びついています。近代を「読む」とは、置き去りにしてきたことをもう一度捉え直すことであり、そこを読み解くことができなければ、現代的な問題を解くこともまたできないのです。
――プロローグより――

本書で「読む」主な本
『南無阿弥陀仏』『新編 美の法門』(柳宗悦)
『ガンディー 獄中からの手紙』(ガンディー)
『モオツァルト・無常という事』(小林秀雄)
『人間・この劇的なるもの』(福田恆存)
『近代の超克』(河上徹太郎、西谷啓治、鈴木成高、吉満義彦ほか)

感想・レビュー・書評

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  • 対話(往復書簡)を軸に、若松英輔と中島岳志が互いの位置から「近代の超克」を語りなおす。
    冷めた余裕を感じてしまった。
    若松も中島も単著のほうがより切迫した「叫び」がある。私はそれに感激した読者なので、少し寂しくなってしまった。二人の崇高な孤独が一体化し、ひとりの人間となって、民衆には遠く及ばない地へ安住してしまったような。そこに滾るような熱はない。
    批評家は宗教的にも思想的にも孤独であるほうが、言葉は言葉足り得る(作中でいうコトバ)のかもしれないと思った。
    でも、柳宗悦や井筒俊彦、吉満義彦、これから読みたい本にたくさん出会えた。そして「読む」という行為に強く背中を押してくれる言葉がたくさんあった。じんわりとした、永続的なあたたかさがある。

  • 2023I127 121.6/Na
    配架書架:A2東工大の先生のコーナー

  • 東2法経図・6F開架:121.6A/N34g//K

  • 日本人が近代に置き去りにしてきてしまった神や霊性といった問題を、柳宗悦・ガンディー・小林秀雄・福田恒存などのテクストから考えています。様々な論点が取り上げられていますが、多様な人々が共に生きていくことを検討している部分がとても好きです。(ぼうず)

  • 悲しみの秘儀に続けて入手したが、なかなか読めずにいたもの。
    多声だが、響き合うことで、一つのコトバとなっているように読めた。
    ガンジーにせよ柳宗悦にせよ、知っているつもりだったが、大きくその像を修正させられた。知らないわけで、そのようには読んでいないのだから。

  • 帯文:”今こそ名著の声を聴け!” ”現代日本の混迷を救うため、気鋭の政治哲学者、批判家の二人が試みた、全身全霊の対話。”

    目次:プロローグ、第一章 民衆と美 柳宗悦『南無阿弥陀仏』『美の法門』を読む、第二章 近代と政治『ガンディー 獄中からの手紙』を読む、第三章「死者」を生きる 小林秀雄と福田恆存を読む、第四章 近代の問い『近代の超克』を読む、あとがき

  • 14/10/03。

  • 保守の論理では不完全な人間がつくる世界は過去も現在も未来も、永遠に不完全。人間の理性には決定的な誤謬が損ざし、能力には限界が存在する。

    読む力がなくなったのは、物理的に書かなくなったkら。読むという行為は書くことで完結する。読むと書くということが十分に行われなくなると、人間は考えることを辞めてしまう。

    人は自分の考えが未熟であることは素直に認める。しかしその視座が誤っていることはなかなか認めたがらない。

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