成田亨作品集

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  • 羽鳥書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904702468

作品紹介・あらすじ

成田亨の仕事は「芸術って何だ」という
根源的な問いに肉薄する! ――村上隆(帯より)

ウルトラマン、マイティジャック、ヒューマン、バンキッドから、
モンスター大図鑑、特撮美術、後年の絵画・彫刻まで。
未発表作品、実現しなかった幻の企画案も含む、全515点一挙収録。

感想・レビュー・書評

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  • 成田亨作品集 | 館長室|海洋堂シマントミュージアムビレッジ
    https://ksmv.jp/room/20150305-5333

    真実と正義と美の化身、シン・ウルトラマン(羽鳥書店 矢吹有鼓) | 版元日誌・版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/nisshi1048

    成田亨『成田亨作品集』 | 羽鳥書店
    https://www.hatorishoten.co.jp/items/48111660

  • もうひとつの画集がプレミアだったので、この本は嬉しい

  • 40歳〜50歳の方は「怪獣」と聞くと、
    ウルトラマンやウルトラセブンを思い
    浮かべるでしょう。

    またその年代でなくても、小さい子を
    持つ親であれば、その子が怪獣に夢中
    になっているのを目の当たりにしてい
    ると思います。

    そのウルトラシリーズの怪獣のデザイン
    を担当していたのが成田亨氏です。

    各デザインには何からヒントを得て、
    その怪獣の外観を思いついたのかの
    メモが付いており、これが楽しいです。

    例えばバルタン星人はセミから思い
    付いたとか。ゴモラ(分かりますか?)
    は戦国武将である黒田長政の兜を見て
    インスピレーションを得たそうです。

    さらに怪獣だけでなく、主役のヒーロー
    のウルトラマンやウルトラセブンも
    デザインしているそうです。

    もはや日本のサブカルチャーの生みの親
    と言ってもよい成田亨氏のデザイン集
    です。

    世界に誇るべき一冊です。

  • ウルトラマンにはなぜ鼻がないのか?

  • 日本の特撮における怪獣、宇宙人のデザインの基礎はすべて成田亨氏がつくっていたようだ。ウルトラマンのデザインは試行錯誤し、究極まで単純化したものだった。

  • 美術
    TV

  • カネゴンとかバルタン星人くらいしか知らない自分でも楽しめた本、というか画集。怪獣以外の仕事も結構していたとは知らなかった。

  • 年月を感じさせない怪獣たちの格好いいこと。あのウルトラマンやバルタン星人etc.の生みの親、成田亨氏の作品をぎゅっと詰め込んだ作品集です。知ってる大人は身悶えし(私だけか?)知らない世代でも楽しめる素敵な本。この本のもとになる 昨年開催された作品展は、その作品数や内容においても素晴らしく圧巻でした。

  • 恥ずかしながら今ごろ初めて触れたけど、これほど先駆的な存在だったとは。緊張感に満ちたペン画のシャープさ、見るほどに不安になる異質性、大胆な発想、これがこんな早い時期に既に完成していたなんて。今まで自分はどれほどの「文脈」を見落としていたんだろう。

  • 完全燃焼の人生だった
    すでに存在する様々な形を流用しつつ、そこから意味を剥奪したり、転倒させたりしながら新しい形、価値をつくっていく点に成田デザインの本しつがあります
    本当のデッサンの修練は立体で学ぶしかない
    がラモン、ケムール人

    自分が怪獣のデザインに全力を投入したことは確かです。

    もしかしたらぼくの使命なのかもしれないとおもっています。

    人間が入っていることを意識させないこと
    動物等をただ巨大化させるだけではなく、オリジナリティを出すこと
    お化けにしないこと

    よいデザインをつくる条件は根底から問題を問いなおすこと。形にたいしてきびしくじぶんをとうことです。

    奇形かさせずに形の面白さを創出するてん

    わたしは彫刻家ですから形を基礎に怪獣を考えました。形の変形がわたしの怪獣といえます。

    真実を求める意欲の充満した絵を真実な絵、いいえというのだと思う

    作為に満ちたエモーションのないえは一喝された
    世の中の変化と要求をくみとる、積極的に他社製を導入する
    真の芸術ってなんだろう、恐らく無償の行為だろう?

    制約があったからこそそれを乗り越えようとする意思が創造性を高める結果に繋がっていったのではないか
    純粋に形の形としてほ翻訳をやる

    ただ言えるのは独りよがりになって自己満足することによって大衆と離れるのは違うのではないかということ

    一般的な価値観と自身の表現との間で終始苦悩したのが成田であった

    地面から立ち上がるような構造的なデッサン
    生命感や力の表現
    生活のために始めた特撮美術で先に評価されることにより成田の活動の軸足は徐々に特撮美術におかれることとなった。それは純粋美術と特撮美術との狭間で揺れる苦悩の始まりでもあった

    怪獣は妖怪とはことなり創造的でなければならない
    どんな困難にあっても健全な子供番組をつくるためにこの三原則は守ろうと思いました。

    そこで新しい活路を意外性に求めました。
     プロポーションの意外性、返信の意外性、登場の意外性などです、

    彫刻の石膏取りのめがたにふしぎな生命の影を感じます

    生物の部分から発送してもけっして生のままだすことは避け、イメージのなかではっこうさせて別の形にしました。 

    いずれにしても地球を攻撃に来る宇宙人は二面性をもっていなくてはなりません。
    かみかおにか。聖人かケモノか。美か醜か。写実か抽象か。そんなすれすれのところでかんがえたのが宇宙人のデザインだったように思います。


    しかし地球攻撃にくるほどの宇宙人は勇者に違いありません。星の国の武士、あるいはきしと思いたいのです。
    地球人にとっては悪なのだが、星の国からみたら勇者、その姿には不思議なかっこうよさがなければなりません。

    新兵器のデザインの発送のためには常日頃からいろんな本を読んでおくことが大切です

    ひとつの課題にたいして、にわか仕込みの資料収集でまにあうこともあるでしょうが、常時学んでいる人とは深みが違います

    もっともわたしは科学的知識に乏しいから大きく帰るほどの能力はありません。その代わり形を面白くする能力はあると思います。

    必要な要素は3つかんがえられた



    本を読んで本から逃げて空想してまた本に帰る。その空想している間にだんだん自分が描かなければならないものがわかってくるのです。

    必要な要素は3つ考えられた
    1美的要素
    2強いスーパーヒーローの要素
    3宇宙人の要素

    しばらくかんがえて2と3をみたせば1のうつくしさは自ら表現されてくるような気がした。
    わたしはものをつけたスーパーヒーローはつくりたくなかった
    メガネ、マントなどは一切身に付けずどんどんものを減らして単純化の極致がこのスーパーヒーローだと思い始めた

    単純化ほど難しいものはない

    単純化ばかりに気を取られていると機械的なものになって人間の魅力にかけてくる
    宇宙人といえども人間だとわたしは思っていた
    そのために人間の要素も残さなければならない

    素肌なのか宇宙服なのか武装なのかなんだかわからないものにしたかった

    首かたの意識を感じさせないものをつくろうとしました
    さかなの怪獣かはなかなかうまく行きません。
    デザイン的に造形的にうまくいかないのではなくて、完成フィルムの結果が見当がつくのがきがのらないのです。
    色々とかいてみたがといったデザインです。

    メフィラス
    怪獣怪物怪人ではなく宇宙人のデザイン開発を真剣にやりはじめた頃のデザインです

    改造怪獣のデザインはいつもきがのりません。

    人間は進歩はしないで変容して行くのだとおもっています

    スマートではない、不愉快な宇宙人を一度造りたかったのです。

    人が入らないものはデザインの幅がうんと広がるので好きです

    動物的な羽ではなく、機械的な翼でもない翼にしました

    やればなんとか新しい道が見つかるだろう、よし、やろうと思ったのです

    奇抜さを狙ってそらぞらしいものになるのを避けて
    ダイナミックで雄大で総会でそして不思議なリリシズムがこの企画の意図です



    俺は父の生まれ変わり、なら父のような模範的にカッコよく生きよう
    甘やかすな!!絵の仕込みのように今の期間は、きたる3.8へのショック緩和期間

    苦しみながら楽しいのです。

    彼は自問する、人がこんなに喜んでくれるならこれまで自分がなしてきたデザインこそが自分の仕事で彫刻は単なる自己満足なのではないか?

    描きたいものはなにか、それだけを描け、絵を作るなど必要はない
    という新年は一貫しておられた、だから作為に満ちたエモーションのないえは一喝された
    これからおれは何をしなければならないのか
    空虚でともすれば投げやりになりそうだったわたしの青春に灯として導いてくださった先生の死であった。
    あのくもあのうみ、は絵画でしか表現できない、自分ができる方法で描くしかない、描かずにおれない。生活はますます苦しくなっていく。しかし絵は描く。点の助けがあった。ウルトラで育った子供たちが今や20歳から30さい、社会で活躍し始めている。このわかものたちが少ない給料をためてわたしの絵を買ってくれる。夢のようだ。おれは今幸せだよと妻にいう。臆面もなく怪獣を、油絵の具で描く。今はおれは何やでもいい。かき
    たいものをできるほうほうでやるしかないと思っている。枠をはずすと楽になった。

    芸術家かデザイナーかという呪縛からとかれることはなかった
    生命感と力の表現
    フォルムの全体性と構造

    いみずらし

    自分が半抽象彫刻家であったからこそ、たいして苦労することもなく次々と怪獣をデザインすることができた

    三原則のほかに、意外性
    自身の確固たる芸術館と怪獣デザインに対する強烈な自負との矛盾に苦悩する成田の姿がみてトレル

    成田の芸術的関心はいつも、本当に自分の作りたいものはなにかにだけ向けられていた

    成田は特撮の仕事を食うための仕事として彫刻家の仕事とはみなさなかった

    明を盲信するあまり人間性が薄っぺらくなってしまった現代社会においてそれを乗り越えるために会えて闇の助けを借りる


    明が成立するために必要な闇


    それまで成田さんに対してはものすごく穏やかで温厚な人という印象があったのですが、一旦なにかに向かっていく時には激しい情熱をもつ人だったんだとそのとき始めてしりました。

    たかくこころをさとりて俗に帰るべし

    せいとしは紙の裏表なんです。

    あの戦争の愚劣さは言葉で説明できるもんじゃない

    初期ウルトラシリーズには戦争と平和が詰まっているんです

    時には疲れはてながらも、決して下を向くことなく前へ前へ歩き続ける婦人の姿をみるにつけ、この生きざまが成田享のあれほどの仕事を根底からささえたのだと実感した
    真の芸術ってなんだろう、おそらく無償の行為だろう?
    自分を大切にすること、つまりそれは人を大切にすることなんです。それは自分を甘やかすとかわがままを通すことじゃない、全くその逆なんです、本当に自分を大切にするというのは大変なんです。それは世界の全てにかかわることだから。

    世界ぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はありえない 宮沢賢治


    成田のいう自己探求とは実は自己を発端にして人類の運命、世界の終わりを見極めながら結局それを担う我々一人一人の、自らのせいを見つめ直すことなのだ



    わたしは成田が亡くなって無念でならなかった。が今はこう思う。成田享は死してなお生きる。

    オギャーとうまれたら嫌でも死に向かって生きんならん。
    いつだって生きていくのは大変や。でも生ききってください。
    失敗してもいいんです。
    生ききるということが大切や。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784904702468

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著者プロフィール

1929年生まれ。1950年、武蔵野美術学校(現武蔵野美術大学)入学。
1954年、「ゴジラ」の撮影現場の手伝いをしたことをきっかけに、特撮映画の世界に入る。1960年、東映で特撮美術監督。
1965年、円谷特技プロダクションと契約、「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」の怪獣、メカニックのデザインのほか、特技全般を手がける。
1968年以後、彫刻家の活動のほか、ディスプレイデザイン、舞台、テレビ、映画の特撮を数多く担当。2002年没。

「2015年 『成田亨の特撮美術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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